CEROレーティングに意味はある?新作「GoW」発禁問題
国によって多種多様なメディアの倫理審査機関があるわけですが、CEROといえば日本でリリースを予定しているゲームソフトを審査し、対象年齢を設定する、ゲーマーには馴染みのある組織。
時として微妙な判定で海外ゲームの国内版販売を禁じることもあるCEROですが、3Dアクションシューター界隈を長年支えてきたゴア表現多めの人気作品、「ギアーズオブウォー(Gears of War,GoW)」にもついにCEROから国内版発売見送りの指示が以前に出されていました。
ところが先日したのニュースでもあるように、国内版の発売が一転して許可されたとも取れる動きが公式にあったようで、今日中に正式な発表が行われるとのこと。
見送りが取り消された理由については不明ですが、ともかく国内での公式なリリースはほぼ確定ということで、ファンには嬉しいニュースとなりました。
ただ見過ごしておけないのは、CEROレーティングがいかに柔軟性に欠ける判断に基づいて審査が行われているかということが想像に難くない点です。
これは他のゲームでも前々からあった話ですが、ゲームシステムや制作意図そのものに倫理的な問題があるものならまだしも、過激な描写が含まれているという理由だけで発売を差し止めてしまったり、
あるいは規定の範囲に収めるために修正を加えて、ゲームそのものが崩壊してしまうケースはこれまでも多々ありました。
僕が身近に感じたケースではコールオブデューティー(CoD)シリーズのWaWとMW2の二作品だったでしょうか。
MW2に関してはリリース直後もあんまりな修正内容がかなり話題になっていたのをよく覚えています。人気作品なので結局みんな国内版を買うわけでしたが・・・
そしてMW2あたりからCoDに人気がつき始めたので、終わり良ければすべて良しという結果になってしまいました。
そしてこの二作を含めて、何より疑問なのがZ指定の存在意義です。
18歳未満は購入に制限があるという線引きがあるのですから、もはや修正や規制を支持する権利はCEROにないと思うのですが、この辺はいつもうやむやにされてしまいがちなので、なかなか話が前に進みません。
そしてZ指定でも無修正海外版でも、結局のところ未成年の子達はamazonやダウンロード販売など買う手段はいくらでもあるのですから、小手先の修正で発売を許可してしまうCEROやそのレーティングの意味は怪しいものがあります。
ゲームそのものが倫理的に問題がないかをチェックし、年齢区分を審査する機関は必要だとは思いますが、発売を差し止める権利やはり彼らにははないんじゃないと思います。
国内版の発売を制限することで、問題のあるゲームの流入をできる限り遠ざけているという考え方もありますが、それでも買う人は買いますし、買わない人は買いません。
もはやDL販売やamazonでの購入が主流になってきている中で、販売店舗にZ指定区分のゲームの未成年への販売を制限する動きも意味をなさず、steamのようなインディーズゲームが溢れかえる場所には誰もがアクセスでき、かつ明らかに「アブない」ゲームも多々見受けられます。
ゲームの入手方法が簡素になってきている今こそ、今回のような描写の修正だけでリリースがまかり通ってしまうような、適当な審査に時間を割くのではなく、
もっと倫理的に問題のあるゲームに対して厳しい目を向けるのが、ゲームを審査する立場にある人たちの役割なんじゃないでしょうか。