霞が関において、「アジャイル」は通用するか

中小企業庁 x Code for Japan x ギルドワークスによる、公共アジャイルプロジェクトが始まりました。

METI Journal に「推進体制や開発思想、霞が関の「常識」覆す」という記事が上がっているように、現在、経産省の中で、アジャイルを推進していく動きが始まっています。
 この度、Code for Japan が中小企業庁の調査事業の形で、中小企業の支援情報や支援機関を検索できるシステムの開発をアジャイルプロセスで行うこととなりました。
 すでに、アジャイル開発で多数の実績がある、ギルドワークスさんと共同でプロジェクトを進めています。

中小企業がタイムリーに支援情報を受け取れる仕組みを

企業経営者の皆さんは、国や自治体の助成金や補助金は、どのように調べているでしょうか。
 2018年の中小企業白書によると、日本には300万社の中小企業があります。これは全企業数の95%に当たり、70%を超える従業員数が中小企業で働いています。
 そういった中小企業を支えるため、創業支援や設備投資、雇用や子育て支援、働き方改革などのさまざまな支援策が自治体や省庁からでていますが、残念ながらあまりタイムリーに情報が届いていないというのが現状です。

個別の中小企業・小規模事業者や金融機関をはじめとする支援機関の担当者に対して必要なタイミングで適切な情報が提供されることが必要ですが、現状の施策情報サイトである「ミラサポ」や中小企業基盤整備機構が提供する「J-NET21」では、十分にそれができていないという声も上がっています。

例えば、

・階層が深すぎて目当ての補助金の情報にたどり着けない。
 ・「ミラサポ」が何かを知らない中小企業は多い。
 ・情報が多すぎて使いづらい。情報を絞れるようにして欲しい。
 ・目的の支援施策を見つけても申請までのハードルが高い(誰に相談すれば良いか分からない。)。
 ・国と自治体の支援策の一覧性がほしい。
 ・公募期間が短い補助金が多く、事前の準備期間が非常に重要であり、未確定でもアナウンスは早めにしてほしい。

といった課題があがっています。

こうした背景を踏まえ、個々の事業者が、必要なときに、必要とする施策を見つけることができ、支援機関も探すことができるようなシステムを開発したいというのが、今回のプロジェクトです。

ミーティングの模様

行政でのアジャイル開発の難しさ

一方、Code for Japan では、設立間もない頃から行政のアジャイル調達についてのプロジェクトを推進してきました。
 例えば、浪江町での「タブレットを利用した絆再生・強化事業」では、アジャイルプロセスによるシステム開発を事業者と共に行ってきました。それらの経験から考えると、行政のプロジェクトでアジャイルを進める際には、以下のようなことが課題になってきます。

・年単位の調達サイクル
 ・仕様をあらかじめ決めておかなくてはいけない
 ・縦割り効果によって本来解くべき課題に手が届かない
 ・途中で方向性を変えることが難しい
 ・意思決定ができるプロダクトマネージャーを行政内部で作りにくい(決められない)

しかし、今回のプロジェクトでは、経済産業省DXオフィスも参加している他、中小企業庁の担当の方々もアジャイルについて十分理解してチャレンジをしていこうと一体となっており、他の省庁や自治体でも、アジャイルプロセスを実施できるようなレポートも公表する予定です。

今回パートナーシップを結びいっしょにチームとして動いてくれているのは、著書「カイゼンジャーニー」でも有名なギルドワークスの市谷さんです。Code for Japan そのものは開発を専門に行う団体ではないので、開発やアジャイルプロセス実施のリーダーとして参加してもらっています。

すでに何度かユーザーインタビューを実施し、仮説を立てているところです。

フロントエンドの開発者を募集します。

来年1月くらいから2月にかけて、このプロジェクトのフロントエンドのシステム開発を手伝ってくれる人を募集します。
 このプロジェクトにおける集中期間は2月までですが、その後もCode for Japanを色々とお手伝いいただきたいと思っっています。
 行政をアジャイルプロセスで変えていきたい想いのある方、ぜひご連絡ください。条件は以下の通りです。

・Code for Japan と雇用契約を結べる方
 ・ウェブベースのモバイルアプリの開発経験がある方
 ・アジャイル開発の経験がある方

ご興味のある方は、info@code4japan.org までご連絡ください。


Originally published at Code for Japan.