「フォーオナー」という三国志を見つめる#3:ナイトは15世紀からやってきた?②
装備からナイトの年代を割り出してみる企画、後編。
前回の長剣とフレイルに引き続き、今回もフォーオナー中でナイトたちが使用している武器についてざっくり調べていきます。
まずはこちら。
ハルバード

斬る・突く・叩くの三拍子が揃ったファンタジー御用達のこの武器ですが、現実世界でもその汎用性の高さから広い地域で使用されたんだとか。
とは言え使いこなせるようになるまでは結構な時間を要し、使い手は限られていたそうですね。
「槍斧」「斧槍」「鉾槍」などと日本語訳される。長さは2.0メートルの物から3.5メートル程の物まで(種類による)、重さも種類にあわせて2.5キログラムから3.5キログラムの物と様々である。槍の穂先に斧頭、その反対側に突起(ピック)が取り付けられている。状況に応じた用途の広さが特徴的な長柄武器(ポールウェポン)であり、その実用性から、ヨーロッパ全域で広く使用されていた。
少なくとも斬る、突く、鉤爪で引っかける、鉤爪で叩くといった使い方ができる。さらに鉤爪で鎧や兜を破壊したり、馬上から敵を引き摺り降ろしたり、敵の足を払ったりと、様々な使い方が可能だった。しかし重いので、多芸な為にそれぞれの性能の武器を器用に使いこなし使い分ける適切な判断と迅速な対応を必要とした。そのため、この武器を扱える者は限られていた。(参照:ハルバード-wikipedia)
上級者向けの武器であったこともフォーオナーでは再現されていますね。非常に扱いにくいのですが使いこなせれば華やかそう。
さて、肝心の時代検証ですが、ハルバードの誕生は6世紀ごろに遡り、全盛はルネサンス期、つまり14世紀半ばから16世紀半ばに迎えたとということになります。
ただし、14–15世紀のイタリアで大きな文化運動が起こり、各国に影響を及ぼしたこと自体を否定する論者はいない。本項では、古代ギリシア・ローマの学問・知識の復興を目指す文化運動がイタリアで興り、やがてヨーロッパ各国に波及したと捉えておく。
イタリア・ルネサンスの時期としてはおおむね14世紀中頃のペスト流行以降、宗教改革後のトリエント公会議(1545–1563年)までが想定される[3]。(参照:ルネサンス)
生誕地はスイスで、6世紀から9世紀に北欧で使用されていた。13世紀にスクラマサクス(片刃の短剣)を棒の先に取り付けた事から始まったとも言われている。白兵戦武器の黄金時代ルネサンスの頃には最も利用された武器の一つである。(参照:ハルバード-wikipedia)
ただルネサンスと言い切って終わりにしてしまうとかなり広すぎるため、もう少し限定的に年代を見ていきます。
一般化が進んだのは15世紀後半、そして主力としての役目を終えるのはマスケット銃が戦場に登場し始めた16世紀終わり頃ということですので、
西暦にすると1450~1550年くらいの100年間が花形だったということになりそうですね。
15世紀後半にはたちまち戦場の花形武器となりました。
その攻撃力はすさまじく、特に斧による斬撃を食らえば、鎧兜で重武装した兵でもひとたまりもないほどの威力でした。
(中略)
ハルバードは長く戦場で活躍し続けましたが、16世紀終わりのマスケット銃の登場により武器としての役目を終えることとなります。(参照:世界の武器術・剣術!!)
ちなみに戦場から完全に姿を消すのは19世紀ごろになったそうですが、現在でも儀式アイテムとして現実世界のあちこちで使われているようです。
バチカンの衛兵が持ってるのもハルバードですね。
次に行きましょう。
二刀流

ぼくの中では二刀流といえば侍、という貧相な発想しかなかったので、当初フォーオナーのピースキーパーを見て「ヨーロッパで二刀流とかwww」と馬鹿にしていたのですが、
普通に中世ヨーロッパでも二刀流はあったようです。すいませんでした。
ヨーロッパの西洋剣術でレイピアにおける二刀流は 左手のマンゴーシュという短剣と併用される。フェンシングや剣道から見ると奇異だがレイピア&マンゴーシュの組み合わせは非常にポピュラーであった。西洋では元来剣は右手、左手は盾で防御という概念の上に構成されているため二刀流は左の盾と考えると困難なものではない。また、突きが主な攻撃なので、斬りよりも防御しやすいという点もある。
このマンゴーシュには大型の鍔がついていたり十手のように鍔がフックとなっていたりするので、相手の剣を受け止めると動けなくなる。片手に短剣の二刀流の利点は間合いが長短二つあることだ。特に突きは離れた間合いから両者は急速に接近するので一撃目が失敗しはじかれても 次はダガーで脇腹をさすことができる。
ルネッサンス期のイタリアではフェンシングの技術として、利き手でレイピア、逆の手で短剣を扱う技術があったが、防御専門であり用途は盾に近い。(参照:wikipedia)
二刀流とはいっても盾の代わりに剣を持ち、攻守ともに剣で行うという使い方が主流だったみたいですね。
盾に比べて素早く攻撃できるという点では、フォーオナーのピースキーパーは正しく二刀流を活用できているようです。よかったよかった。
そして二刀流の誕生は上の写真でピースキーパーが左手に装備している(と思われる)マインゴーシュという武器が鍵となるようで、これが二刀流における素早さと防御の要となります。
マインゴーシュとは「左手用の短剣」という意味の言葉で、右手(利き手)に本来の武器を持った状態で、盾の代わりとして使用することを意味しています。
その意匠は利き手の剣に合わせることが多いので、一概にどういう形とは言えません。鍔が受け流し用に特化されているものや、拳を守るために盾状になっている(カップガード)もの、はたまたボタンを押すと刀身が三つ又に分かれる「トライデント(三叉)マインゴーシュ」というものも存在します。
ですがいずれにしても共通して言えることは、「盾としての機能を果たす」ということです。(参照:マインゴーシュ)
そして16世紀の銃器の登場により軽量化を余儀なくされた結果、白兵戦で軽量化しながらも相手の攻撃をかわせる装備として開発されたのが
マインゴーシュのようなパリィイングダガーということなので、
年代としては16世紀〜近代という認識が正しいでしょうか。
西暦換算で1501年〜くらいですね。
マスケット銃が本格的に使われ始めたのが15世紀のフス戦争以降という情報もあるため、やはり16世紀初頭から二刀流は存在し、銃撃戦が戦場で主流となっていくにつれてその姿を消していったのでしょう。
初期のマスケットは点火機構がマッチロック式(火縄式)だった。マスケットという名称が登場した当時は大型で股杖が必要な火縄銃を指していたが、やがてその種の銃が姿を消すと、先込め式銃全般を指す名称となった。ヨーロッパ史における初実戦はフス戦争であるといわれる。日本では火縄銃がマスケットに含まれないかのような説明がなされることがあるが、上述の通り、これは間違いである。(参照:wikipedia)
さて、これで四種類の装備の検証をひとまず終えたことになりますが、
どうも前半で取り上げた武器は15世紀、後者で取り上げた武器は16世紀あたりで使用されていた武器、ということになりますので、
その間を取ればちょうど1500年前後、つまり15世紀と16世紀の間くらいからナイトたちはやってきたということになるのでしょうか。
銃がメインウェポンになるかならないかぐらいの時代ですので、フォーオナーの世界の彼らはかなりギリギリを攻めているようです。
とりあえず前後編に分けて武器のみからナイトの世界観を検証してみましたがネットの浅い情報を参考にしてしまったので、
また時間があるときに文献でも読み漁って再検証していく価値がありそうですね。
誰か詳しい方がいたら教えてもらえると幸いです。
それでは。

