社会人における「成長」とは何を指しているか?
ベンチャーにいれば成長する?大手企業だと成長しない?
私は、今年の4月から社会人になった。入社した会社は、世間からみたら、所謂ベンチャー企業と言われる。そして、世間的にベンチャー企業に入れば、個人として実力がつく、成長できる環境だと、思われている。だが、それらはどれも抽象的で、あくまでイメージでしかない。大企業や一般的な民間企業に入社したって、成長はできる。ただし、「成長」という言葉が先走っているように感じる。そもそも、社会人における「成長」とは何を指しているのか。今回は、成長について改めて考えてみたい。
成長
大辞林を参照すると、成長とは以下のことを指す。
①(人・動植物が)育って、大きくなること。一人前に成熟すること。大人になること。 「子が立派に-する」
②物事の規模が発展して大きくなること。 「 -産業」 「経済-」
③個体・器官・細胞の形態的あるいは量的増大を伴う変化。環境条件によって一定の限度があるが、高等植物では限られた部分では一生つづく。細菌学では個体数の増加、生態学では個体群の増加にも使われる。生長。 〔同音語に「生長」がある。育って大きくなる、という点で共通するが、「生長」は主に植物が伸び育つことをいい、それに対して「成長」は主に人や動物が育って大きくなること、また、一般に物事の規模が大きくなることをいう〕
上記の記述をみると、成長とは物理的に大きくなったり、規模が大きくなることを指している。しかし、社会人としての成長は、身長が伸びたり、足のサイズが大きくなることはない。(重くなることはあるが…)
では、社会人における成長とは何を指しているのだろうか。
私は、成長とは「ある事象に対して、うまくいく方法が見つかることだ。」と解釈している。例えば、何かのプロジェクトで失敗をしたとする。しかし、次に同じような場面に出くわした時、あの時はこのような失敗をして、こうするべきだったから、今回はこのような対処を行うとする場合、それは成長だと言えるのではないだろうか。また、同じようなシチュエーションでなくても、その経験が他の仕事で活きてきたりすることも成長と言える。つまり、ある経験からの学びを未来に活かすことができていれば、それは成長だと言えるだろう。
ベンチャーに入れば成長する?一般企業では成長しない?
スタートアップやベンチャー企業に入れば、圧倒的な自己成長が見込めるなど世間から言われることがある。果たしてそうだろうか。私は、スタートアップに身を置く立場としては、そうは思わないと感じるん。スタートアップであれ、一般企業であれ、本人の思考次第で成長度は変わってくるはずだ。先述した、「ある事象に対しうまくいく方法が見つかること」を成長だとすると、過去の経験から気づきがなく、何度失敗しても同じことを繰り返しているならば、それは成長しているとは言うことができない。これは一般企業=成長しにくい、に当てはまるだろうか。私は、そうは思えない。確かにベンチャー企業の方が、人数の規模も少数精鋭で、一人一人の責任が大きかったりする。そのため、自らが考え、過去の失敗から学習し、未来の成功へと活かす意識や機会は多いかもしれない。しかし、一般企業に入社したからと言って、同じ意識を持てないわけもない。ベンチャー企業にはない、人財としての強みがある。
気づきの最大化が成長度を促進する
では、より成長を加速させるにはどうすればいいのか。それは、気づきの最大化を図ることである。気づきが得られば、次にどうするべきかが見えてくる。その気づきが最大化されていれば、一歩や二歩進んだステージでの新たな気づきがある。そして更なる気づきがあなたの成長を促進する。
気づきの最大化はPDCAサイクルを回すことで高めることができる。
考える (Check)
1つ1つのアクションに対して”なぜやるか”を問い続けることから始める。また、事後に対して”なぜそのような結果になったのか”を考える。
整理する (Action)
なぜやるか、といっても場面によっては複数要因があったりする。整理のフェーズでは、それらの要因の中で影響力の大きい要因はどれかを見定め、ブログや日記、ノートなどに記録する。これまでの気づきを自分の中で消化する一連の流れだ。
行動計画を立てる (Plan)
気づいたことからどう行動すべきかを考える。次はこのように行動するとこのような成果を得られるのではないかと仮説を置くことが次の気づきにおいて重要になる。仮設と結果の乖離が明確になり、より要因分析の深度が深くなる。結果的に自分の仮設時での思考の浅さや想定の甘さに気づく。
行動する (Do)
仮説に基づいた行動を行う。
このように1つのアクションに対してのPDCAを回し、気づきの最大化を図っていくことが社会人における成長につながる。
まとめ
社会人における成長とは、気づくことで、うまくいく方法を見つけることであり、それはベンチャーだからとか大企業だからとか、企業の規模という軸で考えるべきではない。業種・業態・規模にとらわれず、たくさんの気づきが得られる環境に身を置くことが必要である。また、それぞれの環境において得られる気づきの最大化を目指すことで成長する。