ヒップホップと松本人志と「死んだら負け」

ギャングスタラップを地で行くダウンタウン松本

これ最初聞いた時、アメリカのヒップホップ界隈とすごいリンクしてるなぁという感想しか浮かびませんでした。

「死んだら負け」とか「死ぬこと以外かすり傷」っていう文句は、タフネスさを象徴するためのシンボリックな意味として用いられていますが、これはアメリカの2000年代に見られたギャングスタラップ的な価値観です。

どれだけ撃たれても死なないみたいな世界観は、この時代のアメリカのヒップホップを席巻しただけでなく、日本にも「ヒップホップとはこれだ!」みたいなイメージを強烈に植えつけました。

どれだけダメージに耐えられるか合戦が行われていたんですね。

一方、現代のヒップホップはどうでしょうか。こちらはYGというウェッサイでギャングスタのイメージが強いラッパーですが、撃たれたことのショックでいきなりウジウジモードに入っています。

「誰が俺を撃ちやがった?分からねえよ」とひたすらに繰り返し、まるで致命傷を受けたかのように衰弱してしまっています。

実際YGは何者かから銃撃を受け、負傷したのちに人間不信になってしまっています。

このアルバムを作る前、本当に神経を衰弱させてしまっていたようです。

これが今のヒップホップであり、若者の心情なんですよね。痛みや弱みを臆さずさらけ出し、「自分の弱さ」をどれだけ示せるかのコンペティションが始まっています。

もちろんこれはアメリカのヒップホップの話ですが、松本人志の「死んだら負け」に強く拒絶を示せる日本社会を見ると、結局YG的な世界観が今の日本の若者にもしっくりくるのではと思います。

あまりにギャングスタ的なイメージが強いヒップホップですが、今時のヒップホップはもっと繊細で、マッチョが支配する世界観はとうの昔に滅んでいます。

やたらと筋肉を見せつけあって強さを誇示する以外の部分に、若者は楽しみ方を覚えたということです。

それにしてもNewsPicks界隈の人はしっかりヒップホップ聴かせたらめちゃハマりそうなんですが、布教してくれる人はいないんですかね・・・