Choja in Action #02 Choja はどうやって資産を築くのか?

Yuki Shichiku
Choja Crypto
Published in
10 min readDec 10, 2020

前回の Choja in Action では一般的な流動性の話、Uniswapで起きた分散された流動性供給というブームの話をした後、Choja が流動性供給することにより暗号資産取引市場全体の取引高を増やすために創られているという話をさせていただきました。

今回は Choja が暗号資産市場的に嬉しいということはわかったが、実際に使っていただく皆さん的にどの様に嬉しいのか?というのを「Choja はどうやって資産を築くのか」というタイトルでご説明させていただきます。

Choja の使い方について

まずは Choja というシステムはどの様に使えばいいのかについて説明します。

1. 取引所の API キーを取得して Choja に設定する

Choja 対応の取引所 (※1) をご利用いただき、その取引所から取得出来る API キーという物を Choja に設定します。

このAPIキーというのはお客様の取引所の資産を代わりにトレードする権限を持っており、この権限を Choja に渡すことで稼働します。種類にも寄りますが、基本的に API キーには出金権限が無いため、万が一このキーを奪われた場合でも、お客様の資金が流出することはございません。(※2)

APIキーの取得方法については取引所ごとに決まっていますが、わかりやすい詳細なマニュアルをご用意致しますのでその方法についてはご安心下さい😉

2. 取引に使う通貨を選択する

取引所に対応しているかつ、 Choja のシステムで対応している通貨ペア (※3) を選択して、どの様なペアで資産運用するかを選択します。

3. 取引する注文幅の設定をする

Choja は稼働すると売り注文と買い注文の両方を同時に出します。

例えば BTC 100 万円の市場価値だったときに100円ずつ差をつけて、

「BTC100万100円で売ります」
「BTC99万900円で買います」

という注文を用意します。このとき100 + 100 = 200円の価格差がありますよね?これが注文幅です。分かる人向けに言うと「スプレッド」と言ったりします。

Choja ではこの注文幅 (スプレッド) を設定することによりどれくらいの頻度で資産運用するかどうかを決定します。この数値については別の記事でまた解説したいと思います。

以上が Choja の使い方です。APIキーを設定して、ペアを選んで、注文幅を設定するだけ!かんたんですね😉

Choja のしくみ

Choja の使い方については上記の通りでとてもシンプルな構成になっております。ではその Choja がどの様に資産を築くのか?本記事の本編について触れていきたいと思います。

複数通貨の価値を均等に保ち続ける

例えば BTC, ETH, XRP の通貨で Choja を動かすとします。金融では複数の金融資産を組み合わせることをポートフォリオと呼び、この場合はこの3つの通貨を「ポートフォリオに追加する」みたいな使い方をします。

Choja は独自の均等配分アルゴリズムというものを実装しており、ポートフォリオに追加された通貨がそれぞれ同じ価値になるように残高を調製します。

例えば総額 3 BTC 持っていたとしたら、

  • 1 BTC 分の BTC
  • 1 BTC 分の ETH
  • 1 BTC 分の XRP

をポートフォリオとして保有します。

リバランスボーナスで全体の総量が増える

それぞれの通貨の価値を均等に調整することで、効率よくリバランスボーナスというものを得ることが出来ます。

例えば ETH と XRP の市場価格が変化して、ETH の価値が上がり、XRP の価値が下がったとします。このとき Choja はリバランスという残高調整を行い、価値が上がった ETH を少し減らし、価値が下がった XRP を多く増やします。

このロジックは動き出したら市場の価格、チャートが動くのをひたすら待ち続けます。そして設定された注文幅の分動けば動くほど、価値が上がっても下がっても長期的に確実に、複利で全体の総量を増やし続けて行きます。

Choja の ”全体の総量が増える” とは?

全体の総量が増えるというのをカッコよく専門的に言うと、相乗平均(幾何平均)を増やす、といいます。ただこれはとてもわかりづらいものなので、ドーナツを使って説明しましょう🍩

まずはドーナツが2つあるとします。ミスドのフレンチクルーラー(以下フレンチ)が好きなのでそれと、オールドファッションのチョコがついたチョコファッション(以下チョコ)が好きなのでその2つにしましょう。

フレンチ100% チョコ100%
合計 200%

そしてこれらはキャンペーン中で同じ価値の100円のドーナツです。実物は忘れちゃったんですが、同じ値段でも原材料費が違うしカロリーもサイズも違うということにします。ここからスタートします。

これからフレンチとチョコのドーナツを増やしていくためにドーナツの物々交換をしていくのですが、マーケットと呼ばれる世の中には同じ様にフレンチとチョコのドーナツを持っている人もいっぱい居ます。そんな中で、自分の食べるドーナツの総量を増やしていくという謎のゲームが開始されます。

自分の持っているそれぞれのドーナツをパーセンテージで売りに出します。まずチョコを増やしたいので、フレンチを自分の持ってる1%だけマーケットに対して売り出し、チョコを自分の持ってる1.1%だけと交換してくれというお願いをします。

フレンチ 1% 出す チョコ 1.1% 欲しい

するとこのお願いを聞いてくれる人がマーケットに現れます。この人はフレンチが好きなようです。この取引が完了すると無事、手元からは1%フレンチが減って、1.1%チョコが増えました。

フレンチ99% チョコ101.1%
合計 200.1%

では今度はフレンチを増やしたいので、チョコを自分の持っている1%だけ売り出し、フレンチを自分の持っている1.1%欲しいというお願いをします。

フレンチ 1.1 %欲しい チョコ 1%出す

しばらくするとまたこのお願いを聞いてくれる人がマーケットに現れます。この人はチョコが好きなんですね。この取引が終了すると、手元からは1%チョコが減って、1.1%フレンチが増えました。

フレンチ100.1% チョコ 100.1%
合計 200.2%

するとあら不思議、このゲームを始める前からフレンチとチョコの量が取引するごとに0.1%ずつ増えています。これが総量が増えた、という状態です。途中フレンチが少ない状態がありましたが、その時点でも合計の総量自体は初期から少し増えていたのがおわかりでしょうか?

この取引でのポイントだったのは、「フレンチあげるからチョコ多めにちょうだい」というところです。この「多めに」というのは取引してもらった相手からは実際多めなのかどうか分からなくて、自分からしたら0.1%多めに欲しいって言ってるだけなんです。

フレンチもチョコも、それぞれ大きさも味も全部違う。なのでこのマーケットにお願いが出てる時点では取引相手からは単純に「この量のドーナツが欲しい」という状態しか見えないんですね。取引してくれた人はまさかこっちの手元の総量が0.1%増えてるとは思ってない。それが成り立つのは、需要がその人にあったからなんですね。

需要に対してドーナツを供給する。チョコが欲しい人に自分の持ってるチョコを配る。これも流動性供給です。

この辺りでちょっと難しいのが、マーケットに出回ってるドーナツへの需要は変動します。例えばバレンタインデーみたいに季節によってチョコの需要が増えるみたいな。こういう場合でも Choja のロジックは強いのですが、この辺りの話や戦略については均等配分ポートフォリオの話をまた別の記事で紹介したいと思います。

今持っている残高を等価値とみなして注文する

今度はドーナツを使った説明を具体的に仮想通貨に落とし込んで説明してみます🐢

例えば適当に、

  • 1 BTC
  • 100 ETH
  • 10000 XRP

と言ったような残高がある場合、Choja はこの残高を均等だと認識するところからスタートします。

Choja が自身の残高を元に、総量が増えるように売買注文を出す

この時ポイントなのが、 Choja は市場価値を気にせず、自身の残高から注文量とレートをそれぞれのペアで計算するだけです。自身の残高の総量(相乗平均)が増える様にしか注文を出しません。

相乗平均とは?

この総量と呼んでいる相乗平均という値はFXなどでも使われている元手が何%増えたのかという値のことを言います。BP (Basis Point) という単位で表され、1BPは100分の1%増えた、という意味になります。100BPで元手が1%増えたよ、という意味になります。

ここで出した注文に対して市場価格が動き、注文が取られると残高が変動しますよね?その後また変動した残高に対して、注文量とレートをそれぞれのペアで計算して注文を出し直します。(既存の注文は取り下げます)

残高の変動を確認すると、再度売買注文を出し直す

以下これを繰り返すことで Choja は残高の総量を増やし続けます。チャートが動けば動くほど残高が変動し、その都度元手よりも確実に総量が増えていく注文を出して、またチャートが動いて…この連鎖で Choja は資産を築いていきます。

市場価値が大きく動く暗号資産市場と、Choja のアルゴリズムはとても相性が良いことがおわかりいただけるかと思います。

また長くなってしまいましたが、これが Choja の AMM としてのロジックの概要になります。実際には色々な数式などが考慮されているのですが、かんたんに説明するとこのような形になります。

おさらいですが流動性供給とは「売りたいときに売れて、買いたいときに買える」という状況をつくることです。Choja は自身の資産を築きながら、売りと買いの注文を用意することで流動性供給をしていることがおわかりいただけたかと思います。

今後は Uniswap との違いや、Choja を使うにはこんな方が向いている!といった別の視点から Choja を一緒に分析していきたいと思います。次回以降の記事もどうぞご期待ください🐢🐢🐢

※1: 記事公開時点ではまだ決まってません
※2: API key/secret は暗号化されて安全に保管されています
※3: システム状況をみて慎重に進めているため、確認が取れ次第徐々に開放していく予定です

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Yuki Shichiku
Choja Crypto

紫竹佑騎と申します。しちくゆうきと読みます。79と表記したりします。