ICT政策提言がヨコハマを変える!?
「技術駆動都市ヨコハマ2030」2017/7/30の横浜市長選挙を控え、Code for YOKOHAMAが横浜新市長に向けて横浜市のICT政策をまとめた提言が出されました。

海外の都市ではこのようなICTに関しての政策提言がされているとのことですが、日本では今までなかったと思います。
そこで、7/19の公開イベントに参加してきましたので、その様子をレポートします!
「技術駆動都市ヨコハマ2030」全文はこちらをご覧ください。
最初に今回の提言の中心メンバーであるCode for YOKOHAMAの大林さんと小林さんから提言の内容について説明がありました。お二人は昨年度スマートシティとして先進的な取り組みをしているバルセロナに行って、その取組を知ったことも提言につながったとのことでした。

横浜市の現状、課題
日本の自治体でホームページを一番最初に作ったのが実は横浜市だったそうです。しかし、そのホームページの改修に失敗していることにも象徴される通り、横浜市のICT政策は遅れているのが現状です。
人口は自治体で一番多い一方で、経済的には活かしきれていないようです。同じ規模の国に比べるとGDPは少なく、国内の政令指定都市と比較しても、「人口一人当たりの経済規模(市内総生産と市民総所得)」は大阪市や名古屋市より低く、14都市中で9位に低迷しています。
提言の内容
提言は大きく、市民生活の質の向上・企業活動の支援・行政運営という3つに分けられています。特に執筆者が力を入れて書いた内容を中心に説明がありました。
市民生活の質の向上
最近の政策では経済が第一になることが多いですが、市民生活の向上が結果として経済に繋がると考えたため、市民生活が最初に取り上げられています。横浜市も一部の区では人口が減少し、全体としても高齢化も進んでいるため、ICTができることを進めていく必要があるという事情もあります。
注目を集めているEBPM(データや科学的な根拠に基づく政策立案)が盛り込まれているが、EBPMは行政だけでできることではなく、技術をもった外部の研究機関や企業、団体との連携が必要であることが強調されました。特に、市内の大学などの研究機関と特に連携して欲しいとの意見がありました。
また、すべての政策に根拠を求められると新たなことができなくなるという懸念も示されました。データはひとつの要素にすぎないので他の指標とあわせて総合的に考える必要もあるとのことです。
小林さんからは横浜市が先進的なICT政策を推進し、Tech Cityとしてのブランドを確立することへの期待が示されました。横浜の特徴は多様性と受容性がアイデンティティとしてあります。ただ、横浜のブランドはもっとエッジがたったブランドもあったほうがよく、技術のショーケースというのも1つのブランドになるのではないかという提言です。
企業活動の支援
下山さんから力強くデータインフラの重要性が語られました。
今後、AIなどによりデータの重要性は益々高まっていきます。コードやID体系など基礎となるデータの整備を着実に進めることで、様々なデータが欲しいという企業のニーズに応えていくことが横浜市に求められていました。

行政運営
一番多くの時間が割かれたのが行政に関してだったのは、まだまだ横浜市のICTが進んでいないということの裏返しということでしょう。
最初に行政サービスについて、行政としてもスマートフォン前提で考えるのは当然になっているため、今後は更にスマートフォンによってすべての行政サービスが受けられるようにするべきだとの提言がされました。
また、行政のシステム開発が時代遅れであることへの懸念が多く語られました。民間では一般的なアジャイル開発やオープンソース活用が調達制度や地方自治法などの問題があり、自治体ではほとんど取り入れられていません。そのため、多くの行政システムは使いにくいものになっています。自治体単独では解決することが出来ないこともありますが、情報システム調達の改革はぜひ進めて欲しいと思います。
そして、その調達を変えていくためにも行政職員のICTの専門性を高めていくことが重要になってきます。民間人材の登用や職員に対する教育のほか、横浜市の石塚さんからはICTの専門性高い職員を育成するキャリア体系の重要性が語られました。

意見交換
お二人からの説明の後は参加者との意見交換をしました。
当日の参加者からの意見などはこちらのGoogleDocumentに書き込まれています。
なお、今回の提言はまだα版。GitHubで編集されているとのことですので、興味がある方はぜひ提案をしてみていください。
最後に
選挙戦でICT政策が語られることは稀で、選挙結果を左右するほどの影響力を持つことは難しいのが現実です。
しかし、行政サービスなど市民との接点は今後益々デジタルサービス抜きに考えられなくなります。そして、データインフラなど見えないところで普段の生活を支えることになることに加え、知らない間に他の自治体との差が広がっていくことになります。
そのため、特に首長がICTに強いかどうかは自治体の将来を大きく左右することになります。その点、今回の提言が持つ意味は非常に大きいと思います。
また、今回の提言には横浜市だけでなく、他の自治体にも共通して言えることが多く盛り込まれています。また、具体的アクションも書かれているため政治家や行政職員の方にも参考になるでしょう。
今後、各地でこのような動きを期待したいとともにCode for Japanとしても考えていかないといけないですね。
Code for YOKOHAMAの皆さん、ありがとうございました!
