カリフォルニアの火災は地球温暖化に関係しているか
このパターンはしだいに多くなってきている
カリフォルニアの秋は、山火事のシーズンでもあります。そしてすでにニュースでも報じられているように、今年の山火事は例年にない悲惨なものとなってしまいました。
今週は北カリフォルニアの各所で広がっている20ほどの火災のうちの一つがサンタ・ローサ付近に押し寄せ、5100棟ほどの家を全焼させ、これまでに33人の死者が確認されています。
火災は夜に凄まじいスピードでやってきましたので、避難を促している警察もこのように炎にかこまれています。本当に怖すぎる。
そして残ったのは、廃墟の山です。ドローンによる空撮がそのスケール感を伝えてくれます。
この火災の原因として「地球温暖化が寄与しているのではないか」という質問を Facebook でもたびたび見ましたので、これまでに集めた情報をシェアしておくと:
- 今年までに、カリフォルニアは5年連続で干ばつに見舞われています。つまり、山火事シーズンになるまえから、かなり樹木も土壌も乾いた状態でした。
- そこに、昨年の冬に若干の雨と雪がやってきたことで一部の地域では若い植生が一気に広がり、夏の終わりには簡単に燃えやすい状態になっていた
- そしてネバダ砂漠からやってくる乾いた季節風が今年は非常に強いために、なんらかの原因で発生した火災が広がりやすくなった
ということが挙げられます。このうち、温暖化が関係しそうなのが 1 で、ここしばらくのトレンドでは年に数日ずつ山火事の危険性の高い期間は手前に伸びてきている、つまりそれだけリスクの高い期間が長くなっているということだそうです。
つまり、山火事そのものが「温暖化で生じた」というのは言い過ぎにしても、こうした大規模な山火事が状態化しているのは、長い目でみた温暖化と、カリフォルニアの乾燥化のトレンドが背景にあるといって間違いありません。
しかし一方では、これほどまでに住宅に被害がでたのは、周期的に山火事が発生しがちな場所にまで住宅地が広がることでリスクが高まっていることもあるそうです。
日本だと、直接の影響はカリフォルニア・ワインなどになるかと思いますが、直接火災の被害をうけていなくても、しばらくは煙や煤の影響でワインの味も変わってしまうことが予想されます。
まだまだ、カリフォルニア北部をふく乾いた季節風「ディアブロ」は収束するまでには、もう一度強くなるらしいので、引き続き様子をみなければいけませんね。
近くにいるかたは、どうか安全に。