振り子の原理
振り子は、中心点からの距離がプラスとマイナスの最大値の間の値を取るように揺れている。左右の最高地点では速度はゼロ。そのとき、中心点からの距離が最大で、振り子の高さが最高点にある。
振り子が中心点(変位ゼロの位置)にあるとき、速度が最大。振り子が中心点を離れて次に通過するときに、速度は同じだが向きが逆。逆速度だ。
この振り子の動きを、位相空間図でとらえなおすとおもしろい。
点Aで振り子を軽く押すと、より速く遠くへ振れるようになる。その位相空間図は外向きに螺旋を描き、新しい軌道上に落ち着く。
理想の振り子運動を表す位相空間の点は、位相空間内で無限に円を描き続ける。現実の空間における左右の揺れは、位相空間では円形運動になるのである。
ちょうどいいタイミングで振り子を軽く押してやると、振り子の運動は速くなり、やや大きな円を描くようになる。逆に空気の影響を考慮に入れると、振り子は空気抵抗を受けることになる。
振れるたびに少しずつ減速され、前回の揺れと同じ高さまで上がれなくなる。空気抵抗は、振り子の速度と位置の最大値をしだいに小さくするのだ。その結果、位相空間上の点は、内へと内へと渦を巻き、最後に止まってしまう。
理想の振り子は、安定ではない。ちょっと押せば、位相空間の点はより大きな円を描くようになるし、反対に空気抵抗を与えれば、内に向かって渦を描くだろう。
京都時代に、超光速の素粒子同士が激しくぶつかるかのような、このダイナミカルな動的安定性を学び、教育事業の統率へと活かされた。
実は、有名経営者の間にも、この「振り子の法則」を意識している人が少なくない。楽天の三木谷社長も、経営は、振り子のように触れながら、らせん状に進化していくと言っている。
行ったり来たりしているように見えて、実は発展に向けて進化をしている「振り子の法則」。世界の道筋に目を凝らし、法則性と連動性にさえ気がつくことができれば、次に来る世の中の動きも見えてくるかもしれない。さすれば、未来に起こるいかなる事象も必然となりうるのである。
また、
ドレミファ…を一周すると、
また「ド」になる。
高音と低音は似ているから
一見周りからはわからずとも、
実は螺旋状に高みへと登っている。
振り子運動の二物衝撃の体験学習が、後にメビウスの原理「∞」をうけとめる素地となった大事な原点である。これが自ら学び 掘り取り 切り拓く。教育改革や経営変革のダイナミズムとなっている。