中東の冬

Hideki
club de café
Published in
Nov 30, 2019

9期の小山です。

本日は中近東地域(一部除く)で、冬に親しまれている嗜好飲料

『salep』について紹介したいと思います!

というのもこの寒さがもはや痛みに変わってくるをかしな季節。

Q日本の寒い冬、温まりたい時に飲みたいものは何ですか!?

と聞かれれば、、、

Aおしるこ、ココア、お茶

などいろいろ出てくると思います。

でも一方で

Qトルコ含めた中東の『ザ・冬の飲み物』は、、、?

Aチャイ?(△)

正直私は勉強不足でイメージがありませんでした。

しかし大学にいるトルコ含めた中東出身の友人に聞いたらほぼ同じ答えが返って来ます。

それが『salep』という飲み物!

1杯約300円ほど

見た目ホットミルクのようです。

膜ができる感じもホットミルク!

そう、ホットミルクに限りなく近いのです。では何が違うのかというと、名前の通り『salep』が入っているか否かです。

Salepとは?=蘭科の植物の根っこのこと。この根っこを採取、乾燥させ粉末にしたものが一般的。あの有名なトルコアイスの伸び、、、

正体はこれです。

そのため、口当たりがとろっとしています。多くのお店では砂糖を加えて甘さを出すところが多く、とろ~っと甘くてあったかい飲み物です。これを飲むと体があったまり、眠くなります 笑

お店によってはシナモンがかかっていたり少し泡立っていたりと様々。

違うお店のもの。シナモンがかかっていてやみつきに!

トルコでよく飲まれている飲み物ですが、冒頭で記述した通り中近東で飲まれています。

ギリシャや北アフリカでも場所によっては飲まれているそう。

皆さまお察しの通り。もともとオスマン帝国の時代に広まった飲み物のため、影響下にあった地域では名残がのこっているのだとか。

もともと薬のような立ち位置でミルクに溶かして摂取されていました。オスマン帝国下ということもあり、アルコール以外の飲料が人気となり広まったこともすんなり理解できます。

またこのSalepは当時、性欲を刺激するものとも考えられていたそうな。語源であるアラビア語の “Salep”、 “χuṣyatu’ṯ-ṯaˁlab”(خصيةالثعلب)の意味もあまりきれいな意味ではないです、、、

何にせよ飲料と歴史、地理的気候が結びつき、現在につながっていることが非常に興味深いです!

ただ近年、このsalepに使うために蘭の乱獲や環境的影響が問題になっていました。最近では採取の制限や、代替えの材料を使って粘り気を出すのが主流だとか。

今ある飲み物も100年先はどうなっているのでしょうかね、、、

世界の嗜好飲料について考える良い機会なので、もっといろいろ考え、研究していきたいと思います。

これがほんとの思考飲料ですね!

「How to Drink Like an Ottoman in Istanbul」https://www.pastemagazine.com/articles/2017/03/how-to-drink-like-an-ottoman-in-istanbul.html ,(参照2019–11–25)

Ice cream threatens Turkey’s flowers」http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/3126047.stm ,(参照2019–11–25)

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