旅のはじまり|親友が暮らす小さな港町

Ai Nomura
CAREER HACK
Published in
4 min readMar 8, 2017

いったいどんなまちで暮しているんだろう?

元気に働いているかな?

そんなことを考えながら、朝9時半に東京駅から新幹線に乗り込んだ。

向った先は、「石巻」。宮城県沿岸部に位置する、小さな港町を訪ねたのは、親友が石巻の近くで暮しはじめたことがきっかけだった。

自分のやりたいことと向き合い続けた友人は、社会人3年目を迎えるタイミングで、新たな仕事に就き、1年前に東京を離れることになった。

仙台に到着してから、車を走らせること1時間。待ち合わせ場所の石巻駅に到着し、友人に車の運転をバトンタッチ。石巻に引っ越す前、運転には自信がないと不安をこぼしていたはずなのに、道も覚えて普通に運転する姿がたくましかった。

まちの中心部にある石巻商店街。地元のひとたちに愛されているお店や、移住者がはじめたカフェやレストランなどが軒を連ねる。

「おいしいハンバーグ食べれるところあるから行こう」

ちょうどお腹が空いたころ、ランチにオススメの場所に連れていってくれた。ハンバーグって言っていたけど、お店の看板には明らかに『釜めし屋』って書いてある。

ハンバーグなのに、釜めし屋?

疑問が浮かんだまま店内に入ると、地元のお客さんで賑わっている。創業40年以上の老舗『まきいし』2011年3月11日、東日本大震災で津波による被害を受けながらも、同年7月に営業再開。長年、地元の人たちに愛され続けている。

「まきいし」名物のハンバーグ。ちなみに、このハンバーグの上にかけられているのはチーズではない。しかも特別味があるわけでもない….そして、お店のひとに聞いても、「なんですかね~」と分らない様子だった。

ご飯を食べた後、石巻のまちを歩いみることに。

居心地のいい、広々としたカフェ兼コワーキングスペースにたどり着いた。

コワーキングスペース兼カフェ『IRORI』。おいしいコーヒーを飲みながら友達とゆったり話すのもいいし、WiFiや電源も自由に使用可能なので作業に集中することもできる。

「〇〇さん、こんにちは!」

仕事でお世話になっている人がいたらしい。友人は駆け寄って挨拶していた。ここで過ごしてきた時間、つくってきた関係を垣間見た気がした。

その他にも、石巻の食材や素材を生かした雑貨が取り揃えられている『ASATTE』、店主やスタッフの方に親しみを感じる人気の割烹料理屋さん『いまむら』など。

友人と一緒に石巻を回るなかで、また行きたいお店ができて、そこから少しずつ人の輪が広がって。

そして、友人のつながりで、取材のきっかけも生まれた。

最初に石巻を訪ねてから、足を運んだのは3回くらい。

会うたびに、友人は変化しているように思う。

立ち止まって悩んだり、それでも仕事の話をしている姿がたくましく思えたり。そして、少しずつ自分の暮らす場所を好きになっている。

会うと決まって、一緒に働き方や生き方について悩んだり、くだらないことで爆笑したり…

結局話はまとまらないけれど、最後にはいつも「がんばろうね」って言ってる(気がする)。

わたしたちは、うまく道が開けないとき、自信がなくなって、焦ってしまうから。「がんばろうね」は、背のびせず焦らずそれでいいんだよなぁっていうエール。

きっとそんな友人が暮らす町だから、このまちのことを好きになったのかもしれない。

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