【有望プロジェクト紹介】② Near Protocol

Near Protocolはここ最近で最も堅実なプロジェクトだと思います。Solanaを初めて知った時のことを思い出します。技術的側面はもちろんのこと、チームのバックグラウンドも素晴らしく、今後長期的にこの界隈に残り続ける強さを間違いなく持っています。

私がNearを知ったきっかけは、これからみなさんに紹介する「Zilliqaによるシャーディングアプローチの限界」という記事を8月末に読んだ時です。Near ProtocolのCEOはイーサリアムのシャーディングに関しても意見を述べたりしているので、日本の投資家だけでなく、テックに詳しい人達もいずれ知ることになるプロジェクトだと思います。また、つい最近Vladさんとチームを組んでシャーディングの研究も始まりました。とても良い方向に進んでいると思います。


この記事はNear Protocolのプロジェクトに関する記載は多くないのですがNearを知る良い導入記事になると思います。ただ、テック寄りの記事になるのでテックに詳しくない方は私が強調した部分と私のコメントが書いてある部分だけ読むので問題ありません。

ちなみにZilliqaを知らない人はいないと思います。知っておかないといけないレベルと個人的には思っていますし、正直Zilliqaに一点投資でも良い、と割と本気で思っています(笑)。もちろん、他にも有望プロジェクトがあってポートフォリオに多様性を持たせるのが好きなので私は決して一点投資はしませんが、ZILはそれくらいのレベルのプロジェクトです。そんなZilliqaの限界とは何でしょうか?今から一部私のコメント付きで記事を紹介したいと思います。


Zilliqaによるシャーディングアプローチの限界

本日、Zilliqaはシャーディングデザインについてのブログ記事を公開しました。
ひとつ明白なことがあります。それは、開発のスタート時点からシャーディングを実装していなければ、途中からシャーディングを実装し、ブロックチェーンをスケーリングするのは無理ということです。途中からシャーディングを実装することはとても困難なことなのです。例えば、イーサリアムはブロックチェーン分野では最も優秀なエンジニアリングチームを有していますが、シャーディングリリースは再び延期されてしまいました。 イーサリアムにとって、シャーディングを途中からシステムに組み込むということは、いわば、走行中の車のエンジンを交換するようなものなのです。

Zilliqaはシャーディングを提案した数少ないプロトコルの一つであり、私たちは当初からこのプロジェクトを追い続けています。

私はMemSQLというデータベース企業のトップエンジニアでした。MemSQLは、ゴールドマンサックス、Uber、Comcast、Akamai、その他、数多くの大企業に対して分散型分析プラットフォームを提供しています。MemSQLにいる間、私はシャーディングの実装を任されていました。その後、私はNear Protocolを共同設立しました。このプロジェクトには、MemSQLでクロスシャードトランザクションと複雑な分散結合を担当していた2人の初期エンジニアに加えて、4人の元Googleエンジニアが在籍しています。

過去に私達はシャーディングによる大規模クラスターを実際に構築し、各アグリゲータノードは毎秒数百万件以上のトランザクションを処理しました。これまでの経験から、複雑なシステム上にシャーディングを実装する方法、そして、実用レベルでどのような問題が発生するかを我々は熟知しています。(Ryu:この経験値は本当に大きいでしょう。自分たちの提案する技術を本当に実装できるかは開発者の手にかかっていますし、シャーディング領域の中でもNearのメンバーは特筆すべき経歴を持っていると思います。)


Zilliqaに話を戻しましょう。
記事を要約すると、次のようなポイントに分けられます。

・すべての単一のシャードトランザクションは並列実行する
・同一のスマートコントラクトに影響を与えるトランザクションはシャーディングで並列実行しない
・2つ以上のシャードに影響を与えるトランザクションはシャーディングで並列実行しない

加えて、ブログ記事では明確に述べられていませんが、Zilliqaはステートのシャーディングはしないようです。(「シャードされたステート」と「シャードされた処理」の違いについてはイーサリアムのFAQで説明されています)

単一のシャードトランザクションのみをシャーディングで並列実行する

トランザクションの送信側とスマートコントラクトが同じシャード上にある場合のみ並列処理するのは大きな問題とはならないでしょう。Fletaでは、シャードが互換的に扱える(interchangeably)というアイデアに基づいて支払いが設計されています。一方Zilliqaの場合、まったく同じようにはならないでしょう。なぜならば、Fletaではシャードは送信者に対して紐づいていますが、Zilliqaではコントラクトのシャードに紐づいています。しかし、同様のアイデア(Fletaのアイデア)を応用できる可能性が示唆されます。

ステートシャーディングがない

ステートをシャーディングしなければ簡単です。たとえば、もしステートをシャードした場合、Zilliqaのブログ記事にある最初の例も実行できなくなります。送信者のシャードを承認するだけでは十分でなくなるのです。なぜなら、送信者のシャードは受信者のステートを更新できなくなるためです。結果的に、支払いを処理するだけの単純な処理でさえ、ステートがシャードされる場合はとても複雑になってしまうのです。 注意しなくてはいけないのは、ステートによるシャーディングがないとしても、送信者のシャードの承認は、アカウントがUTXO方式の場合のみ有効になるということです。 もしアカウントが残高を積み上げていく方式の場合、二つのシャードは単一の受信者に対するトランザクションに対して、矛盾する記録を残してしまいます。

それでもなおシステムデザインをシンプルにするためにステートによるシャーディングを行わない場合、システムのスケーラビリティに対して大きな制限が加わります。 イーサリアムのノードが未だに全てのステートを保存できているのは、イーサリアムが1秒間に14件のトランザクションしか処理していないためです。一旦、システムが1秒間に数千件ものトランザクションを処理し始めれば、ステートデータが急増します。トランザクションがステートに履歴を残すためです。 ステートのシャーディングを後から導入することは、シャード化されていない現代のプロトコルに後からシャーディング処理を実装するぐらい難しいことです(Ryu:つまり、ETHに新規にシャーディングを実装する難しさと、ZILに新規にステートシャーディング技術を実装する難しさは同じ。=走行中の車のエンジンを交換するレベル)。

同一のスマートコントラクトに影響を与えるトランザクションはシャーディングで並列実行しない

同様に、実装を簡単にするためにスマートコントラクト処理をシャーディングしないことは、プロトコルのスケーラビリティに制限を加えます。あるエコシステムにおいて少数のdAppがそのエコシステムの利用率の大半を占めている場合、Zilliqaは数千のシャードにスケールアップできるものの、上位5つのdAppは5つのシャードにとどまらざるを得ず、そのシャードの処理能力だけに制限されます。(ステートのシャーディングが実装された場合には、処理能力とストレージの両方で制限されることになります)。(Ryu:ZILの場合、たとえステートシャーディングを導入したとしても、上記理由で処理能力もストレージも制限を受ける)

上記制限に加えて複数のシャードに影響を与えるコントラクトを並列に処理しなかったとしても、Zilliqaはブロックチェーンのスケーラブル化に変化はもたらすでしょう。ZilliqaはEOS、Thunder、Algorandのパフォーマンスを上回るかもしれません(少なくとも、前の二つよりも優れた非中央集権化を提供するでしょう)、 しかし、将来の保証はありませんし、 先に述べた制限によって、dAppプラットフォームのスケーリング需要に対応できなくなります。

分散トランザクションの実行に関わる研究は長い歴史を持ち、シャーディングブロックチェーンプロトコルの開発において、無視することはできません。例えば、Map Reduce、または、並列処理、shuffles、アグリゲーションを含む標準エンジンは複雑な並列処理に十年以上も使われてきています。

ではなぜそういった業界で実証されている技術を用いたシャーディングブロックチェーンプロトコルがまだ登場していないのでしょうか?
主な理由は、いろいろと失敗も出てくる中で分散型システムを構築するのは非常に複雑なエンジニアリング作業が必要になるからです。
Amazon, Microsoft, Google, Facebookのような最高の人材を持つ大企業以外の企業から世に出た製作検証済みの(≒実証済みの)分散型データベースの数はかなり少ないです。(Ryu:つまりNearのCEOであるAlexはその数少ない企業出身で、エンジニアとして苦労しながら技術を開発して事業を成功させ、大きな経験を積んだのでしょう。業界で実証されている技術をブロックチェーンに応用できていない理由はエンジニアリングが未熟であるが故。NearのCEOはGame changerとなるかもしれません。また、Vladとの研究記事を見ればAlexがシャーディング領域でかなり秀でた存在であるということも分かると思います。)

このような観点から見ると、分散化エンジニアリングメンバーが揃っているNear Protocolは、 分散型シャーディングアプリケーションエンジンを構築可能な特別なポジションにあります。

まだ現段階では、シャーディンのテクニカルペーパーは完成していませんが、すぐにリリースされます。
私達の開発アプローチはより実用的で、まずプロトタイプを作り、すべての仮説を検証します。ブロックチェーンプロジェクトでは、プロトタイプテストの前にホワイトペーパーを書くことが広く受け入れられていますが、分散化システムのような複雑なフィールドでは、未熟な内容となる可能性があります。(Ryu:堅実なプロジェクトほど《≒テックに強いプロジェクトほど》ホワイトペーパーはICO用で大事なのはテクニカルペーパーという認識を持っているように思います。)

トップの階層ではNearのトランザクションは、並列「map」ステップ、「Shuffle」ステップによる交互配置(interleaved)、そして、ステートと個々のスマートコントラクト実行のシャード化、に分けられます。これにより、任意の複雑なプログラムが並行して実行することができるようになります。 また、Nearは独自のプログラミング言語を導入せず、WebAssemblyにすべてのコード変換のエコシステムを任せ、SQLクエリの形式でステートにアクセスします。

我々のシャーディングテクニカルペーパーはまもなく発表されます。

最新情報の入手は以下から可能です。
Homepage — https://nearprotocol.com
Twitter — https://twitter.com/nearprotocol
Medium — https://medium.com/nearprotocol
Telegram — http://t.me/cryptonear

この投稿をまとめるのを手伝ってくれた、Bowen Wang、Aliaksandr Hudzilin、Mikhail Kever、Ustimに感謝します。

元記事:
https://medium.com/nearprotocol/limitations-of-zilliqas-sharding-approach-8f9efae0ce3b


Near Protocolメンバーの背景はつかめたでしょうか。彼らはlow-end device、つまりスマホなどの身近なデバイスをターゲットとしており、ブレインストーミングを繰り返してマスアダプションを実現する方法を日々考えています。Near Protocolが提唱するThresholded Proof of Stakeやその他のテックに関する内容は私に時間ができれば解説したいなと思っています。

ちなみにNear Protocolはシリコンバレー発のプロジェクトです。最近私が目を付けるほとんどのプロジェクトはシリコンバレーを本拠地としているような気がします。投資という観点からプロジェクトを評価することも大事ですが、素晴らしい技術を持っているプロジェクトを純粋に応援してフォローしていくのもとても楽しいですよ :) もちろん、もしNearに投資できる機会があるのなら絶対に検討したいと考えていますし、HolochainやTomochainの時がそうであったように、みなさんにも投資をお勧めできるプロジェクトがあれば共有していきたいと思います!

以上、私が惹かれたプロジェクト、Near Protocolの紹介記事でした!


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