CordaCon 2021ハイライト

サプライチェーン・貿易編

はじめに

本稿では、CordaCon2021で紹介されたユースケースのうち、サプライチェーン・貿易に関する内容をいくつかピックアップしてご紹介します。

目次

  1. エリクソンの取組み

1. エリクソンの取組み

Ericsson社は数年前からDLTに取り組んでいます。既に実用化しているユースケースは「Intercompany Invoice Processsing」と呼ばれています。会社間での請求プロセスの効率化ソリューションです。会社間でリアルタイムに請求データを同期させ、”情報共有のためだけ”の工数を削減します。時間のロスはお金のロスという考え方が徹底されています。

Ericsson社は、このユースケースでの経験を他のプロセスにも適用可能と考え、現在R3と共に新たなユースケースを議論しています(開示はされていませんが、テレコム分野の照合に関わるユースケースのようです)。

また「Intercompany Invoice Processsing」の導入時、社内プロセスが変更されることから、社内の説得が課題だったとのこと。経営層の理解、チェンジマネジメントは、ブロックチェーンでも同様に重要です。

また信用状取引のContourにも参加しており、今年中に商用利用を開始します。

2. サステイナビリティーとESG

このセッションでは、サステイナビリティーの実現に向けて、ブロックチェーンの必要性が議論されました。企業がデータやデジタルな手続/処理を正当であると納得して使うためには、セキュリティー技術の組込みが必要です。これを実装する技術がブロックチェーンであり、その結果、透明性、サステイナビリティーが実現されます。

石油・ガス業界ではトレーサビリティー、説明責任が重要です。カーボンクレジットの使用には詐欺がつきもので、”何度も消費”されることもあります。業界として、カーボンクレジットを検証可能、監査可能なものとして管理する必要があります。今後で、カーボンクレジットの追跡が有望なユースケースとして注目されるでしょう。

なおCordaは、Proof of Workのパブリックチェーンのようにカーボンフットプリントを発生させない点がメリットです。

3. モバイルな保税倉庫

ポストブレグジットの影響で、英国/EUでは物流が課題となっています。2021年以降、英国とEU間の物流には、厳密な輸出入、税関手続きが必要となります。Elandbridge社とProviniti社は、モノに関するデータを、IoTデバイスで捕捉し、ブロックチェーンに集約するという取組みをしています。発想としては、国境で改めてモノをチェックするではなく、ある倉庫から出庫する時点、また別の倉庫へ入庫する時点で、モノの情報を捉えて手続きもしてしまう、というものです。モノの動きをリアルタイムに可視化し、輸送中はシーリング(密閉)技術を活用することで、国境という概念を超えようとしています。

4. Aerotrax Technologies社の航空業界向けMROサービス管理

Aerotrax Technologies社は、航空業界向けのアプリケーションを開発する会社です。現在、MROサービス管理(企業の購買・調達、アフターサービスに係る管理)と呼ばれるユースケースに取り組んでいます。

航空業界では、厳しい規制の下、航空部品の追跡性が求められています。Aerotrax社のソリューションは、航空会社、部品会社、修理会社間の受発注を効率化しつつ、航空機のライフサイクルを追跡可能にします。直近、Bamboo Airways社、Vietjet Air社とパイロット取引を実施する予定です。

5. bloXmove社のMaaSサービス

bloXmove社は、ダイムラーと数社のブロックチェーン・ベンチャーが始めた会社です。現在、MaaS関連のユースケースに取り組んでいます。

モビリティーサービスを提供する会社は既にあります。bloXmove社は、異なるモビリティーサービスを連携させて、企業間でのアライアンスを実現しようとしています。
例えば自転車のモビリティーサービスの会社と、車両レンタルの会社では、同じ消費者に対し、異なるタッチポイントを持っています。これらをデータ連携させることで、顧客目線でモビリティーを接続していきます。

6. Filix Medtech社の医薬品、漢方薬などの追跡

Filix Medtech社は、中国の医薬品、漢方薬、サプリメントのトレーサビリティーに関するサービスを開発しています。この分野は約20兆円の市場規模があります。ただ、これら医薬品等の80%は品質、含有量、原産地、品質のバラつきといった問題を抱えています。種付け、加工、倉庫保管、品質チェックに至るまで全ての情報をブロックチェーンに保存します。まずはB2B取引から着手していますが、将来的にはB2B2Cへ展開する予定です。

最後までお読み頂き誠にありがとうございます。記事へのご質問やブロックチェーンに関してお困りごとがございましたらお気軽にご連絡下さい。ブレインストーミングやアイデアソンも大歓迎です。

Facebook: https://www.facebook.com/R3DLTJapan
Twitter: https://twitter.com/R3Sbi
HP: https://sbir3japan.co.jp/product.html
お問い合わせ:info-srj@sbir3japan.co.jp

Corda japan

Cordaで世界を変えよう

Corda japan

Cordaで世界を変えよう

山田 宗俊 (Munetoshi Yamada)

Written by

エンタープライズ・ブロックチェーン企業R3とSBIの合弁会社SBI R3 Japanでビジネス開発しています。Corda推。

Corda japan

Cordaで世界を変えよう