第2回:Cordaとは何か~Cordaの特徴~
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Cordaについて全6回(予定)の記事の第2回目です。
Cordaの特徴
Cordaを支える4つの特徴
Cordaは他のブロックチェーンが抱える問題点を克服し、具体的な使用場面を想定してスクラッチで開発された。そんなCordaの主な特徴として4つをあげることができる。それはすなわち
①プライバシー
②インターオペラビリティ
③スケーラビリティー
④プロダクティビティ
である。以下では4つの特徴について説明する。
①プライバシーについて
パブリックブロックチェーン(例:ビットコインブロックチェーン)において、取引は参加者全員に共有される仕組みである。見ようと思えば私たち自身、いつでもネットワークに参加し、取引を参照することができる。
しかしこれでは取引情報を公にすることを望まない企業にとっては好ましくない。
そこでCordaは取引を「知る必要がある範囲内」で取引内容を共有するモデルを採用している。つまりA社とB社の取引内容は、A社とB社だけで共有でき、C社はA社B社の取引を知ることはない。
これはパブリックブロックチェーンだけではなく、その他プライベート/コンソーシアム型プライベートチェーンとも大きく異なる。プライベート/コンソーシアムプライベートチェーンはパブリックブロックチェーンと違い、参加者を制限できるとは言え、取引内容は参加者全員に知られることになる。つまり、A社B社間の取引でもB社やD社は取引を知ることになるのだ。
「知る必要がある範囲内」、これがCordaがエンタープライズでの利用に特化しているといわれる理由の1つである。
②インターオペラビリティについて
Cordaではあるネットワークから、別のネットワークへ価値を移転することが可能だ。これはどういうことかというと、AとBが参加するネットワークに存在するデータを、AとCが参加するネットワークへ価値を保ったまま移動できるということだ。
ビットコインブロックチェーン等のパブリックブロックチェーンでは最初から全員に門戸が開かれているため、価値の移転は問題にならない。しかし、参加者を制限するプライベート/コンソーシアムブロックチェーンにおいては通常、1つのネットワークから、ほかのネットワークへ価値を移動させることができない。
参加者を制限することができ、かつ、価値を他のネットワークへ移動させることができる、これがCordaの大きな特徴である。
③スケーラビリティーについて
CordaはBitcoinと同じUTXOモデルを採用しているが、トランザクションをブロックにまとめる作業はせず、トランザクションが発生するごとにノータリーノードを通じて「ファイナリティー」を与える。
つまりBitcoinのようにブロック生成を待つ必要がなく、トランザクションごとに処理を並行して走らせることが可能である。
米国証券保管振替制度の運営機関であるDTCCは、2018年10月にCordaを使ったパフォーマンステストの検証結果を発表した。
DTCCの現行業務では、日次で1億1500万件のポストトレード取引を処理しているが、Cordaを活用した結果、ネットワーク全体で6300TPSを5時間連続で処理することで、現行業務で必要な取引量の処理に成功したと報じている。
④プロダクティビティについて
CordaはKotlinという言語でコーディングされており、これはJavaをシンプルかつ安全にしたプログラミング言語であり、Java開発者であれば用意に習得できる。
Javaの開発者は世界に数百万人もいるため、Cordaをベースとしてアプリケーション開発を担える人材の確保は他のブロックチェーンプラットフォームに比べ容易である。
そういった意味で、Cordaはプロダクティビティ、つまり開発生産性が高いといえる。
第3回:Cordaとは何か ~Cordaの詳細~へ続く