デジタルトランスフォーメーションを推進する方法とは? 経済産業省DXレポートを参考に
ブロックチェーンでデジタルプラットフォームを実現する
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はじめに
日本は4月に部署移動がある会社が多いですが、昨今のデジタル化への意識の高まりから「DX戦略室」「デジタル企画部」等に新たに配属された方も少なくないのではないでしょうか?
『企業がどのようにDXを推進するべきか』『そもそもなぜDXは必要か』という内容でいくつかの戦略コンサルティングファームもレポートを出していますが、経済産業省の出している『DXレポート』も非常に参考になります。
今回はDXレポートの内容を少しだけ紹介した後に、レポートでも紹介されている『デジタルプラットフォームの形成』に、企業向けブロックチェーンがどのように役立つかをお話できたらと思っています。
目次
1.経産省DXレポート2を読んでみると
2.デジタルプラットフォームとは?
3.デジタルプラットフォーム構築に向けて ~ DX担当者の皆様へ ~
経済産業省DXレポート2を読んでみると
経済産業省は、2018年9月に「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」を公表して以降、DX推進ガイドラインやDX推進指標を公開し、我が国企業のDXの推進に資する施策を展開してきました。(以下、こちらのレポートを『DXレポート1』とします)
2020年12月には、日本企業がデジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)を加速するため、企業のとるべきアクションと政府の対応策の検討を行い、『DXレポート2(中間取りまとめ)』として中間報告書を公表しました。
サマリー:https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-3.pdf
本文:
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201228004/20201228004-2.pdf
DXレポート2では、サマリーとして企業のDX加速シナリオがまとめられています。
このレポートには、システムのエンドユーザーとなる事業会社と、ITベンダー双方に向けたメッセージが詰まっています。
エンドユーザー向けの内容で印象に残るのは
①2018年のDXレポート1では、「DX=レガシーシステム刷新」、あるいは、現時点で競争優位性が確保できていればこれ以上のDXは不要である、等の本質ではない解釈を生んでしまった
②2020年に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響により、企業は事業継続の危機にさらされた
③押印、客先常駐、対面販売など、これまで疑問を持たなかった企業文化、商習慣、決済プロセス等の変革に踏み込むことができたか否かが、環境変化に対応できるか否かの分かれ目となっており、デジタル競争における勝者と敗者の明暗がさらに明確になっていくだろう
のといったところでしょうか。
DXレポート2では、さらに企業の取るべきステップを提示しています。下図のように『直ちに(超短期)』『短期』『中長期』と3段階に分かれています。
細かいですが、レポートをよく読んでいくと
①DX理解
②組織変革
③企業文化変革
④デジタルプラットフォーム形成
の4点に整理できるのではないでしょうか。
①に関しては各社既に取り組んでいるところが多いと思います。
②、③は会社全体にかかわることであり、「DX戦略室」の枠組みを超えて経営層を巻き込んだ変革が必要となるでしょう。
さて、④のデジタルプラットフォームという横文字は一体何を指しているのでしょうか?
デジタルプラットフォームとは?
DXレポートに戻ると以下のようなことが書いてあると思います。
■ 企業が経営資源を競争領域に集中するためには、個社が別々にITシステムを開発する のではなく、業界内の他社と協調領域(非競争領域)を合意形成して共通プラットフォームを構築し、 協調領域に対するリソースの投入を最小限にすべきである
■ デジタル社会の実現を見据えて、個社のみでは対応しきれない顧客や社会の課題を迅速に解決するために、デジタル企業同士が横連携してエコシステムを形成できるデジタルプラットフォームを形成することが重要である
”個社のみでは対応しきれない顧客や社会の課題”と聞いても、パッとイメージしづらいですが、例えば
・企業間の契約管理効率化
・企業間のデータ突合作業の排除
・トレーサビリティやサプライチェーン透明化
・環境問題、SDGs対応
とすると、多少イメージがわいてくるかもしれません。
さて、DXレポート2にはこういった共通プラットフォームを具体的にどう実現すればよいのかまでは詳しく書いていないのですが、ブロックチェーン技術がこのような共通プラットフォームを相性が良い技術として注目されています。
ブロックチェーンは「複数の企業間で、一つの正しい情報を共有する技術」と位置付けられます。BtoBの世界でこの技術を活用すると、企業間の契約やトレーサビリティ、決済情報のように、全く同じ情報を持ち合う場面に適用ができます。
実は企業向けブロックチェーンCordaを利用して、こういったデジタルプラットフォームを推進している業界リーダーが既に出てきています。
豊田通商システムズ株式会社はトヨタグループ内外向けに電子商取引サービス『TBLOCK SIGN』を2021年3月にリリースしました。
自動車をはじめ、日本にはグローバルに活躍する製造業の企業が多く存在します。各企業に「契約書を取り交わす」「保管する」「押印する」「集計してERPにデータを入れる」といった『非競争領域』の業務はあり、『競争領域』への経営資源投資の妨げになっています。
豊田通商システムズは、こういった課題を解決する共通プラットフォーム構築を自らの事業として展開する選択をしました。
詳しくはこちらの記事に
また建設大手の株式会社大林組は、元請としていろいろな業種の協力会社と膨大な数の契約を締結しており、これに基づいた毎月の支払い業務にかかる工数が非常に多くなっていることに着目しました。建築資材のリース業務だけで、現場事務所ごとにリース会社と段ボール数箱分の書類を往復させているような現状だったそうです。
大林組では、企業向けブロックチェーンCordaを使って建設会社とリース会社の間の契約作業を電子化し、省力化するための実証実験を行いました。実証実験を通じて行った試算では、大林組だけでも年間で億単位のコスト削減が見込めるそうです。
建設業界の非効率をなくしていく試みに、ブロックチェーンが注目されています。
詳しくはこちらの記事に
自社だけでなく取引先や、その先の社会課題を事業で解決しようとする考え方を、『CSV』(Creating Shared Value:ハーバード大学経営大学院教授のマイケル・ポーター氏が提唱)とよんだりします。
和風で言うと『三方良し』かもしれません。
ブロックチェーンは、三方良しのデジタルプラットフォーム構築に役立つ技術だと考えています。
※追記
2021年8月31日に『DXレポート2.1(DXレポート2追補版)』が公開されました。
既存産業と対比したデジタル産業の業界構造変化や、共通プラットフォームによる企業間ネットワーク構造について言及されています。
デジタルプラットフォーム構築に向けて ~ DX担当者の皆様へ ~
デジタルプラットフォーム構築はどのように進めたらよいのでしょうか?
SBI R3 Japan株式会社のHP上に2021年4月より、『DX担当者の皆様へ』というセクションが誕生しました。
ここには、『DXにおけるブロックチェーンの位置づけ』や『デジタルプラットフォーム実用化に向けたロードマップ』なども提示されています。
また、ページ下部より以下のリソースにアクセスできます。
■ ホワイトペーパーダウンロード
:Cordaの導入事例や技術概要、商用化したソリューションをまとめています。
■ DX、ブロックチェーン活用に関する無料コンサルティング
:平日日中または業後30分~1時間 (オンラインも可)。カジュアルなブレインストーミングやディスカッション、業界ごとのブロックチェーン活用事例の紹介が可能。
さらに、各業界、業種の実際の事例一覧のページも参考になるでしょう。
SBI R3 Japanでは『分散台帳技術を活用し社会コストの低減に貢献する』ことをミッションとしています
企業向けブロックチェーンとしてグローバルでシェアの大きいCordaの提供を通じて、企業が協調領域に対するリソースの投入を最小限できるデジタルプラットフォームの構築をサポートします。
企業同士が横連携し、個社のみでは対応しきれない顧客や社会の課題も解決できるようなデジタル社会の実現に向かって、一緒に取り組んでいきませんか?
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