Corda Biz Meetup(2022年5月)イベントレポート
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旭化成様、丸紅様ご登壇!ブロックチェーンを活用した模造品排除、サーキュラーエコノミーの事例をご紹介
企業間での取引・情報共有に強いブロックチェーンプラットフォーム「Corda」を活用したDXの事例を旭化成様・丸紅様・SBIR3Japanからご紹介した本イベント。
この記事では各発表の概要をお伝えいたします。
講演資料ダウンロード、アーカイブ動画はこちら
目次
1.サプライチェーンのデジタル化になぜブロックチェーンが必要なのか?(SBI R3 Japan 秋山)
2.フレキシブルセンサーとブロックチェーンを活用した偽造品防止ソリューション(ACS)とその先のスマートロジスティックス実現に向けた取り組み(旭化成 阿部様)
3.ブロックチェーンを活用した太陽光パネル3R事業(丸紅 藤野様、芦川様)
4.Corda事例(サプライチェーン・サステイナビリティ・商取引)のご紹介 (SBI R3 Japan 中澤)
1.サプライチェーンのデジタル化になぜブロックチェーンが必要なのか?(SBI R3 Japan 秋山)
最初のセッションではDXとブロックチェーンの関係、ブロックチェーンを利用する理由について、弊社セールス&マーケティング部の秋山よりお伝えいたしました。
デジタル世界のサプライチェーンは企業ごとの情報管理方法の違い等により分断されており、解決のために企業間で共通のプラットフォームを持つ必要があります。
しかし共通プラットフォームには以下のような課題もあります。
・データ漏洩、データ改ざんの被害がサプライチェーン全体に広がる?
・プラットフォームの停止がサプライチェーンの全停止につながる?
・自社の経営資源であるデータを社外に預けることの是非
・すべてのデータを掌握する第三者の存在
ブロックチェーンの以下の特徴はこれらの課題を解決することができ、共通プラットフォームを実装することが可能となります。
・耐改ざん性を持ったデータをリアルタイム共有
・他社システム停止の影響を受けない
・データはこれまで通り社内のデータベースで保管
・共通アプリで企業間のワークフローを構築
またブロックチェーンを用いた共通プラットフォーム実装は、企業内・企業間の業務を効率化できるだけでなく、利害関係者それぞれにもメリットがあります。
2.フレキシブルセンサーとブロックチェーンを活用した偽造品防止ソリューション(ACS)とその先のスマートロジスティックス実現に向けた取り組み(旭化成 阿部様)
フレキシブルセンサー(フィルム上に印刷したセンサー)は半導体よりもはるかに低い投資額で量産が可能なセンサーとして注目されています。旭化成は、フレキシブルセンサーとしては世界で唯一といえる高解像度センサーを実現できる技術を持っています。
この高解像度フレキシブルセンサーとブロックチェーンCordaを用いた偽造品防止ソリューションについて、旭化成PEDプロジェクト プロジェクト長/リードエキスパートの阿部様よりご紹介いただきました。
偽造品問題は、被害額が全世界で年間250兆円にものぼる非常に大きな問題です。
旭化成では「商品に貼りつける真贋判定用ラベル」、「ラベルをスキャンする真贋判定デバイス」、「判定結果登録用のブロックチェンベースのデータベース」の3つを用いて本物だけが消費者の手元に届くソリューションを構築しました。
以下はその全体像を表す図です。
サプライチェーンの各参加者が真贋判定を行い、偽造品排除と流入経路の特定を行うことで
・消費者の安心
・ブランド価値向上
・メーカー収益性向上
というメリットが得られます。
Cordaの採用理由は以下の通りです。
ブロックチェーンに求める条件→Cordaの採用理由
①耐改ざん性→プライベートコンソーシアム型ブロックチェーン
②社会インフラとしての信頼性・安定性→金融系での採用実績
③変化するサプライチェーンに対する柔軟性→インターオペラビリティ・アクセスコントロール
旭化成はこのソリューションで偽造品というサプライチェーン全体の社会課題の解決を目指しています。
3.ブロックチェーンを活用した太陽光パネル3R事業(丸紅 藤野様、芦川様)
太陽光パネルの抱える社会課題、リユース・リサイクルにおける課題及びそれらを解決する太陽光パネル3R事業について、丸紅 電力本部電力新事業部 藤野様、デジタルイノベーション室 芦川様よりお話しいただきました。
太陽光パネルの2030年代半ばにかけての廃棄見込み量は80万トンにものぼります。限りある国土に無限に処分場を増やすことはできない以上産業廃棄物の削減は必須です。しかし、国内における太陽光パネルのリユース・リサイクルの商習慣がなく、ほとんどの太陽光パネルは最終処分行きとされています。
太陽光パネルのリユース・リサイクルには以下のような課題があります。
リユースの課題
・認知度/理解度の低さ
・製品/売買の管理を行う体制/インフラが存在しない
リサイクルの課題
・有毒物質を含むガラスのリサイクルをできる業者が少ない
・排出側が業者を見つけられない
丸紅では太陽光パネル3R事業として、「使用済み太陽光パネルの情報管理プラットフォーム構築(環境省実証事業)」、「使用済み太陽光パネルのリユースマーケット創出」、「ガラス・リサイクル製品を活用した社会課題の解決」を進めています。(下図参照)
サプライチェーンを可視化するトレーサビリティシステムにブロックチェーンを活用することで、リユース・リサイクルの課題は以下の通り解決できます。
リユース
・認知度/理解度の低さ
→売却益による廃棄コスト削減率が瞬時にわかる
・製品/売買の管理を行う体制/インフラが存在しない
→排出元情報や検査結果の開示により情報の不確実性が解消
リサイクル
・有毒物質を含むガラスのリサイクルをできる業者が少ない、排出側が業者を見つけられない
→供給/需要の双方の情報がインプットされるため売買マッチングが促進され取引が円滑に運ぶ
昨年度から始まった本実証では、リユース・リサイクルそれぞれについて実態調査・開発・運用検証・社会実装を見据えた拡張改善を令和5年度までに行う予定です。
4.Corda事例(サプライチェーン・サステイナビリティ・商取引)のご紹介 (SBI R3 Japan 中澤)
ブロックチェーン基盤Cordaの様々な活用事例を弊社中澤よりご紹介いたしました。
金融分野のみならずサプライチェーンやサステイナビリティといった分野での活用も増えています。
トレーサビリティ・サプライチェーン管理分野
旭化成様のフレキシブルセンサーを用いた偽造防止ソリューションの他、
・農畜水産物の真贋証明・SDGs証明を可能にするトレーサビリティサービスSHIMENAWA
・現実のモノにマーキングした分子の組み合わせでデータとの一対一対応を実現するトレーサビリティサービス
・金インゴットのサプライチェーン管理を行うほか、そのものが金融商品である金をそのままトークン化できるBullion Integrity Ledger
・石炭輸出を効率化するデジタルプラットフォームCOMMCHAIN
・国際物流データ共有ソリューションTrames
といった事例があります。
サステイナビリティ分野
丸紅様の太陽光パネル3R事業の他、
・グリーンボンドの発行・流通のほか、IoT機器によるCO2排出量監視によるグリーンウォッシングの防止も行えるDigital Green Bond Issuance
・複数のブロックチェーンを活用しデジタル上でカーボンクレジットの発行/管理/取引を行うESG1
などの事例があります。
参考:Cordaと電力消費
商取引分野
・トヨタグループの電子契約基盤TBLOCK SIGN
・船舶向け燃料・潤滑油の受発注管理を電子化するBunkerNote
・建設会社とリース会社間の伝票、請求書などをブロックチェーン上で管理/共有するRenta Chain
といった事例があります。
イベントの最後に、弊社の提供サービスについてご案内いたしました。
上記はあくまで一例です。詳細についてはお問い合わせください。
お読みいただきありがとうございました。次回のBiz Meetupの開催についてはSBI R3 Japanサイト上でお知らせする予定です。
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