ぎょぎょ! ギョッカソンに潜入したら水産×ITの未来が楽しみになった件

Katsuya Shiraishi
CAREER HACK
Published in
9 min readSep 12, 2016
(お昼にふるまわれた海鮮丼。うますぎた!)

す、水産×ITのハッカソン?魚好きとしては見逃せない。そしておもしろそう!(おいしそう)

…というわけで潜入してきました「ギョッカソン」。会場はおしゃれなレンタルキッチンスペース。

(天然パーマが淡い画像で失礼します)

なかに入ってみるとこんな感じ。

すごい大盛況!約30名が参加したそうです。

水産ハッカソン(ギョッカソン)のきっかけ

主催したのは水産スタートアップのフーディソン。そのきっかけはこう書かれていました。

魚を食べる文化は日本人の生活と密着しており、栄養などの観点からも大切な事だと言われています。衰退させないために色々な方法が考えられていますが、エンジニアやデザイナーから思いがけないサービスが誕生すると面白いと思い、このイベントが生まれました(http://suisan.connpass.com/event/37361/

今回は水産流通における課題から「地方創生」「築地」「魚屋」「toC」などテーマごと、各チームにわかれて、アイデアだけでなく、ちゃんと動くモノをつくり、優秀賞を狙っていくといいます(優秀賞チームにはかなりの豪華な賞品が!?)

なごやかにアイデアを出し合っているチームもあれば・・・

さっそく黙々と手を動かすチームも。

みんな真剣モードです。

今回参加者の6~7割はエンジニアだそう。

いったいどんなものができあがるのか、楽しみです。

さあいったいどのチームが勝者に!?・・・と、ちょっとその前にお昼はみんなでランチタイム。

ランチは、絶品の海鮮丼が無料で!

魚の理解を深めるためにブリ(まだ小さいからイナダ?)の解剖ショーも行われました。

包丁をにぎってユーモアたっぷりに解説してくれたのが、東京海洋大学の阿高麦穂さん。魚食普及団体にも所属し、小学生たちの前で解剖することも多いそうです。

(普段食べる機会の少ない心臓も「塩で焼いて串焼きなどにするととてもうまいんですよ!」と阿高さん)

フーディソン社員のみなさんが料理してくださり、あら汁と海鮮丼、ギマ()のフライが振舞われました。ギマもホクホクで絶品でした(食べるのに夢中で写真忘れた・・・)

(本気でめちゃくちゃうまかった)
(おいしそうなお昼におもわず参加者も笑顔に)

そして結果発表!優勝チームは・・・

どどーん!

フーディソン代表である山本さん(左)より、優秀賞としてタラバガニの贈呈!

豪華なタラバガニをGET!普段、ゲーム会社で働く3名のチーム。なんと社会人1年目だという若い彼ら。

つくったのは魚の漢字を覚えることができるカジュアルゲームアプリ「魚難(サカナン)」でした。

会場を驚かせたのは、Android版ではすでにリリースが完了していたこと。iOSもAppStoreに申請済み。

(AARRR理論にそってアプリのローンチまで)

プレスリリースも8件申請済み!

動画やLPまで!

ソーシャルアカウントも時間内に開設!

Twitter : https://twitter.com/sakanan2016
Facebook : https://www.facebook.com/%E9%AD%9A%E9%9B%A3-161575547617691/
LP : https://launchkit.io/websites/rWjLg8AhTiE/

1日でリリースし、さらに広めるところまで考えてつくった彼ら。すばらしい内容で会場をわかせ、見事投票で1位に!若い彼らのこれからもとても楽しみとなる発表でした。

その他にも、未利用魚(獲れる量が少なく市場に出回らない魚)の出荷がWeb上仕入れられるWebサービスであったり、海中を撮影して漁をサポートできるIoTであったり、漁師同士がやり取りできるコミュニケーションツールだったり、ポ○モンGoの魚版&進化版であったり、いろいろなアイデアが!途中の機材トラブルなどはありましたが、大盛り上がりで幕を閉じました。

フーディソン代表 山本徹さんに訊く!テクノロジーに注目する理由。

今回のギョッカソンを主催した「フーディソン」は、ITによって水産流通のさまざまな課題を解決するスタートアップ。彼らが目指すのは、「ITを活用して水産流通のプラットフォームを再構築すること」だといいます。

提供するのは、飲食店がスマホで鮮魚を簡単に仕入れられる「魚ポチ」、そして受発注など一括管理・処理できる「魚ポチplus」など。

(魚ポチplusが解決する課題)

また、ユニークなのが自分たちで仕入れ・魚屋さんの実店舗経営から、オンラインショップの運営、自社オリジナルブランドの加工食品販売まで行っていること。

(しらすのおせんべい、カルパッチョやジェノベーゼ、バーニャカウダーのソースなどオリジナル商品)
http://foodison.jp/sakana-bacca/

ギョッカソンはフーディソンの認知拡大・PRといった観点はあるものの、それ以上に山本さん自身として得るものも多いといいます。

代表である山本徹さん(画像右)

もともと私は他業界から来て、それが武器だったはずが水産の世界にどっぷりつかっていると考え方が凝り固まってしまう部分があると思っているんです。だから業界や職種をこえ、「外」の人のアイデア、視点を得ていく上でとてもいい機会に。…といっても、ギョッカソンでいえば、社員みんなが「やろう」と動いてくれて、ぼくは優勝の景品である「タラバガニ」の協賛をスポンサーさんにお願いしたぐらいなんですけどね(笑)

(社員と一緒にタコのポテトサラダをつくる山本さん)

また、テクノロジーが既存業界にもたらすインパクト、いかにイベーションを起こしていくのか?という部分についても伺うことができた。

僕らがテクノロジーに注目するのは、他の業界を見ていても予想だにしない方向、テクノロジーの進化によってイノベーションが起こるケースが多いからです。

たとえば、水産にしても魚群探知機など技術が進化した時、もしかしたら世界中の海にいるすべての魚がどこにいるか、マッピングされる可能性さえあります。そうなったら業界のパワーバランスは一気に変わるはず。魚群探知機メーカーが力を持つことになるかもしれません。

だからこそ、衛星、人工知能・AI、3Dプリンタ、ドローン、Airbnb…こういった最先端の技術やサービスが水産にどういった影響をもたらすのか。それらを事前に調べてあらゆる可能性を洗い出し、先にリーチする必要があると考えています。

金融、教育、医療などさまざまの既存業界でイノベーションが起こっている近年。水産の世界でもおもしろい動きが起こりそうですね。

なによりも若い人中心に「水産」や「魚」といったところに興味を持ち、テクノロジーを活かして楽しみながら課題解決に取り組む、そのポジティブな姿がとても印象的でした。

おまけ

最後は交流会にも参加させていただきました。そこでも絶品の魚料理がたくさん!最高においしいハッカソンでもありました。

海鮮のうまみたっぷりのパエリア!
解剖ショーで使われたブリも切り身、カルパッチョに!旨すぎてカルパッチョソース、2本買いました(何しにいったんだ笑)

(おわり)

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