Black Lives Matter — Code for All声明(日本語版)

Hal Seki
Code for Japan
Published in
8 min readJun 15, 2020

私達一般社団法人コード・フォー・ジャパン(以下 Code for Japan)は、Code for All が掲出する下記声明に関し、グローバルなシビックテックコミュニティの一員として賛同いたします。本声明に関するCode for Japanの考えについては、後段にてお伝えいたしますので、まずはステートメント本文をご確認ください。

声明の原文はこちらにあります。

Black Lives Matter

親愛なる Code for All コミュニティーの皆様

私たちCode for Allは、George Floyd、Breonna Taylor、Ahmaud Arbery、Collins Khosa、Petrus Migglesをはじめ、数え切れないほど多くの人たちが、米国内および世界中でなされた警察の残虐行為によって殺害されたことに深く憤慨し、悲しみにくれています。

白人至上主義と警察の残虐行為は、体制によって世界中でなされている根強い人種差別的慣行と同様に、目新しいものではありません。レイシズムは、すべての社会に蔓延している問題です。BIPOC(黒人、先住民、および有色人種の人々)への不公平は、私たちの制度、政策、および法律に刻みつけられています。

テクノロジーによって、体制・制度や生活の中にある人種差別の根深さを可視化することができるようになりましたが、レイシズムはこれまでも常に、すでにそこにありました。それは様々な形をとってあらわれますが、いずれの場合も特権、階級、経済力といった力によってその形が規定されるのです。

BIPOCが日常的な差別のためにどのように苦しんでいるかについて、政府機関による認識は不足しています。彼らを苦しめるのは死や常態化した暴力だけではありません。抑圧、機会の欠如、社会的流動性の欠如、日常的な警察の嫌がらせや残虐行為、BIPOCのステレオタイプ化もまた、彼らを苦しめています。

事実を事実として認め、眼前に広がる光景に疑問を投げかけようとしない、意思決定者たちの怠慢もまた、BIPOCを苦しめる差別と言えます。認めるべき事実とはすなわち、私たちの社会的、政治的、経済的、文化的なシステム、政策、法律は、白人至上主義とBIPOCの絶え間ない搾取の上に築かれている、ということです。

私たちは、構造的なレイシズムへの反対の声を上げるために立ち上がっている世界中の抗議者や組織と共にあります。私たちは、白人至上主義、人種差別、そしてあらゆる形態のBIPOCに対する暴力に反対します。グローバルなシビックテックネットワークとして、私たちはコミュニティにおける多様性と包摂を促進するとともに、デジタル空間と非デジタル空間において、市民と非市民を問わずすべての人に平等なプラットフォームを提供する民主的な制度を大切にしています。政府と技術は、特権を持つ人々だけでなく、すべての人のために働くべきです。これらのシステムを修正するのは、私たち全員の責任です。

私たちは、白人至上主義とレイシズムの上に築かれた既存のシステムに挑戦し、脱構築することが私たちの仕事の中核であると信じており、民主主義の原則、政府の透明性、テクノロジー、デザインを通じ、構造的なレイシズムに対する仕組みを作り上げるため、シビックテックのエコシステムの中で果たすべき役割があると考えています。

また、私たちは自分自身の中に内在するレイシズムにも挑戦し、脱構築していかなければなりません。これは、白人や、抑圧のシステムから日常の利益を得ているような特権を持った人々が行うべき継続的かつ個人的な作業であり、お互いに責任を負うべきです。

私たちは、これを読んでいる皆さんの多くが米国に住んでいないことを知っています。しかし同時にまた、この問題がさまざまな形で、あなたの心の琴線に触れているであろうことも、知っています。ネットワークとして、私たちは、シビックテックコミュニティが、この問題や、BIPOCやその他の周縁化されたコミュニティのための公平性を促進する他の要素にどのように貢献できるかについて、議論やフィードバックを歓迎しています。私たちは、あなたの視点から、そしてあなたの視点について、より多くを学びたいと思っています。私たちの話を聞いていただきありがとうございました。

私たちは、私たちの仕事がこれまでも、そしてこれからも完璧ではないことを知りながら、謙虚さをもってこの声明を出しています。しかしながら、ステップアップすることも私たちの責任です。私たちは、組織による連帯の声明には、アンチ・レイシズムの活動へのコミットメントが伴うべきであることを認識しています。

このムーブメントに連帯するためにどのような行動をとることができるでしょうか。あらゆる人たちが解放された社会の実現のためには、黒人たちの解放が必要不可欠です。あなたが行動を起こせる方法を以下にいくつか紹介します。

Educate yourself(より深く学ぶ)

Code for America DEI committee | Anti-racism, accountability, and support resources
Scaffolded Anti-Racist Resources
Anti-racism resources for non-BIPOC (good in general for anyone wanting to learn more)
10 Books about Race to Read
Actions for racial justice
Essential reading and research on race and technology

Get Involved (活動に参加する)

私たちは、あなたの国や都市で、BIPOCの可視化や平等の実現に注力した活動をする組織を探すことをお勧めします。国ごとにレイシズムや抑圧の歴史は異なりますが、私たちの個々の文脈の中でこの戦いに参加しているプレイヤーを認識することが重要です。

Black Lives Matter: How the Tech Community can provide support

Donate or Fundraise (寄付や支援)

Donate to Black Lives Matter

Take care of yourself (あなた自身の身を守る)

Mental health resources for BIPOC
Black Virtual Therapist Network

もし Code for All のネットワークにフィードバックをしたい場合や議論したいアイデアがある場合、contact@codeforall.org まで連絡いただくか、 Code for All の Slack ワークスペース からご連絡ください。( @lorin や @sofia 、@kelly に mention してください).

これらリソースを共有してくれた Code for America および Black Lives Matter のアクティビストに感謝します。このリソース群は最終版のリストではなく、行動を起こすための様々な方法を見つけるための出発点です。

これを読んでいただいた皆様が、安全で元気に過ごせることを祈っています。

Code for Japan 🇯🇵

Codeando México 🇲🇽

Code for Germany 🇩🇪

Civic Tech Sweden 🇸🇪

mySociety 🇬🇧

Code for America 🇺🇸

Code for Australia 🇦🇺

ePaństwo Foundation / Code for Poland 🇵🇱

Waag 🇳🇱

Code for Canada 🇨🇦

Sinar Project 🇲🇾

Code for Pakistan 🇵🇰

Ciudadanía Inteligente 🌎

OpenUp 🇿🇦

Code for Africa 🌍

& The Code for All Team

(翻訳協力:鈴木悠平)

声明は以上です。以下に、 Code for Japan の代表理事である関の、本声明に関する賛同のスタンスを共有いたします。まず、多様性と包摂を重視するシビックテックネットワークの一員として、本声明に関して強く賛同しています。本文にもある通り、政府と技術は、特権を持つ人々だけでなく、すべての人のために働くべきだと思うからです。

その上で、現時点の私個人の正直な気持ちとしては、米国に端を発した白人至上主義とBIPOCの構造的な抑圧そのものに関しては、実感知を持って語ることはできないと感じています。文化的な背景、歴史の理解も浅く勉強が必要ですが、まずはできることから始めていきたいと思っています。手始めに Black Lives Matter 関連リソース(日本人向け) というドキュメントを作りました。誰でも編集できますので、本問題に関して理解をするための、日本人向けのサイトや書籍などありましたら共有していただけると助かります。

また、一方で日本国内にもレイシズムや不平等は存在します。そういった自国の課題についても、私達は行動していく責任があると思っています。何かアイデアが有る方はぜひ共有いただければと思います。

Code for Japan の Slack ワークスペースに、#blacklivesmatter というチャンネルも作りました。ご意見、ご感想等ございましたらご連絡いただければと思います。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

I understand that I will never understand. However, I stand with you.(私は決して理解できないことを理解しています。しかし、私はあなたと共に立ち上がります)

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