私たちはすでにバーチャルの世界にいるのかもしれない

Shunsuke Mori
chunkeke-nikki
Published in
4 min readMay 23, 2016

シンギュラリティ。それは、人間を超越する知識と知性を兼ね揃えたテクノロジーの進化の分岐点を指す。シンギュラリティに到達すると、人間としての身体的、そして知識的な限界をはるかに超えることができる。つまり、人類の文明を機械によってもう一段上へと駆け上ることができる。

昨今、VR(拡張現実)やAI(人工知能)への関心が高まっている中、いよいよシンギュラリティが今後数十年で実現されるのではないかと予想されている。シンギュラリティが実現されれば、人間よりも圧倒的に多く膨大な知識量の中から瞬時に人間の代わりとして適切な情報を取り出したり、また人間と同じように楽しんだり、悲しんだりといった感情まで操ることが可能になる。これらをうまく活用すれば今起こっている数々の課題解決に貢献するだろう。その一方で、一歩間違えれば人間滅亡の危機にも起因してしまう。それくらい今後の人類の存続に大きな影響を及ぼす分岐点なのである。今回は、シンギュラリティが実現した後、一体人間の姿はどうなるのか、ということについて考えたい。

http://goo.gl/eVxT4d

さて、人間と機械が本当の意味で融合するといわれているシンギュラリティを迎えた先はどんな世界なのだろうか。

『シンギュラリティは近い』という著書には、以下のように描かれている。

http://goo.gl/qqaWrP

”シンギュラリティ以後の世界では、人間と機械、物理的な現実と拡張現実(VR)との間には区別が存在しない。”

これを踏まえて僕は、今現状で起きている全てのことが、バーチャル上に移行されるのではないかと考える。VRとAIが今後も指数関数的成長を遂げ、融合すれば、まちがいなくその時は訪れるはずだ。生命の場がバーチャルになるとどうなるのか。それは、生きる世界が”3次元世界”から”4次元世界”への移行を指す。

4次元目は何か。それは「時間」である。つまり、”過去”にも”未来”にも自由に時間を操作できるようになると考える。現代は、テレビゲームやスマホゲームで何度もステージを巻き戻したり、進めたりすることができる。シンギュラリティを迎えると、実世界がバーチャルに移る。そして実世界の自分とは別に、架空の自分をバーチャルの世界に反映させて、日々の生活を生きるようになる。これが4次元の世界である。

では、4次元の世界になるとどうなるのだろうか。まさにハリウッド映画「インセプション」のような思想に基づく世界になってしまうのではないだろうか。今こうしてブログに書いているリアル世界の自分とバーチャル世界の自分の区別ができなくなって、一体どの世界が本当の自分なのか、わからなくなるのではないだろうか。いや、すでに今こうしてブログを書いている自分も実はバーチャル世界の自分なのかもしれない。一旦、誰かが4次元の世界、つまり時間を自由に操ることのできる世界を作り出してしまえば、それはもはや今の自分はどこの誰で、元はどこから来ているのかがわからなくなる。個人的には、もう既に誰かが4次元の世界を完成させて、今の自分やこれまでの自分は、未来の世界から恣意的に操作された巻き戻しの人生のようにも思えてくる。

自分の過去を振り返ってみると、うまくいきすぎたなと思い当たる節はいくらかある。ここだけはうまくいってほしいというときにうまくいったりする。うまくいった時は神頼みした、といったりするが、もしかするとそれは自分自身が単に過去を操作しただけなのかもしれない。

現代の技術は、指数関数的に成長している。そして、シンギュラリティを迎えると人間と技術の本当の意味での融合が実現することになる。そのあとの世界は一体どうなるのであろうか。楽しみであるとともに、不安でもある。もはやこの世界は、時間をも操ることのできる世界が私の後ろで広がっているのかもしれない。

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Shunsuke Mori
chunkeke-nikki

Joyz Inc. Product Sales Manager/ Sophia Univ./givery Inc. Web Marketing and Sales/Rarejob CS&English counselor/EDUCA co-founder