CMC読書会18『人生の勝算』トピックス紹介
隔月開催している CMC読書会 。第18回(2017年8月)は、前田裕二さんの『人生の勝算』を課題図書としてオンライン形式で開催しました。メンバー限定Facebookグループ上の議論から、いくつかのトピックスをご紹介します。
前田さんが運営する仮想ライブ空間「SHOWROOM」。このサービスの裏にあるコミュニティ運営への考え方を学ぼう、というのが今回の読書会の目的です。
コミュニティが深まる5つの要素
著者 前田さんは「すべてのファンビジネスの根幹はスナックなのではないか」と語ります。その背景はこんな想いです。
廃れゆく商店街の中で、スナックがなぜ最後まで潰れないのか、という議論がありますが、これには、大きく2つの背景があります。第一に、人がスナックにお金を払う背景には「ヒト」が深く関わっていること。第二に、「モノ」ではなく「ヒト」が消費理由になる場合、そこには「絆」という対価が生じているので、ちょっとやそっとではその価値が消滅しにくい、ということです。
スナック経営からみた「コミュニティが深まる要素」として次の5つが挙げられています。
- 余白があること
- クローズドの空間で常連客ができること
- 仮想敵を作ること
- 秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること
- 共通目的やベクトルを持つこと
読書会では、これら5つの要素に対して「余白にも、いい余白・悪い余白がある」「仮想敵は本当に必要か?」などの意見がやりとりされました。
双方向性を超えるインタラクション
SHOWROOMのサービスでは、出演者と聴衆のインタラクションがうまく設計されています。これに関して、第2章に以下の記述があります。
ひとたび、コンテンツと観客の間に会話が生まれると、元のコンテンツの持つ価値が拡張され、同じ空間にいる人同士の関係性や動き、発言など、あらゆる要素が相互に影響し合って、それ自体がコンテンツになっていきます
ファンコミュニティというと、アイドルや歌手などの中心人物を大勢のファンが取り囲み、1対Nでやりとりするイメージがあります。
一方、SHOWROOMではアバター、客席位置(最前列・アリーナ)、バーチャル投げ銭 等が組み込まれた結果、1対Nでの双方向性に加えて聴衆の間でもインタラクションを生み出しやすくなっているのが特徴だ、という意見がありました。
(参考)Live Picksアーカイブで前田さん自身が解説している動画(↓)
その他 トピックス
読書会では、他にも以下のような発言がありました。
- 演者側・表現者側の幸せ
- 距離感が、ファンコミュニティを長続きさせる?
- 雑談が大事
- 好かれる能力より好きになる能力
- 動画配信と実演販売の共通要素
SHOWROOM サービスはプラットフォームなので、コミュニティ運営という切り口で語るのはちょっと距離感があるかなぁと思いつつも、面白い読書会体験となりました。
次回CMC読書会は 2017年10月に開催予定です。
課題図書は近々発表予定ですので、ご興味ある方は以下のFacebookグループへご参加ください。
→ 【CMC読書会】コミュニティ運営のヒントを本から学ぼう!
※CMC読書会とは…
課題図書として選んだ “コミュニティ運営に役立つ本” を、じっくり1ヶ月かけてオンラインで意見交換する読書会です。(隔月<偶数月>開催)。
出入り自由の Facebookグループで運営していますので、お気軽にご参加ください。みなの情熱と都合が合致すれば、ときどきリアルに集まる読書会も実施します。