人々の自由か?経済的豊かさか?

Shunsuke Mori
chunkeke-nikki
Published in
5 min readMar 20, 2015

私は、漠然と「人々の自由」を選ぶのは
当たり前だと思っていました。

あなたは「人々の自由」と「経済的発展」のどちらを求めますか?

先日TEDのある動画を見ていたら、
「人々の自由」と「経済的発展」について
もっと深く考える必要があるのではないか、
と思うようになりました。

それが、アメリカのエコノミスト
Dambisa Moyo氏によるスピーチ
” Is China the new idol for emerging economies?”
というプレゼンです。

この16分のスピーチの主旨は、

民主主義=経済的発展の近道という考えは、あまりに安易である。 昨今の中国などの新興国の様子を見ると必ずしも、民主的国家こそが経済発展の近道ではないのである。”

といったような内容になっています。 確かに、近年の中国を見てみると、経済的に目覚ましい発展を遂げています。

社会主義国家 中国

そして、今ではアメリカや日本などの先進国は中国の国力に頼らなければならないほどの存在感を見せています。

しかしながら、中国は言うまでもなく
民主主義の体制ではありません。

中華人民共和国と明記されているように、
共和党が指導する社会主義国家であり、
政府が絶対的な権力を持ち、国家が得た富を国民に分配するというイデオロギーのもと成り立っている国なのです。

私は、民主主義国家に生まれ、自由な資本を利用し経済を活発化させ、人々の自由が保障された中で、育ってきました。

実際に、アメリカでは、民主主義体制によって、ここ約50年で30倍もの経済成長を遂げ、たくさんの人々を貧困から救ってきました。

このことから、『もちろん「自由に」人々が様々なことをできた方がいいじゃないか、実際民主主義によってこんだけ日本発展してきたんだし!』 という考えであったわけです。

しかしスピーチでは、
民主主義=経済的発展の1番の近道が成り立つのは、
多くの中間層の台頭がなければならないと述べています。

民主主義に多くの中間層が必要な意味

ここで注目して欲しい数値があります。

日本:0.33

中国:0.61

これは、社会の所得格差、不平等さを測る指標・インデックスとしてジニ係数と呼ばれる数値です。

0~1までの範囲であらわされ、0に近い程平等、1に近い程不平等を示しています。

一般的に0.4を超えると警戒ゾーンに入るらしく、 見てわかる通り中国は、警戒ゾーンをはるかに超える数値をたたき出しており、非常に格差があるわけです。

では、ここで考えてみてください。

もしも、仮に貧富の格差が極めて高い国にあなたが住んでいたとして、民主主義体制を敷いていたらどうなるでしょうか。

そこには自由な市場が広がっており、
人々は自由な経済活動ができます。

しかし問題なのは、
同じ土俵に立っているのは、
大富豪であり、大貧民であることです。

これはもう勝負は見えていますよね。

大富豪が勝つでしょう。
そして、所得格差はさらに広がっていくのは間違いありません。 よって、こうした自由な競争が成り立つには、所得格差が少ない必要があります。

さらに、スピーチでは、

”新興国にとって現実的になにが一番重要であるかと考えてみることです。食、住、教育、ヘルスケアを充実させることです。まずは、自分たちが「生き」、「家族を養う」ことが優先されます。これらができることで、はじめて経済活動ができるのです。”

と述べられています。

つまり、「お金を稼ぐ」ことよりも「生きる」ことが前提にある必要があり、生きるためにはお金が必要であるが、お金を稼ぐ時間も場所もない、というのが中国の地方や新興国が抱える問題なのではないでしょうか。

そんな中で、果たして民主主義こそが正義なのでしょうか。

ならば、政府に経済のことは任せて、
リアリズムを求め、人々には日々を生きてもらう方が
理にかなっているようにも思えてきます。

このことから、民主主義が国民にとって望ましい体制であると理解しつつも、社会主義体制を敷いている状態なのである、とDambisa氏は熱弁されていました。

最後に

このスピーチは、とても考えさせられる内容でした。
今後は、中国に限らず、インドネシアやミャンマー、カンボジア、ベトナムをはじめとする東南アジアの新興国も経済力を急速に上げてきています。
そうした中でも、常に経済と行政は密接な関係にあります。

まずは、国として、

「なに」を最優先するべきなのか、
もしくは「なに」を優先しているのか考える必要があります。

それは、経済的発展なのか。人々の自由なのか。

これらを見極めた上で、どのような体制が必要であるのか、今後はどうなっていくのか、ということを1人1人が理解する必要がありますね。

今回のTEDにおいて、他国をどう見ていくべきなのか、少し学べたような気がします。

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Originally published at mohichunkeke.wordpress.com on March 20, 2015.

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Shunsuke Mori
chunkeke-nikki

Joyz Inc. Product Sales Manager/ Sophia Univ./givery Inc. Web Marketing and Sales/Rarejob CS&English counselor/EDUCA co-founder