クーガーびとのこだわり #1

自転車と、プログレッシブ・ロック

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Published in
Jun 30, 2023

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クーガーには仕事のみならず、プライベートにおいてもそれぞれの強い「こだわり」を持ったメンバーが多く集まっている。彼らのこだわりを紐解き、テクノロジーと人間の接点を探る「クーガーびとのこだわり」インタビューの第1回は、クーガーでサーバーサイドを主戦場としながら、多様な業務で横断的に活躍するエンジニア、原 央樹(はら ひろき)が登場。自他ともに認める本格的なサイクリストとしてのアクティブな側面と、70年代のプログレッシブ・ロックを愛聴する、知的で謙虚な人柄に迫る。(聞き手:クーガー羽入田)

原 央樹プロフィール

徳島県出身/クーガーでのポジション:リベロ

(自己紹介)LUDENS開発のあらゆる側面に縦横無尽に関わっています。使用言語は、Unity C#の他、Javascript、C++、Go、Rust、Python、Swift、Kotlinなど、広く浅く適当に。 開発だけじゃなく、ドキュメントをまとめたりQAしたり講師をしたり、リベロってこういう意味だったのね、と毎日フィールドに立っています。趣味は自転車、プログレッシブロック以外にもゲーム、メダカ飼育など幅広く。好きな食べ物はカレーライス。

―そもそも自転車にハマったきっかけはなんだったんですか?

2014年ぐらいに周囲に自転車を趣味にしている人が何人かいまして、さらに同時期に「弱虫ペダル」を見始めてとても面白かったというのがきっかけですね。当時は今より体重も多かったので、運動しなきゃなって思っていたこともありますが。それまでは自転車にはまったく興味がなかったのですが、一気にハマりました。

―乗っている自転車もかなり本格的なようですね。なんというブランドの自転車なんですか?

キャノンデール(Cannondale)というアメリカのブランドの、シナプス(Synapse)というモデルです。

―聞いたことあります!キャノンデール以外だとどんなブランドが有名なんでしょうか?

スペシャライズド、トレック、GIANT、メリダといったところでしょうか。いずれも海外のブランドです。キャノンデールを選んだのは、購入前に当時のキャノンデール日本法人の社長が、富士山の麓で開催する新商品発表会のために、はるばる会場までシナプスで走るという動画を見まして、社長の人柄、風景などがとても良かったんですよね。あとは、シナプスのデザインが僕好みでした。

―かなりレーシーというか、走りに特化したモデルのようですが、購入後にパーツを付けたりもするんですか?

付けまくりですよ(笑)。まずハンドルを交換しました。グリップ部分をホールドしているバーテープにもこだわりがあります。長距離を走る際には、ハンドルだけでなくバーテープの握り心地もとても重要なんです。

タイヤとホイールも換えています。タイヤはコンチネンタルという、自動車のタイヤでも有名なメーカーのものです。タイヤとホイールの交換は軽量化が主な目的です。

あとはサドルですね。長距離を走るとお尻が痛くなるので、自分に合うサドルは必須です。一般的な自転車よりかなり高い位置にセットしていますが、これも長距離を乗る際に一番お尻に負担がかからないバランスを考えています。

さらにペダルとクランクも交換しています。普通の自転車とはペダルの形状が異なるでしょう。これ、サイクリングシューズとガシッと合う形になっているんです。さらにこのペダルには電子部品が入ってまして、さまざまなデータを記録できるようになっています。

ほら、このようにシューズとペダルが密着するので、足で踏み込むことで力が伝わりやすくなるんですね。こんな感じで、フレーム(本体部分)以外はほとんど換えちゃいました。ちなみにこれがサイクルコンピュータです。走行データの記録を行うだけでなく、ナビゲーションも入っています。

車いじりと同じでとても奥が深く、でも車ほどの費用はかからないのがいいところです(笑)。重さも9kgしかないので、片手で持ち上げられて楽ですよ。

―ギヤも複雑な形状ですね。何段変速なんですか?

前2段、後ろ11段です。ハンドルについているスイッチで切り替えます。左がフロント、右がリヤですね。多段変速はヒルクライムのためには必須な機能なんですよ。

―なるほど。ヒルクライムとは、長い上り坂を走るレースなのですよね。

はい、そうです。今までに富士山の麓からスバルライン(有料道路)を五合目まで走る24kmのレースとか、榛名山のレースとか、いろいろ参加しましたね。富士山のヒルクライムって聞くとハードルが高そうなイメージがありますが、参加者全体の98%が完走するんですよ。1万人ぐらいが参加するんですが、僕も1時間半ぐらいのタイムで、全体の半分より上の順位でゴールしました。ちなみにレースの時はスバルラインは自動車が通行止めになるので安全です。

Mt.富士 ヒルクライム2019(本人提供)

逆に、下りの方が疲れます。ずーっと下りなのでブレーキをかけながら走るので、手が痛くて大変な思いをしますよ。

―ちなみにレース以外のイベントでもかなりの距離を走るのですよね。

ええ、「ブルベ」という長距離走行検定イベントのようなものがありまして、「200km」「300km」「400km」「600km」というコースがあります。僕は300kmコースに参加したことがあるのですが、神奈川県川崎市の等々力競技場あたりから山梨県の大月のコンビニまで自転車で走って行って買い物をしてレシートを持って帰ってくるというルールで(笑)、朝に出て深夜に帰還しました。

―それはすごい。600kmだと日帰りは無理ですね。

はい、600kmはお泊まりコースですね。実はさらにすごいコースがありまして、フランスのパリからブルターニュ半島の先端の街、ブレストに行ってくるのがお題です(笑)。パリまで飛行機で行って、そこから往復1,200kmです。これに参加するのが夢なんです。まず600kmをクリアしないとフランスでのブルベに参加する権利が得られないので、次は600kmにチャレンジですね。検定といっても単に「あなたは300km走ることができましたね」というような緩いものなのですが、順位にこだわらず自分のペースで走ることができるので、ブルベは楽しいですよ。

―順位を競わないイベントがあるのもいいですね。1,200kmは凡人の理解を超えていますが…(笑)。では、これまでに走ったときに印象に残っている風景を教えてください。

東日本震災の後、2018年に復興支援のための自転車イベントに参加しまして、被害を受けた地域を走ったのですが、ニュースで見た場所を実際に走ってみて、あの風景は胸に迫るものがありました。

ツール・ド・東北2018 (本人提供)

その場所の風、道路の凹凸とか、自転車でしか味わえない感覚があります。あの体験は、一生忘れないと思います。

―今後もシナプスでいろいろなところに行かれるのですね。

いえ、実はそろそろ買い替えようかなと…(笑)。結構古くなっちゃったんですよね。他にも気になるブランドがあったりしまして、検討中です。

―車を買うときの感覚と同じですね!僕もかなり興味が湧きました。健康面でも良い効果があるのではないですか?

体重が20kg減りましたし(笑)、いろいろな数値が正常になって、いいことづくめです。ぜひ皆さんにもお勧めしますよ。

―たいへん面白いお話をありがとうございました。さて、原さんといえばプログレファンとしてのお顔もお持ちで…

お、そっちの話もしますか。

―はい、僕も好きなので(笑)、ぜひお願いします。プログレとの出会いについて教えてください。

高校の時に仲の良かった友達と、レンタルCD店で「ジャケットを見て良さそうなものを何枚も借りる」という遊びのようなことをしてまして、その中にイエスの「危機(1972年リリース)」というアルバムがあったんです。有名な作品なんですが、「曲が長い!」「アルバムに3曲しか入ってない!」という感じで衝撃を受けました。でもジョン・アンダーソンが歌い出すと本当に綺麗な歌声で。唯一無二の声ですね。あとは変拍子の複雑なリズムにも心を奪われました。それ以降、その友達とイエスの他のアルバムもたくさん聴きました。

―お好きなアルバムは他にありますか?

「海洋地形学の物語(1973年リリース)」「リレイヤー(1974年リリース)」です。「海洋地形学」は2枚組なのに4曲しか入ってなくて(笑)。でもコンセプチュアルというか、アルバムを通してひとつの作品になっている感じが素晴らしいと思います。

―イエスは歌中心の美しい部分とバンドの緊張感あふれる演奏部分の混在が面白いですよね。

そうですね。「危機」の最後に入っている「シベリアン・カートゥル」という曲はまさにそれらの要素が詰まった名曲です。

余談ですが、日本のバンド「ミスター・シリウス」がカバーしたバージョンが素晴らしいんですよ。

―おおっ!ミスター・シリウスといえば私の知人がメンバーでして(笑)。ではイエスでは「シベリアン・カートゥル」が至高の1曲ということになりますか?

いやー、1曲選ぶとなるとやはり「危機」ですね。

ちなみに僕は徳島が地元なんですが、イエスが一度高松にツアーで来た時に行けなかったのが心残りです。

―当時のメンバーではもうツアーは不可能ですしね…。イエス以降はプログレにはどのように触れていましたか?

イエスが気に入ったので、ロック雑誌を見ていたら他にも同じようなことをしている人たちがいるぞ、となりまして、次はピンク・フロイド、エマーソン・レイク&パーマー(EL&P)という感じです(笑)。フロイドの「狂気(1973年リリース)」は最高ですね。目覚まし時計の音に衝撃を受けました。これもコンセプトアルバムで、一本の映画を見るような感覚になります。

EL&Pは「恐怖の頭脳改革(1973年リリース)」が好きでした。キース・エマーソンのシンセサイザーが素晴らしいです。当時最先端な楽器だったと思うのですが、それをこれでもかというくらい実験的に使っていて、聴いていてとても楽しいです。H.R.ギーガーのジャケットのアートワークも秀逸です。

あとはキャメル、キャラヴァンといったイギリスのバンドが好きでしたね。

ーおお、キャメル!プロレスファンには前田日明の入場テーマソング「キャプチュード」で知られていますが(笑)、どのあたりが好きでしたか?

イエスやピンク・フロイドなどとくらべて粗削りで荒々しい感じがして、そのゴリゴリ感というかパワーが聴いてて気持ちよいです。好きな曲は「Mirage」というアルバムの「Free Fall」です。

ーギター弾きまくりで気持ちいいですね!一方キャラヴァンはいわゆるカンタベリーロックですね。

はい、カンタベリーっぽい牧歌的な雰囲気ながら、歪ませるところはシッカリと歪ませる感じ。ボーカルの声も好きです。この曲が好きです。「Golf Girl」も捨て難いんですが。

―ご自身で楽器を演奏されようとは思わなかったんですか?

幼少期からピアノをやっていたんですが、大学時代にギターを始めました。といってもバンドを組むわけではなく、ひとりでブルーハーツをコピーしてましたね(笑)。

―プログレではないのですね(笑)。

ええ、甲本ヒロトさんが好きで、ザ・クロマニヨンズも大好きですね。日本人だとパンクばっかり聴いてました。

―幅広いですね!もっといろいろお話を伺いたいのですが、時間が来てしまいました。原さんには「ゲーマー」「メダカ飼育マニア」としてのお顔もありますし(笑)、ぜひ次回はそちらのお話も伺えればと思います。今日はありがとうございました!

いえいえ、楽しかったです。メダカは奥が深いんですよ。自宅にはいくつか水槽があって、そのうちひとつでは水草を育ててまして…(メダカの話で盛り上がる)

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