民間人材が自治体を変える!?〜コーポレートフェローシップ報告会③〜

Kazuki Jinnouchi
Code for Japan
Published in
6 min readMar 25, 2017

2017年3月8日に開催したコーポレートフェローシップ報告会の第三部です。

第一部と第二部はこちらです。

第三部

パネルトーク③(鎌倉市、NECソリューションイノベータ、Code for Nanto)

最後はフェロー以外の関係者に登壇いただきました。

・山戸さん(鎌倉市政策創造課長)
・八尋さん(NECソリューションイノベータイノベーション戦略本部本部長)
・松本さん(Code for Nanto、まとめる専門家)
・石崎さん(NECソリューションイノベータ、鯖江市元フェロー)

鎌倉市の受け入れ
関さん:鎌倉市は実際にはじめて受け入れてどうだったか?

山戸さん:鎌倉市はトップダウンで決まって、最初は何をすればいいかわからなかった。関さんからのアドバイスで委託業務ではないので、テーマの幅を狭めないほうがいいよ言われ、幅広いテーマにした。そして、フェローに何でもインプットしようと考えた。

落とし所は観光だと思っていたが、実際は全然違うふるさと寄付金などに取り組んだのは、市役所にはないフェローの自由な発想だった。

企業にとってのフェローシップの価値
関さん:企業はなぜコーポレートフェローシップで社員を派遣するのか?

八尋さん:理由は2つあり、1つは社員教育で派遣することによって一回りも二回りもキャラが進化する。受託ではないので、自ら課題を解決する力が身につく。2つ目は、企業としてはビジネスに繋がったかが問われている。フェローシップ活動していることで自治体からの相談がくるようになった。

石崎さん:フェローを経験することによって従来の営業とは違うアプローチができるようになった。以前は案件が来るのを待っていたが、現在は会社の持っている要素技術で縁のある地域の人と具体的に話をすることができるようになった。

八尋さん:お金を使うことについては幹部からも説明を求められている。フェローシップによって、NECソリューションイノベータが自治体と一緒に考える存在だということを認識してもらうには非常にいいと思っている。5人も派遣したヤフーさんはどう社内的に位置づけているのか興味がある。

伊東さん:ヤフーは自ら手を挙げた人が行く。研修として評価されるのではなく、自らの業務に繋がるかが重要。自分自身の業務に直接関係なくても何らかのUP DATEに繋がればいい。

関さん:CfJとしても企業が直接営業につながるということでは良い成果はでないし、自治体からもよく思われない。長い目で見たらビジネスになるといいが、短期的な成果は追い求めていない。

山戸さん:自治体としては企業とWin-Winの関係が築けるのであれば非常にいい。山本さんが自治体がやらないのではなく、やらないなりの理由があるという自治体の事情がわかってくれたのが非常に嬉しかった。また、企業にとっても自治体の仕事の進め方を知るなどのメリットが有ると思う。自治体としては民間人材のプロ意識を身近で感じることで、閉ざされた職員が替わるのきっかけになってくれれば有り難いので、気負わないで来て欲しい。更にエンジニア以外にもマーケティングなど色々な方に来て欲しい。

関さん
受け入れ部門以外の部署との関係はどうだったか?

山戸さん:他部署ともすごく良い関係ができた。他の部署をまわって、例えば「NECさんのコンサルがタダで受けられる」という形で売り込むことで協力を得られた。そのような役割は職員ができるといいと思う。先ほどもあったが、受け入れの自治体間の情報共有は重要。

フェローを経験することによる変化
関さん:石崎さんはフェローとして何をやったか教えて欲しい。

石崎さん:鯖江市の中でオープンデータを使った子育て支援をした。子育て支援のアプリ、オープンデータを使ってイベント情報が見られるウェブページを作成など。期間終了後の運用や現場の人が業務の延長線上で運用できるように気を使った。

関さん:石崎さんは2015年12月から2016年2月にフェローを経験し、どのような変化があったか?

石崎さん:派遣期間が終わった直後に会社の中の組織で異動をした。以前は受託の部門だったが、もとの組織ではフェローの経験が活かしきれないだろうと思い、地方創生に関わるようになった。また、フェローを経験したことで、個人として声をかけてもらえるようになった。

地域にとってのフェローシップ
関さん:フェローを受け入れる側としてどうだったか?

松本さん:Code for の活動はボランティアベースが多いので、リソースやお金がなく、アイデアはあってもなかなか成果がでなかった。コーポレートフェローシップによってスペシャルなスキルを持つ人が地域に入ることにより、応援市民制度も具体化することが出来て、心強いパートナーだった。

フェローの適性
関さん:企業はどのような人がフェローに向いていると考えているか?

八尋さん:フェローに行けと言われるのではなく、自ら手を挙げるような人。また、鯖江市は開発スキルを求められる一方で、三田市は関係者を巻き込む力が求められるなど自治体によって適性は異なる。

最後に
以上、長くなりましたが、フェローシップ報告会についてレポートでした。

平日日中にも関わらず、50名以上の方に集まっていただき、幅広いテーマについて意見交換をおこなうことができました。

2017年度は2回の実施を予定しており、6月から派遣開始を予定しています。2016年度に派遣をおこなった自治体に加えて宝塚市や川崎市からも受け入れのお話をいただいております。

コーポレートフェローシップに興味がある自治体や企業関係者の方はぜひ下記までお問い合わせください。

info@code4japan.org

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