Corda Tech Meetup 秋の陣 ブロックチェーン初心者向けイベントレポート

Tomoka Ikeguchi
Dec 24, 2021 · 10 min read

ブロックチェーン基盤Cordaについて様々な立場・目線から最新の取り組みや事例を紹介いただくイベント、Corda Tech Meetup 秋の陣。そのイベントレポートをインターンの学生が書いたものが本記事です。まずイベントの発表全体を通して分かったことや感想を自分なりに初心者向けにまとめ、その後に発表資料ダウンロード用のリンクを掲載し、個々の発表内容についてもご紹介しています。

~ご挨拶と自己紹介~

初めまして、SBI R3 Japanにインターンでお邪魔している池口と申します。弊社堀田の紹介でこの度機会をいただきました。ITやブロックチェーンについてこれから一つ一つ調べ、教えていただきながら課題に取り組んでいくことになります。右も左もわからない初心者ですが、恵まれた環境で学べることに感謝して精一杯頑張ります。ブロックチェーン・Corda初心者の皆様は同じ目線で、詳しくご存じの皆様は大先輩として、見守っていただければ幸いです。よろしくお願いします。

~イベント全体のまとめ・感想~

会場はTIS豊洲オフィス、明るくてとても綺麗でした!

当日の会場内は全体を通して和やかな雰囲気に包まれていました。発表中は真剣にメモを取る音と登壇者の声だけが聞こえる時もあれば、登壇者のジョークに笑いが漏れる時もあり、また、休憩時間にはオフィスのテラスから見える富士山を参加者皆で見に行ったりとメリハリのある楽しい時間を過ごすことができました。

本イベントにおいて行われたCordaに関する発表は、「Cordaをより使いやすくすること」を念頭に置いた取り組みの紹介だと感じました。ひとえに使いやすくと言っても様々なアプローチがありますが、大まかに以下の三種に分けてまとめます。

1.Cordaと顧客のニーズを繋げる
2.改良を続けるCorda
3.設計者向けのマニュアル拡充

1.Cordaと顧客のニーズを繋げる

Cordaを用いたサービスの開発、実証実験の協力等の事例の紹介がありました。例えば保険給付金自動請求の実証実験は給付申請にかかる書類の授受の手間等の簡素化を目指すもので、その中で必要となる限定的な情報開示やファイルの添付が可能である点を理由としてCordaを採用した、と解説いただきました。
このようにそれぞれの事例において、何ができて何故Cordaなのかという情報が盛り込まれており、自分のよく知るサービスに導入するならどんなところを便利にできるだろう、と想像しながら聞くことができました。

2.改良を続けるCorda

Cordaの次のバージョンであるCorda5の方針について、今までのバージョンとは違い、内部構造を大きく変えて様々な使い方に対応できるようにするという紹介がされました。
ブロックチェーンをつなぐプロジェクトの紹介では、そもそものブロックチェーンの意義である「つなぐ」機能が複数ブロックチェーンが立ち上がることで十全に働いていない現状を課題ととらえ、解決に向けて取り組んでいると解説いただきました。
この二つの発表はどちらもCordaやブロックチェーン技術についての知識が前提となっており、全てを理解できたわけではありませんが、Cordaそのものやブロックチェーン全体の機能に対して日々改良のための努力がなされていると知ることができ、安心感と今後のさらなる進化に対する期待感をおぼえました。

3.設計者向けノウハウの蓄積

Cordaに関する機能調査結果を無償公開する取り組みの紹介がありました。例として挙がっていたCorda Enterpriseの機能の一つであるアーカイブサービスについては、その仕組みと動作、利用するための条件を解説いただきました。
機能の検証という観点とは別に、実際にCordaを使ってみて起きたトラブルとその原因究明、解決の過程についても紹介がありました。設計者が実際に同じトラブルにぶつからずに済む、ぶつかっても解決するための助けとなる、とても役立つ情報だと感じました。
恥ずかしながら私は発表を聞くまではITの技術全般に対して「全知全能のプログラマー・エンジニア達が適切にプログラムを扱う」という間違った印象を抱いていました。しかしこの二つの発表を聞いて、「誰もが全てを把握してはいない中で少しでもマニュアルを拡充させ、考えられるトラブル原因を探し、同じ壁にぶつかる人を減らそうとしている」と認識を改めることができました。その点でもこの二つの発表を聞けたことは私にとってとても有意義でした。

発表の終了後には、登壇者、参加者入り交じって歓談する時間がありました。主にブロックチェーンに関する情報交換やプライベートな話題のほか、発表内容に関する参加者からの質問、登壇者からの発表内容の補足等様々な話題で盛り上がりました。

~発表内容~

発表資料の閲覧をご希望の方はこちらのリンクからダウンロードをお願いいたします。

以下、個々の発表内容についての概要をまとめています。興味のあるトピックがありましたら是非お読みください。

※ブロックチェーンやCordaについて一定の知識が必要な発表には☆マークをつけています。

目次

Cordaと顧客のニーズを繋げる

①TISの取り組み紹介:事例紹介、調査記事の掲載

改良を続けるCorda

②Corda5 :Cordaの次のバージョンの方針とロードマップ
③インターオペラビリティ Corda-IBC :ブロックチェーン間をつなぐプロジェクト

設計者向けのマニュアル拡充

④アーカイブサービスの紹介:機能調査の結果紹介
⑤corda in production :トラブル解決の記録

R3社のプロジェクト紹介

⑥CBDC Sandbox:中央銀行デジタル通貨の検証環境
⑦機密コンピューティングConclave :データにはアクセスさせない状態で結果のみを返す

①TISの取り組み紹介(TIS:山崎様)

TIS株式会社におけるCorda関連の取り組みについて、TIS 山崎様よりご紹介いただきました。TISでは、Cordaを活用したサービスの開発や実証実験に協力しているほか、Cordaに関する記事や調査結果をTISのアプリケーション開発ノウハウを提供するWebサイトであるFintanに公開しています。

②Corda5(弊社:生永)

現在R3が開発中のCordaの最新バージョンであるCorda5のロードマップ、解決しようとしている課題と解決方法について弊社生永より紹介しました。これまでユーザAPIに関する仕様変更を行ってきたCordaですが、Corda5ではそこから離れて内部構造をモデルチェンジさせていきます。

③インターオペラビリティ Corda-IBC(Datachain:吉田様)

インターオペラビリティ技術であるCorda-IBCについて、株式会社Datachain 吉田様よりご紹介いただきました。複数のブロックチェーンネットワークが立ち上がりそれらがサイロ化してしまう状況の解決策として、株式会社Datachainではブロックチェーンをトラストレスにつなぐソリューション「YUI」に取り組んでいます。その中核であるブロックチェーン間をつなぐ機能がIBC(Inter-Blockchain Communication protocol)、そのCorda向け実装がCorda-IBCとなります。それぞれの内容について、詳細に解説いただきました。

④アーカイブサービスの紹介(TIS:鈴木様)

アーカイブサービスについてTIS 鈴木様よりご紹介いただきました。アーカイブサービスはCorda Enterpriseの機能のうちの一つで、終了したトランザクションのアーカイブの作成・復元を行うものです。その詳細、およびアーカイブできるトランザクションの条件についての検証結果を解説いただきました。また、これらの内容はFintanの記事として公開されています。

⑤corda in production(算富:弥富様)

Cordaを実際に使用して発生したトラブルとその原因、解決について算富の弥富様よりご紹介いただきました。Corda関係のシステム構成に始まり、発生したトラブルについて原因を想定して対応を試み、その繰り返しで原因を究明していく流れを手書きのスライドやよく見知った画像、軽やかな語り口で場を和ませつつ解説いただきました。他のトラブル解決にも通ずる教訓として、「ログやソースコードをよく読む」「動作テストは実際に全ての主要なコンポーネントを連携させて行う」といったものを提示していただきました。スライド内において、「人為的なミスによるTの障害発生の瞬間」と題した画像(バルス)が特に印象的でした。

⑥CBDC Sandbox(弊社:大網)

中央銀行デジタル通貨の検証環境であるCBDC Sandboxの内容と使用方法、およびR3が立ち上げたCBDCワーキンググループについて、弊社大網より紹介しました。CBDC Sandboxについては、デジタル通貨の導入について検討している中央銀行が一つならずあること、中央銀行デジタル通貨の検証のために必要な要素を備えているCBDC Sandboxの機能の紹介が行われました。

⑦機密コンピューティングConclave(弊社:堀田)

インテルSGXのアプリケーション開発キットであるConclaveについて弊社堀田より紹介しました。機密コンピューティングConclaveは、「CPUの中に実行環境を用意し、データそのものへのアクセスは許さないが、質問を投げかけるとデータを元に答えを返してくれる」を実現するものだと紹介がありました。誰に何を伝えるかを制御し、不必要に多くの情報を伝えすぎない、という点がそれまでの紹介にあったCordaの特徴と似通っていると感じました。

次回、Corda Tech Meetup冬の陣も開催予定です。会場やイベント形態、日時等決まり次第情報を掲載いたしますので、ご興味をお持ちの方はぜひSBI R3 JapanのHPをご覧ください。

・記事へのご質問、その他ご相談大歓迎です。
・SBI R3 Japanではエンジニア、PMを募集しています。
・Cordaを利用した開発パートナーも募集しています。

お問い合わせ:info-srj@sbir3japan.co.jp
HP: https://sbir3japan.co.jp/
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