立ちすくむ国家ワークショップ 開催しました

Hal Seki
Code for Japan
Published in
11 min readJun 14, 2017

立ちあがる個人により組織を超えて作られたアクションプラン。

参加メンバーによる記念撮影。photo by Akiko Yanagawa

先日募集していた、立ちすくむ国家ワークショップを、昨日13日に無事行わせていただきました。

↓応募ページ

当初80名の定員枠に対し、なんと350名もの応募が来てしかもみなさん素晴らしい方ばかりだったので選考も難航し、増員も行ったのですが、最後は泣く泣く110名に絞らせていただき、そこに若手PJメンバーやグラレコチーム、スタッフを加えて140名規模のワークショップになりました。

当日のツイートは、以下でまとめてあります。

また、既にバズフィードさんが当日の模様を記事にしていただいています。インプットトークの内容なんかも詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。

議論内容の公開について

今回、参加できなかった方へお断りのメールをするときに、議論の模様はなるべく公開していきますというお約束をしていました。全体の流れについてはTwitterや上記記事を見ていただければだいたいわかるのですが、問題は各チームでの議論の内容。十数テーブルで熱い議論が展開されている中、内容を把握するのは現場の司会者の私ですら難しいものです。ですので、今回はグラフィックレコーダーネットワークさんにお願いして、各テーブルにグラフィックファシリテーターを配置させていただきました。ファシリテーターが書いたレコーディング資料を共有させていただくことで、どんなテーマが話し合われたのかを共有していきたいと思います。

グラフィックは、①インプット部分、②各テーブルの議論まとめ、③各テーブルの議論という3種類ありますが、今日のところは①と②だけ公開します。各テーブルのグラフィックは、グラレコチームの方でオフレコ情報の削除などを行った後に公開する予定ですので、今しばらくお待ち下さい。

インプット
各テーブルで話し合ったこと

来場者アンケートでは「ディスカッション中の模様を録音しておいて他のチームも聞けるようにしては」という意見もありましたが、入り乱れた議論の生の録音を聞いてもきっとつらいですし、議論の質を上げるためにオフレコ情報も含めて話をしていいということにしたので、なかなかそうもいきません。もっと詳しい情報の共有の仕方について、引き続き模索していきたいと思います。

このワークショップの目的と、生まれたもの

このワークショップの目的は、「自分のアクションプランを導き出す」ということでした。官僚に文句や要望を言うのでもなく、批評家的に議論をして満足するのでもなく、「では、自分はどうするか?」を考え、アクションに繋がるプランを作ることが重要だと考えたからです。そこで、受付で配布するネームカードの裏面に、「アクションカード」なる面を作らせていただきました。名前の下に、「私のアクションプラン」を書けるようになっており、この欄にどれだけの人が腹落ちしたアクションプランを書き込めるかが今回のワークショップの成果としました。

当日使ったスライドより。
実際の参加者がシェアしてくれたカード

イベント終了時に挙手いただいたところ、最終的に7割以上の方がアクションプランを書いたということになりましたので、及第点、ということにはしてもいいのかなとは思います。ただ、正直な所、そもそも今日のテーマは、たった数時間で素晴らしい解決策が出るほど簡単な課題ではありません。実は、今回のワークショップから生まれた1番の価値は、組織を超えた個人間のネットワークだと思っています。ワークの途中でスマートニュースの望月さんとも話をしたのですが、「組織や立場を超えて、個人同士がテーマを持って繋がること」こそが、これからの日本で重要なことだと私は思っています。

ワークショップでアイデアを出しただけでは世の中は変わりませんが、自分たちが作ったプランを実行する人が出て、それがまた別の人にもつながっていけば、最終的にはそれぞれが所属する組織も変わっていくのではないかと考えるからです。

実際今回のワークショップでも、「会いに行ける官僚」という言葉がインプット時に話題となったり、バズった理由として「霞ヶ関に人がいるってわかったからじゃないですか?」と言われたというエピソードが紹介されたり、「個人」にフォーカスが当たっていると感じました。この点に関してはコードフォージャパンが行っている越境人材作りプロジェクト「コーポレートフェローシップ」も組織を超えて繋がる人材を作るという理念をもってやっています。

良かったこと、課題、今後やりたいこと

おそらく、参加レポートや取材記事などは後ほど出てくると思いますので、最後に主催側として、ワークショップで良かったことや課題、今後のワークショップ実施について触れておきたいと思います。

良かったこと

熱量高い人達が集まったこと。
長年ワークショップなどのファシリテーターをやっていますが、開始時から歓声があがるワークショップは珍しいですね。皆さんとてもポジティブで、しかもアクションを起こしている人達が多かったので、とてもやりやすかったです。ドタキャンも非常に少なかったです。

スタッフのチームワーク
Code for Japan Summit などの大規模イベントを経験し、ある程度ワークショップやイベントの運営に慣れている、信頼できるスタッフがいたこと、これは非常にありがたかったです。今回10名程度のスタッフがいたのですが、受付、記録、メディア対応等のロジ周りはとてもスムーズに行くことができました。

テーブル毎のグラフィックファシリテーション
来ている人達の多くはグループディスカッションに慣れているだろうと予想はしていましたが、その議論の中身をどのように生産的なものにするか、というのは難しい問題でした。今回グラフィックファシリテーターがテーブルに入ったことで、論点を都度紙に書き出しながら議論ができたのが良かったと思います。同時に各議論の可視化ができるので、一石二鳥だなと思いました。

チームごとに話し合うテーマは、一度付箋で出したものをグルーピングして行いました。
こんな感じで議論を可視化していきます

課題

人数を増やしすぎた
会場が110名くらいで精一杯なのに、140名くらい入れてしまったので、会場が物理的に暑く息苦しい状況になってしまいました。スペース的には広さはあったのですが、空調まで気が回っていませんでした。ワークの内容的にも、もう少し少人数でやったほうがお互い顔が見れてよかったなと思います。

アクションプランに繋げにくいチームも
アンケートからの想像ですが、自分たちの活動を広げたい、繋がりたい、という思いで参加してきた人と、チームディスカッションで上がったテーマにミスマッチが発生したところもあったように思います。

参加者同士が理解し合う時間がなかった
全体的に慌ただしく、ゆっくりと参加者同士が話し合い理解し合う時間が作れませんでした。事前にフェイスブックグループで自己紹介をしていたのと、参加者名簿は配っていましたが、それと目の前の人がリンクしない。オンラインでグループのディスカッションが続いているチームもあるのですが、もう少し丁寧にできたかもと思います。

今後やりたいこと

たくさんありますが、次回は、3つあったテーマから一つに絞込んで実施したいと思っています。
また、個別の活動同士をマッチングできる仕掛けを考えたいです。

そして、「子どもや教育」テーマについては、現役子育て世代が参加しやすい土曜日の午後とかにやりたいと思っています。また、地方開催についても検討をして行きたいと思っています。各地にある Code for のネットワークともうまく繋げていきたいです。

次回告知など

次回は、7月12日(水)にやろうか、という話になっています。詳細決まり次第、こちらのブログでお伝えします。

また、このワークショップとは違いますが、もしCode for Japan の活動に興味を持っていただけた場合、6/16(金)夕方に同じくSENQ霞が関にて開催する、Civic Tech Live! に是非お越し下さい。

美味しい料理とお酒を楽しみながら、シビックテック実践者の話を聞いてディスカッションするイベントです。今回は、Code for Kanazawa の福島さんが参加しますので、各地の Code for はどのように活動しているのか、といった話も聞けます。

最後に

今回スピーディーにワークショップ開催について決定してくれた、若手PJのメンバーに感謝したいと思います。例のPDFを見て、フェイスブックに以下の書き込みをしたのが5月18日。

そこから経産省の知人にPJメンバーをご紹介いただき、お会いしたのが翌週火曜日の23日。その場でワークショップ開催を決定。企画から開催まで1月も経っていません。その後も「望月さんを呼ぼう」とか、「フェイスブックグループ使おう」とかにも快く応じてくださいました。ワークの内容についてもこちらに一任していただきとてもやりやすかったです。

そして、ワークショップに参加いただいた皆様も、本当にありがとうございました。急ごしらえで、拙い時間管理、物理的な会場の熱気にも耐え、ポジティブに議論を楽しんでいただいて感謝です。

また、いつも頑張ってくれるスタッフの皆さん、皆さんがいたからイベントがスムーズに回りました。いつも頼もしくて素晴らしいチームです。今後も素敵なイベント作っていきましょう。

次回はグラフィックレコーディングについてか、次回の申込みについて書くと思います。

追記:第2回の募集を開始しました。

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