30日間で移働型アントレプレナーを育成するHubudのプログラムがなかなかニクイ

移働の時代の起業の方法について

ito tomio
cahootz
9 min readMay 11, 2018

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(2018–05–08 奄美大島にて Photo by 池田和法)

まずは告知から(またか)。

今月は22日(火)〜26日(土)の5日間、福井県若狭和田で「コワーキングツアーVol.14〜ビーチ・コワーキングで夏を先取り、若狭和田編〜」をやります。ビーチでコワーキングしてSUPに乗ってBBQして楽しみませんか?テント泊もあります。プチカンファレンスもします。ぼくも最新コワーキング&コリビング情報をネタに一席ぶちます。ぜひご参加ください。

もうひとつ(おい)。

その翌週、28日(月)に移働の時代〜Beyond the Coworking〜 Vol.3 「新しい学びの場としてのコワーキング~100年人生を豊かにする、ソーシャルラーニングとは~」を、東京市ヶ谷でやります。これも、ぜひご参加ください。

あ、そういえば(なんだ)。

前回の移働の時代 〜Beyond the Coworking〜 Vo.2 「かせぐコワーキング ~リモートワークが実現する事業創生~」はこちらにビデオがありますので、よろしければご覧ください。なお、次回からは配信グレードもアップする予定です。

さて。

今朝、バリのコワーキングHubudから届いたニュースレターで、「Launch30」というプログラムが始まることを知りました。これが実にイイです。先に言っときますが、これ、日本でもやる気になってます。

Hubudいわく、「アイデアだけ持ってきて、ビジネスを持って帰ろう」。どういうことか。

もし、ビジネスにしたいアイデアがあるなら、バリのHubudに来れば、30日間でそれをちゃんとビジネスとしてロンチさせるプログラムを全力であなたに提供しますよ、とまあ、そういうことで、これはすごいなと。

要するにスタートアップ・プログラムなんですが、なにがイケてるかというと、

  1. ロケーションフリーな、あなたが世界中どこにいても収益をあげられるオンラインビジネスの起業プランに特化していること。
  2. そしてそれを、コワーケーションもしくはコリビングの文脈の中で成立させてしまうということ。つまり、旅先でビジネスを起ち上げてしまう、ということ。

ここ、とても重要なので繰り返します。

移動先で起業する、です。

いまの日本の発想では、ちょっと何言ってんだかわかんないんですけど、という話でしょうが、世界ではもう起業という行為そのものがロケーションに縛られない(location independent)フェーズに入っていて、時代の先行く人たちが移動しながら仕事しつつ、その地で仲間を見つけて諸々条件が整えば、起業要件を満たすのであれば場所がどこであれそこで起業してしまう、そしてリモートチームをオンラインで動かしながらまた旅を続ける、そういうアントレプレナーが文字通り世界中を「移働」しています。

「起業」も「移働」なんですね。

余談ですが、これ、例のエストニアの「電子国民」やオンラインでの起業、法人登記を想起させますが、ここでは話がややこしくなるのでそれは次の機会に譲ります。ちなみに、いま、ぼくの友人がふたり、そのエストニアにいて、近々もうひとりが行く予定であるなど、にわかに周辺でエストニアが騒がしいです。

それはさておき。

日本でいま、リモートワークとかコワーケーションとかいうと、今抱えている仕事を持ってどこかに行って休暇を愉しみつつ、その地でその仕事を片付けるというイメージでしょうけれども、それもしつつ、なにかヒントとリソースがあれば移動先であろうがそこでさっさとビジネスを起ち上げる、そういう柔軟かつスピード感のあるオツムで彼らは考え動いているんですね。いやもうホントに。

そもそもバリはアジア圏のコワーキングのメッカであり、中でもHubudはコワーキングのアジアカンファレンスの会場になるぐらいのトップランナー的存在で、欧米はもちろんのこと世界中からエッジの立ってるデジタルノマドやアントレプレナーが集まってきて、そこかしこでバチバチとスパーク起こしている超先進的コワーキング&コリビングとして名を馳せています。

環境としてはバリののどかな自然の中なので、このビデオを観るととてもそういう印象はないんですが、実は最先端にあります。

ちなみに、ぼくの記憶では昨年まではCoworkingがメインの看板だったのが今年あたりからでしょうか、Coworking&Colivingとコリビングを前面に打ち出すようになって、サイトの作りもガラッと変わっています。

これは、このブログでも再三書いていますが、コワーキングの世界のトレンドは確実にコリビングに移行しつつあり、中長期に滞在しながらビジネスを起こす、そのためのハブであり移働するワーカーのベースキャンプとしてコリビングというスキームがいたるところで産声を上げていることの現れでもあり、いま世界に180ヶ所以上のコリビングが存在すると言われています。

ちなみに、ここでコリビングについて自分のFacebookの投稿をコピペしておくと、

Coliving(コリビング)てのは、ただ飯食って風呂入ってリビングでみんなと一緒に映画観て寝るだけの共同住宅じゃないのよね。そこに集まる者たちの間で相互に刺激し合い、時に助け合い、スパークし合ってコトを起こすところ。世の中に新しい価値を生み出してチェンジメイキングする、そのためのスキーム。で、そういうことに敏感に反応する人たちがいろんなところから集まってくる。そういう人が、またそういう人を呼ぶ。それを長期スパンでやるうちにコリビングとしてのカルチャーが醸成されてくる、そういうところ。なので、そうでないところはコリビングとは言わない。繰り返す。飯食って風呂入って映画観て寝るのが目的ではない。ピリオド。

と、自分で自分を引用するのも赤面しますが、まあそういうことです。

ビジネスでコトを起こすのもチェンジメイクであって、ここを声を大にして言っておきたいのですが、こういうデジタルノマディックな生き方をしながら自分のビジネスを起こす人は、自分と同じ感性と能力のある人が集まるところを嗅覚鋭く嗅ぎ分けてどこからともなく引き寄せられてきて、そこでまた新しいコトを起こすわけで、そのための環境としてコリビングがあり、ぼくの目指しているのもそこです。

起業のためのインキュベート施設(孵化器)は、コンクリートビルの一室にわざわざ設計されるのではなくて、こういう人が集まってくる環境にこそ開かれるべきだと考えています。要するに、「人が人を呼ぶ」のであって、その「人」が居心地いい環境とは何かを考えたら答えは自ずと出てきますよね。

とか言ってたら、こういうニュースも目にしたり、

確かに起業後のサポートはそれはそれで有難いし、時に大きな助けになるでしょうけれども、先述の「移働しながら起業していく」というデジタル的、リモート的起業が当たり前のように行われている世界の動きと引き比べると、ロケーションに縛られた起業が果たして今の時代にあってビジネスする者にとって理想なのかどうか、よーく考えて行動する必要あると思わずにいられません…というか、もはや疑わしい、と思います。

さて、くだんの「Launch30」ですが、詳しくはサイトを見ていただくとして、Hubudは過去に40カ国から1,000人以上のアントレプレナーを迎え入れた実績があるとのことなので、そのカリキュラムやスケジュールもとにかくよく考えられているようですし、すでにコリビングをやっていることからも滞在中のことについても至れり尽くせりです。

このプログラムは9月からはじまり、費用は30日間の滞在費含めて1万ドル。これを高いと思うか安いと思うか、さあどうでしょう。

もちろん、ホントに30日でビジネスとしてスタートできるかどうか、その膳立てはしてくれるでしょうが、モノにするのは自分次第なのはもちろん言うまでもありません。

ただ、こうしたプログラムに参加することで世界への視野が広げられること、同じマインドを持つアントレプレナーたちとグローバルなネットワーキングができること、これは非常に大きいと思います。なので、1万ドルというコストも、ぼくはリーズナブルと思うんですけどね。

で、さっきも書きましたが、ぼくがやってるコワーキングツアーで各地にコワーケーションのスポットを作っていく過程で、このプログラムをどこかでやってみたいと企んでいます。オモシロイ、やってみたい、と思われた方、ぜひご連絡ください。よろしくです。

ということで、最後までお読みいただき有難うございます。このブログは、ブログJelly Vol.86Revengeで書きました。

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他にも、「カフーツ式BlogMagazine」に書いていますので、よろしければチェックください。

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ito tomio
cahootz

コワーキング・プロデューサー。メディア企画、執筆、翻訳、編集。2010年、日本で最初のコワーキングスペース「カフーツ」を神戸に開設。2012年、経産省認可法人コワーキング協同組合設立、代表理事就任。2014年、コワーキングマガジン発行。2016年、コワーキングツアー開始。訳書に『グレイトフルデッドのビジネスレッスン』他