思考すべく中国ユニコーンの紆余曲折-「美味不用等」上編-起動の成功
企業概要
美味不用等（社名：「美味しい味を待たない」の意味）
長時間の順番待ちで顧客流出といった課題の解決するために設立し、
中国外食最大級SaaS会社となっています。
上編では、2017年まで大きな成功を収め、展開しているサービスまでご紹介し、
下編では、直近の動きで直面したビジネス本質に問われる課題についてご紹介する予定です。
“ユーザーがその場で予約、各自番号取り、リアルタイムGet In Line
店員がボタンひとつで呼び、Skip
並ぶデータの可視化＆解析、並ぶ会員のデータ収集
CouponAPI接続可能、Wechat公式アカウント接続可能”等の記載あり。
同社は2013年設立。
KPI：
・来店サービス月間利用客が8000万超え、一日GMVが1.6億元以上であり、
・2017年半ばで黒字化し、純利益5000万元の目標を達成。
KGI：
・サービスが200都市を収め、10万の飲食店に利用されている。
・WechatのFollower2000万、APPユーザー1000万。
・資金調達歴は以下。Alibaba、Baidu、著名VCなどから調達できている。
今まで飲食店の課題
・利益率が低い
・コストが高い
・人件費が高い
・家賃が高い
→参入しやすい故、資本のレバレッジかきかない
中国で飲食店向けCRMを提供している企業は2000社以上存在するが、課題の解決とうまくマッチングしない、もしくはシステムが複雑で普及しない理由で、IT化が他業界より遅れている。
昔ながらも、飲食店に求められているのは下記のニーズが挙げられる。
そこで同社は消費者サイドから、まず順番待ちのユーザー体験改善に注力し、OneStopソリューションを提供し始めていた。
主要サービス
飲食店経営効率化：
①飲食店の予約およびクラウドでの順番待ちシステム提供
②注文・支払いシステム提供
→入店前に並び番号を予約し、スマホで並び具合をリアルタイム確認できる。
さらにスマホで事前注文と支払いが可能で、飲食店の接客コストが削減。
※注文からCoupon利用、領収書発行等までOneStopで接客なしですべて完結。
データビジネス
③顧客管理：集客サービス、会員システムなど
④会員CRM
データ管理、クーポン発行、ポイントシステム等
④データ解析
データ可視化による経営の効率化、会員データ利活用でPrecision marketing
⑤サプライチェーン・ファイナンス
飲食店のデータを横断的に比較・分析し、飲食店に融資判断。
高い収益性が見込める飲食店に貸付を行う
（現状、貸金業全般が規制厳しいため、展開が限定的）
なお、大衆点評、百度糯米（BaiduG）、koubei(アリババG)、Wechat(TencentG)などから広く集客→同社より料理の注文も可能。
サービスイメージ
予約、順番待ち、注文といった「Before」のサービスで優れたユーザー体験を提供し、飲食店の運営、コスト削減、マーケティング、データ解析とといった「After」のサービスに注力する。
データ事業
売上高、会員属性、メニュー、コメント、顧客行動分析等より商圏選ぶ、店舗レイアウトなど経営改善を行える。
成長戦略
・予約と順番待ちシステムにより、消費者が圧倒的に便利。
・ユーザーを囲い込むことで、店舗との交渉力があるようになった。
・初期は高級レストランのみ狙い、徐々に中小規模に展開。
・パートナー選定とサービスの付加価値を重視しながら展開を行った。
・なお、同社SaaS提供価格は 業界平均より20％くらい安い
最近の動向
2018年6月中旬、上海で最初の「シェアリング・レストラン」まで展開。
いわゆる食事をする場所のみ提供し、半径8000メートル以内の商圏にあるレストランからメニュー予約を行ってデリバリで届く。
特徴：並ばず、店の空間に限定せずに異なる料理を同時に楽しめる。
ビジネスモデル：
無人販売機で自家製飲料販売、提携先レストランの15％割引
レストラン売上のバック手数料で利益を出す
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