熊本シャルソン街歩き+フューチャーセッション(その前篇)

熊本にできることを街歩きから探ってみる

ito tomio
cahootz
Published in
11 min readJul 27, 2016

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一昨日〜昨日と、コワーキングツアーVol.5熊本編として「未来会議室」さんを訪ねた。

今回のツアーはいつもと違って、2部構成で進行した。ひとつは、いつものように運営者の方にお話を伺うこと(これは、例によってトイロハのサイトで記事を公開する)だが、もうひとつは「いま、熊本にコワーキングができること」は何かをテーマに、みんなでディスカッションすること。その告知ページは以下。

その後半部分で、非常にいい成果があったので簡単に報告しておきたい。ただし、ダイジェスト版でも相当長くなるので、この稿はその前編。

まず、前口上をば。

4月に熊本〜大分に震災が発生して3ヶ月が経過した。その時からコワーキングをベースにして何か役に立てることはないか考えていたが、(告知ページにも書いたように)直後から押しかけるのはかえって迷惑になると思い自重していた。

そこに、「未来会議室さんが7月1日から再開」との知らせが入ったので、早速アクセスしておじゃまする手はずを整えた。そして、いつもは数カ所のスペースを巡っていくのだが、今回は未来会議室さんを会場にして、ディスカッションするイベントを開催することにした。

「いま、熊本にコワーキングができること」というテーマは、一見、重々しいのだが、ここで大仰な結論を出すつもりは毛頭ない。ぼくら参加者は答えを持って乗り込むのではなくて、その場で共有できるものの中から、次のステップを導く緒を見つけよう、というのが趣旨だ。

ここで役に立ったのが、以前、徳島県美馬市でやった四国シャルソン・ミートアップ。街なかを巡りながら、オモシロイことや人との遭遇をFacebookにアップしていくイベントだ。詳しくは、下記ページを参照ください。

「四国シャルソンミートアップ」

これがよかったのは、地元の人ではない人が街のあちこちを移動する中でオモシロイと思うことが、実はたくさんあるということ、つまり、街を再発見できる、ということだ。

これを熊本でもやってみようと思い立った。熊本に何ができるかを考える時、外から遠巻きにして覗いて観るだけでは実効性のあるアイデアに結びつかないのではないか、そういう危惧がぼくにはあったからだ。

各自が街に出て体験してきたコトを逐次共有し、それをディスカッションのとっかかりにしよう、その中からヒントを掴みとろう、という目論見だ。

今回、コワーキングスペース秘密基地さんの岡さんにご協力いただき、小倉から4名が駆けつけてくれた。加えて、東北大震災を経験した遠く仙台からも1名。それと20数年前に震災(と、震災後)を経験している神戸のぼく。それに、コワーキングツアー、ほぼ皆勤賞のサカナさんが東京から参加。

蛇足だが、こうしてコワーカー同士、コワーキングスペース同士がつながってさまざまな活動をともにするというのも、ぼくの理想とするところであり、コワーキングツアーを続ける理由でもある。

ということで、シャルソン街歩きに参加した人は7名(+未来会議室のスタッフさん1名)。2日前の雷雨の天気予報はどこへやら、炎天下、一同は街へと繰り出した。

以下、コロっと文体は変わって、今日はそのシャルソン部分だけを道中日記風に駆け足で綴っていく。

まずは、どこへ行こうか、そうだ、熊本城に行こう。各自が散り散りになるはずが、やはりというか、全員、まずは城を見ておきたいと希望したので、ここだけは団体で向かった。

と、思いきや、その前にまずは腹ごしらえということで、前日にリサーチしておいたビアレストラン「オーデン」でお昼ごはんを。

ぼくがいただいたのは馬肉コロッケ定食。熊本ですからね。

あれ?と思ったあなた、はいその通り。

スタートを祝して、まずは乾杯から。これも、シャルソンのいいところ。どこをどう歩いてなにを体験するかは、参加者自身の自由。

ちなみにこのお店、ものすごいビールの種類が豊富。ぼくが注文したのはセッションIPAのデトックス。これがあるところって珍しいかと。

あとで、冷蔵庫にバラストポイントのスカルピンがあるのを発見して「しまった」と思ったんだけど、あとの祭。

さて、腹を満たした一行は城へ。実は、まだ入場規制が敷かれているゾーンがたくさんあり、当然ながら城を遠くから見るしかない。それでも、進むうちにこういう惨状はいくつも目に入る。

ほかにもこういう写真は撮ったけれども、それが目的ではないので、ここではこれぐらいにしておく。

城には入れない代わりに、「城採苑」という観光案内所のある施設(店舗と休憩所)があり、

そこで元気のいい声で地ビールを勧められて、ついつい岡さんとまたいただいてしまったり。(え?また?)このソレイユというのは爽やかで美味しかった。不知火海浪漫麦酒というらしい。熊本クラフトビール、侮るべからず。

ここを通って坂を上がり、二の丸駐車場を抜けると二の丸広場という実に広大な公園が拡がる。見よ、この「この木、なんの木、気になる木〜」的開放感。

すぐ近くの県営球場からは歓声が聞こえる。きっと、高校野球の地区予選をやっているのだろう。

ここは、この日の夜のフューチャーセッションでも出たが、イベント会場としていろいろ活用できそう。そのことは、後編で書く。

城内には入れないが、加藤神社にはお参りできた。

熊本城はかの加藤清正が築城したとしてつとに有名。この方。

その境内からは最高のアングルで写真が撮れるとかで、ついパチリ。

さてここからは、城を出て、各自思い思いの方角へ移動することにした。

出るなり、重厚な銅像を発見。明治維新の立役者群像だが、真ん中は熊本が生んだ大思想家、横井小楠。左端は、坂本龍馬。イメージが違う。でも、龍馬。

そのあと、ぼくは岡さんと市電に乗った。実はこの時点ですでに結構歩いてて、暑さにバテ気味だったので、冷房が殊の外、心地良い。

向かったのは、水前寺成趣園。あの水前寺清子の水前寺。若い人は知らないか。えーと、この方です。

昭和です。

入るなり、売店でかき氷を。

宇治ミルク金時を頼んだのだが、ミルクが少なかったのがやや不満。でも、金時は自家製だそうで、これが旨かった。

ここの庭園を眺めつつ、

そよ吹く風でしばし涼を取ったところで、

ああ、そうだった、佐谷さんから「酒蔵を探せ」というミッションが与えられてたんだった、と思い出す。

岡さんがあちこち電話してみるが、見学を受け入れているところは、震災の影響もあってだろうか、近辺にはない。ひとつだけ、販売店は17時までやってると聞いて、あわてて市電とJRを乗り継ぎ出かけていったのが、瑞鷹さん。

店内はひんやりと薄暗いが、その静寂がなんとも気持ちいい。

と思ったら、酒造りの精巧な模型があったり

かと思えば、い草のドライフラワーがあったり。はじめて見ました。

で、これを買ってミッション・コンプリート。

しかし、この時点で帰着時刻の17時を過ぎてしまっていた。遅れることを連絡して、駅に向かおうとしたら、同じ敷地内に、くまもと工芸会館を発見。

ここでは、地元のクラフト製品の展示と実演をやってるんだそう。しまった、こういうところを先に訪ねるべきだった。

というか、遠いところから訪ねていって、徐々に帰って来るパターンにすべきなのだ。でないと、帰りの時間が気になって、せっかくの出会いなのにちゃんと交流できない。

それとも絡むが、市街地中心から離れていったほうがディープな体験ができるというのも実感。えてして、繁華な中心部はメジャーなブランドがひしめいていて、ある意味つまらない。どこにでもあるからだ。それより、周辺部を訪ねるほうが、思いもしない発見がある。

これらは、今回の反省点。

そうして、また、未来会議室さんに戻った。30分も遅れて。どれだけの距離を移動したのか測ってはいないけれど、今回も相当歩いた。

ちなみに、当日の参加者の体験投稿は冒頭のイベントページのディスカッションで御覧いただけるので、せひ、チェックいただきたい。それぞれの視点が、まるで違ってて実に興味深い。そしてそれが、地元の人にはおおいに気づきを与えてくれる。

この、街歩きシャルソンは、コワーキングと非常に親和性が高いと思う。各地のコワーキングのイベントメニューとして、非地元の方を招いてやられたら、きっと新しいつながりを作れると思う。カフーツでもやろう。オススメ。

そして、19時から、これらの体験を元に、さて、コワーキングは熊本に何ができるのかをディスカッションしたわけで。

実はこれが当初の予想をいい意味で裏切る盛り上がりを見せ、ただ盛り上がって終わりではなく、次のステップへのヒントを掴み、やるべきテーマをしっかり作り上げてくれた。そのことは、後編で書きたい。

あ、そういえば、上の写真にも見て取れるように、某放送局の取材カメラも入った。放送されるのかどうかわからないが、楽しみですね。

ということで、かなり端折ってるが熊本シャルソン街歩きについて、今日のブログジェリーで書きました。最後までお読みいただき有難うございました。

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ito tomio
cahootz

コワーキング・プロデューサー。メディア企画、執筆、翻訳、編集。2010年、日本で最初のコワーキングスペース「カフーツ」を神戸に開設。2012年、経産省認可法人コワーキング協同組合設立、代表理事就任。2014年、コワーキングマガジン発行。2016年、コワーキングツアー開始。訳書に『グレイトフルデッドのビジネスレッスン』他