Beyond the Coworking〜これからのコワーキングを神戸で考える(その後)

考えたら、動く。

ito tomio
cahootz
11 min readJul 15, 2017

--

今日のブログジェリーは、簡単なご報告と、これからのことをサラッと広報して手仕舞いしたい。

まずは、6月16日〜18日、神戸元町で開催したイベント『Beyond the Coworking これからのコワーキングを神戸で考える〜コワーキングと◯◯を掛け算しよう〜』は、準備期間と予算がほとんどない状態でバタバタバタ〜っと本番を迎え、それでも数多くの方々のご協力の下、無事、終了した。

参加いただいた皆さん、クラウドファンディングにご支援いただいた皆さん、プレゼンターとして全国から馳せ参じていただいた皆さん、会場のこうべまちづくり会館のスタッフの方々、神戸市職員の方々、その他いちいちお名前はあげませんが、本当に有難うございました。心より感謝申し上げます。

その3日間で合計6本のセッションは、当日、YouTubeのライブストリーミングでネット配信した。それはそのまま、ほぼ編集なしでYouTubeに保存されている。便利になったものですなぁ。

以下は、そのテーマ別のセッションリポートで、各プレゼンターのサマリーも掲載した上で、そのビデオも貼り付けてある。相変わらず伊藤の滑舌が悪いが、そこはご容赦願いたい。

ついでに、「旅とコワーキング」でぼくが使用したスライド資料も貼っておく。

さて、この6つのテーマでセッションしてみて、やっぱりこれからのコワーキングは(かねがね考えていたことを今回のテーマにしたから当たり前といえば当たり前なのだが)、複合的な目的を叶えるための施設ということを前提にデザインされ、かつ、他の地域のコワーキングとも連携して運営されるべきだ、という気持ちがますます強くなった。

何度もくどいが、基本的には下図のような構成を念頭に置いておきたい。当面はここさえ押さえておけば間違いないと思う。その後のこともすでに考えているが、それはまたの機会に。

で、このイベントで自分も再考する機会を得て、今後、カフーツではささやかながらいくつかのプログラムを順次、進めていくことにした。以下、ざっくりとその概要をば。

●ビズラボ

ビジネスにウェブ(インターネット)をどう活用するかについて学ぶために、毎回、今、注目のテーマを取り上げて、参加者全員で知恵と経験を共有し、かつ、懇親を深めるための研究会。

基本的に、19時になると乾杯して飲食しながら進行する気軽な、かつ内容の濃い勉強会にする。かつて、「ネマ研(ネットマーケティング研究会)」という勉強会をかれこれ90回近くやってたのだが、その発展型。

ぼくはもともとウェブのビジネスコンサルティングを仕事のひとつにしているので(え?知らなかった?)、ちょっと先を行くウェブを取り上げる。(ちなみに、ぼくがコワーキングを始めるきっかけになったのは、そのネマ研です)

いまのところ、Facebookページのみで、その第1回めは、7月27日(木)19時から

●起業ジェリー

起業前夜、前前夜、前前前夜の、もしかしてこういうことビジネスになるんじゃないか、ならやってみたい、とモヤモヤしている人たちで情報共有、意見交換しつつ、アイデアをブラッシュアップして起業の足がかりを探る交流会。これも、誰でも参加できる飲食「持ち寄り制」でワイワイ感満載でやりたい。

ちなみに、今回の「Beyond」でも、「食とコワーキング」というセッションを持ったが、やっぱり、一緒に飲食する仲でこそ、思いもしない発想がスパークしコラボや協業、起業の発火点になるので、この方向性はずっと維持していきたい。

これはいずれ、カフーツのFacebookページで告知する。

●C-Corp

「ビジネスの方法論を活用して地域の課題を解決する」のがテーマの、いわゆる起業塾。

普通の起業系のセミナーなんかとちょっと違うのは、ただ経済的成功を求めるのではなく、事業収益をあげつつも、その社会に貢献することで地域のみんながその利益を享受することが可能なビジネス、それをソーシャルビジネスと言うのだろうけど、そこを目指して起業する人をサポートする取り組み。ちょっとややこしい?例えばこう。

・この町ではこういうことで困ってる人が多い
・こういうすれば町がもっとよく(楽しく)なるんじゃないか
・こういう人達にできることは何か
・今、地域に求められているのはなんだろうか

などなど。それは、「食」であったり「育」であったり「学」であったり、いろいろ思いつくと思う。それを、行政に税金使ってなんとかしろと押し付けるのではなくて、自分たちでビジネスを起こして解決する。そのほうがコトは速いし、実は行政も助かる。

ちなみに、「C-Corp」の「C」は、Cahootz(カフーツ)のC、CoworkingのC、CollaborationのC、CooperativeのC、CommunicationのC、などなど、プラットフォームとするコワーキングに関わるキーワードを表している。が、白状すると、アメリカの「B-Corp」をパクった。すみません。

これは対話によって学び合うためのカリキュラムをスケジュールングした、れっきとしたスクールとして運営する。キモは、ファンドのところだと思っている。ただいま、そのカリキュラムを編成中。遅くとも9月にはスタートさせたい。あ、9月といえば新学期ですね。ちょうどいい。

●SPARKS!(仮名称)

上記の3つは、どちらかというと「起業系」だが、これは、主に受託で生計を立てる個人事業者、フリーランサーのための交流会。「そういえば、カフーツでそういうの長いことやってないね〜」という話から、やることに。

フリーランサーならではの課題、悩みどころ、「ああ、それそれ」などをみんなで知恵を寄せ合って解決したり、仕事に直結する業界情報、人のネットワーク、等々をシェアしたりするのが目的。時にはミニ・ワークショップもするかな。これも、「持ち寄り制」でワイワイやる。ワイワイが好きなのだ。

これは、早速、8月から。

●Beyond the Coworking

で、これが、今回一番の収穫。そう、6月のイベントそのままの名称で、「これからのコワーキングを考え実行する」ためのイベントを、今後も、開催地を変えて継続的にやる。これ、神戸だけじゃなくて、どこの地方でもやったほうがいいなと思ったので。

いま考えているのは、コワーキングツアーと連動させて、ツアーでおじゃまする先々のコワーキングスペースでイベントとして開催する、という構想。

今回掲げた上図の8つのテーマに沿って、その地のコワーキングが抱える課題を解決したり、未来の姿をデザインするために、地元の人と、我々外部の人が渾然一体となって話し合い、アイデアを共有し、実行の手がかりをつかむ。

この「外部の人」というのが、実は結構重要な役割を担う。いつもと違う目で見る人が混じることで、コミュニケーションが活性化するのは、どこのコワーキングでも実証済みかと思う。

次回のツアーの訪問先はまだ決まっていないが(その6月の3日間のイベントの余波で、その後のスケジュールがてんやわんやなのです)、行程が決まり次第その地のコワーキングスペースには開催を打診していきたい。というか、「じゃ、うちでやれ」というリクエストは大歓迎なので、ぜひ ito@cahootz.jp までご連絡ください。

とまあ、上記はカフーツでの新しい活動だが、それ以外に、海外からデジタルノマドを誘致して滞在型のコワーキング(= Coworkation)を展開するドンタクハウスも、いよいよ秒読みに入った。また、それと絡むが共同生活のColivingも世界的に面白い局面を迎えているので、それらはあらためて記事にする。

ついでに、リモートワークをテーマにしたウェブメディアも企画段階に入っていて、ものすごい妄想のあれこれがアタマの中に充満している。このままだと爆発しそうなので、ぼちぼち作りにかかろうと思ってる。

いずれにしろ、今のぼくのテーマは「移働」だ。これからの社会の基盤を根幹から変革する「移働」を核に、できることはなんでもやろうと思っている。蛇足だが、これをテーマに講演もするので、興味ある方はぜひ連絡ください。よろしくです。

ということで、今回のブログはこのへんで。本当に報告と告知だけで申し訳ない。最後までお読みいただき有難うございました。

もし、このブログを愉しんでいただけたなら、左下にある♡のマークをクリックしてやってください。そうすれば、他の方の目にも触れるきっかけになるので。

他にも、「カフーツ式BlogMagazine」に書いていますので、よろしければチェックください。

自分がずっと愉しめるテーマを持っておくことが継続する秘訣

--

--

ito tomio
cahootz

コワーキング・プロデューサー。メディア企画、執筆、翻訳、編集。2010年、日本で最初のコワーキングスペース「カフーツ」を神戸に開設。2012年、経産省認可法人コワーキング協同組合設立、代表理事就任。2014年、コワーキングマガジン発行。2016年、コワーキングツアー開始。訳書に『グレイトフルデッドのビジネスレッスン』他