Zidan、久々のWechatの挑戦者、果たして成功できるのか

邱 開洲
Code Republic Blog
Published in
7 min readSep 1, 2018

概要

本Blogをお読みいただく方にはWechatの凄さの遡る紹介は割愛させていただきますが、
一言でいうと、Chatから決済、Facebook+Slack+Twitter+Instagram+B2B2C+検索+出会い系+オンライン教育Group+EC...のように10億人以上に使われているtencentのサービスです。学生時代からWechat、Line、FacebookのバージョンUp履歴でSNS戦略を研究していた筆者が過去5年間で中国本土においてはWechatのあるセグメントでバーティカル挑戦者が次々とあったものの、本質のマス向けコミュニケーション領域においては、なかなか現れもしなかったです。

サービス概要

中国の子弾短信(Zidan Duanxin)、爆速メッセージアプリが8月20日リリースし、10日間で400万登録ユーザーまで爆発的に伸びました。SNS類のAPPストアNo.1として圧倒でした。
Aラウンドで1.5億RMB調達し、バリューが6元100億円と予測されています。
リリース一週間未満で既に50社以上のVCとBATを含めた7社IT巨頭の投資戦略部から連絡が入り、明らかにスターとなっています。

登録ユーザー数
ユーザー属性

ユーザー属性から見ると、かなり性別が偏っていますね。

早速にアプリ紹介に入ります。

アプリ紹介

アプリ画面
プッシュ通知画面の比較

明らかにCommunicationの時間を減らすことができることがおわかりですか?

同社のメイン機能としては、音声を瞬間で文字に転換され、音声と文字のハイブリットでChatできるものです。これもWechatの音声をテキストに変換できるじゃ?と思われるかもしれませんが、ポイントは、早さです。ユーザー属性から見ると、男性に好まれるAPPだとわかりやすいですが、要するに、Chatの入力が面倒で、コミュニケーションの内容と量を減らさずに早くできるニーズはデータからわかります。

特徴的な機能

「後て処理」

•未読メッセージの処理を忘れることを防ぐため、 「後で処理」とマーク
→どこかでやりがちですね!そうだ、Wechatの返信漏れ、Lineのスルーメッセッジ

「特定メッセージの引用返信」

•グループチャットの中で、各メッセージをはっきりにするため、「特定メッセージへの引用返信」が有効。
→誰かのメッセッジをそのままCopyしたことがないでしょうか?誰がいった話がわかりづらく、どこからどこまで引用なのか混乱したりする経験がありませんか?

•スマートフォンのHOME画面で音声入力し、相手を選んで速やかな返信ができる

ボタンを押して、HOMEで音声入力

•スマートフォンのHOME画面で音声入力し、相手を選んで速やかな返信可能
•APPの画面で、特定の相手とのチャットルームに入らなくても、相手を選んで音声入力して返信可能

•音声を文字への自動転換し、両方を相手に送る
中国語&英語選択可能
  • 正確識別率が97%と宣言、音声識別領域で中国№1の「科大讯飞」と連携
ニュース

ユーザーの使用時間を向上させる目的にTraffic Top2の「今日頭条」と「騰訊ニュース」を
掲載しており、後者から撤廃との要求もありました。

•支払い機能
Alipayの導入確定、あらゆるDistributionを占有する決済戦争ですね。

•他の些細な機能
-誰だったっけ?と言ったら→最初のチャット内容などを再現
-QRコードスキャンとMy QR コードが同じ画面で表示
等々。

まさにすべてが既存のSNSで困った課題解決に特化しているようです。

Wechatは現状中国約9割のSNSユーザーを独占しており、日常的にあらゆる分野まで浸透し、社会のインフラとなっています。

この反面、過度なソーシャルライフになると批判される声もなり、
音声メッセージが不便なケースがあります。(世の中はすべてBalanceですね)
例えば、
・60秒のメッセージの進度調整は不可
・しつこい人から連続で音声メッセージくる際は、数分間で連続聞く時間がないと進めない
・多くの仕事利用で、日常生活まで及ぼしたとの指摘
等々。

Zidanは、声を爆速にテキスト転換される入り口で仕事の効率化に特化とPositioning。

プッシュ通知画面の比較

同社の目標としては中国本土の「Slack」のような仕事用SNSを目指し、
「Wechatの有力なチャレンジャー」とマスコミが大いに取り上げられるが、子弾短信は極力とWechat、さらに他のSNS APPとの競争を回避したいとのこと。(こちらは戦略上なのか、政治上なのか要検証)

チャット、メール、処理中のタスク、ファイル、クラウド、Votingなどの機能を集中させようという方向だと、「钉钉」、「企業版Wechat」がすでに先行している中、いかにして今のユーザー体験を重視し、Wechatとの位置づけを再定義するかはユーザーを取り合うための重要課題です。

今後の課題

現状、まだユーザー急成長の中、Bugが多く、修正対応続く中、システムの安定を図っています。(筆者の周りの日本の方が中国を注目した一番の学びは、不健全でも出すというスピード感はインターネットの成功要素であると最近いわれています)
当然、改善&進化に間に合わずにユーザー伸び悩んで、死んでしまう場合は、この後にくる会社にヒントを与えてしまうだけになる可能性も歴史的には多いです。(No.1がNo.1になれるとは限らず)

ヒント

この度、同社のサービスにこれほど注目浴びたことは、創業者「罗永浩」がテック業界の有名人であることはありますが、最大な原因は、WechatのようなBigインフラは、規模大きくなりすぎたタイミングで、今まで累積してきたこまめな不満をリアルタイムで修正できなくなりかけ、世の中から新しいSNSへの期待が大きいです。これはSNSだけでなく、あらゆる業界のBigインフラを自ら脱皮しないと死ぬという原理原則は応用できます。Wechatが数年前からQQから自社競合させる戦略と同様に、どこまで進化して、鈍化して、そして再度進化するというProduct、組織、ないし歴史のPDCAは大変楽しみしています。

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邱 開洲
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