Corda Enterprise 4.3 リリース

Sohshi.A

Published in

Corda japan

5 min readDec 20, 2019

Corda Enterprise の新しいバージョンである4.3がリリースされました。今回は、リリースノートの全文訳を掲載いたします。

Corda Enterprise 4.3

今回の Ver4.3 のリリースでは、HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)のサポート拡大とログ機能の改善を実現しました。

Corda Enterprise 4.3は、Linuxをサポートします。
WindowsおよびmacOSについては、開発およびデモンストレーションのみをサポートします。詳細については、ドキュメントを参照してください。

Corda Enterprise 4.3は、Corda（open source）4.xおよび3.x、およびCorda Enterprise 4.2、4.1、4.0、および3.xに対して、上方互換性があり、エンタープライズグレードの機能とパフォーマンスを提供します。

注意点
互換性と相互運用性の保証については、特定の整数バージョンの最新のパッチレベルで実行されているノードに対して適用されます。

主な新機能とコンポーネント

Corda Health Survey

ノードの稼働テストを行うオペレーターをサポートするため、”Corda Health Survey”ツールに、いくつか改善を行いました。このツールは以下の機能を提供します。

・HTTPエンドポイント（ドアマン、ネットワークマップ）およびファイアウォールコンポーネント（ブリッジ、フロート）の基本的な接続チェック

・ノードおよびファイアウォール構成ファイルの健全性チェック

JPAノータリーインターフェース

Corda Enterprise 4.3は、HA(高可用性)ノータリー向けにJPA（Java Persistence API）インターフェースが導入いたしました。これにより、ノータリーの運用担当者は、コンセンサスを保存するノータリーが（クラスタ上の）どのDBサーバへ接続するかをコントロールできるようになります。

このインターフェースを使用する場合にサポートされるデータベースは、CockroachDB 19.1.2およびOracle RAC 12cR2です。

さらに詳細を知りたい場合は、こちらのリンクをご参照ください。

ノータリーの鍵管理

HAノータリークラスターで共用される鍵ペアを、”Securosys” および ” Azure Keyvault ”に保存出来るようになりました。HAノータリーはワーカー間で一つのHSMを共用することも可能です。

利用状況の計量サポート

Corda Enterprise における新しい料金体系(従量課金制)をサポートするために、Ver4.3では署名数やその他使用状況を把握する機能が用意されています。

ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)の改善

CE4.3はHSMへ接続できない場合にも適切に対処します。HSMの障害やセッションタイムアウトが、ノード起動時や稼働中に起きた場合に対応しています。又、ノード間接続や独立したArtemisMQとの接続に使用するTLS鍵のHSMへの保管にも対応しました。

データベース移行ツールの改善

Corda Database Management Tool は、JPAを使用したノータリーもサポートしています。さらに、検証機能の改善によりユーザーへのフィードバックが増えたことから、より使いやすくなりました。

Corda ファイアウォールの改善

Corda Enterpriseの以前のバージョンでは、Corda Firewallを実行しているノードは、Floatを介してCRLエンドポイントを直接チェックしていました。これは、「アウトバウンドコールを実行しない」というFloatの元の設計に反するものでした。Corda Enterprise 4.3では、FloatはCRLの確認をブリッジに委任します。ブリッジは、直接またはSOCKS / HTTPプロキシを介しての外部に発信する機能を備えています。

PostgreSQL 10.10 and 11.5をサポートしました

ヒープメモリサイズの最適化

メモリ不足に伴うエラーの可能性を最小限に抑えるため、デフォルトの最小ヒープサイズは4GBになりました。（devModeがfalseに設定されている場合）これは、ノード構成またはコマンドライン引数を介してオーバーライドできます。

非推奨項目

Ver4.3にてノータリーJPAインターフェースが導入されたため、”Percona Server”の利用を非推奨としています。