なぜ僕らは”ブロックチェーン”に懸けるのか。

Shun Ishikawa
CryptoAge
Published in
11 min readJun 11, 2018

※本記事はCryptoAgeとしての見解を示すものではなく、筆者である石川駿(Shun Ishikawa)個人の見解を示すものです。

ブロックチェーンや暗号通貨に関する話題は最近世間でかなり取り上げられています。
コインチェック事件や多くのスキャムICOを経て、さらにスケーリング問題も未解決であるがゆえにその可能性に懐疑的な見方もある中、今のU25(#ブロックチェーン世代)がブロックチェーン、クリプト領域に打ち込んでいる理由について個人的な考えを記事にしました。

要約するとまさにけんすうさんがおっしゃっている通りです。

記事の主旨

1, 現在スタートアップ界隈で誰もが知っているような起業家・投資家はみなインターネットやスマートフォンの波に乗って今の地位を築いている

2, 当時幼かった僕らは今までの波に乗ることができなかった。彼らの後追いでは意味がない。インターネット業界はもう成熟している。

3, ならば、僕らは新しい波に乗るしか無い

4, そして、今”ブロックチェーン”という新しい波が来ている。

5, ようやく、僕らの番だ。

6, 終わりに

1, 現在スタートアップ界隈で誰もが知っているような起業家・投資家はもれなくそのときのテクノロジーの波に乗って今の地位を築いている

1–1 今までのテクノロジーの波が来始めたのはいつか?

1995年〜 初期インターネット
└96年 日本で初めてのポータルサイト「Yahoo! Japan」がサービス開始
└98年 Windows98 日本語版が発売されパソコンが普及・Google 創業(日本語検索は2000年開始)

1999年〜 ガラケー(この年‘i-Mode’が流行語)
└2000年 ITバブル(流行語は‘IT革命’)
└2002年 インターネット普及率が50%を超える

2007年〜 スマホ
└08年 iOSのApple Storeが、わずか500本のアプリケーションでスタート。日本でiPhoneが発売。
└12年 日本でスマホ保有率が50%を超える
└18年 Apple Storeでは過去10年間に1700億回のダウンロードがあり、消費者の使った金額は1300億ドルを越える。これまでのアプリ数合計は450万本以上(Tech Crunchより)

下のグラフは『総務省平成29年度版 情報通信白書』より引用した情報通信端末の世帯保有率の推移です。
2009年までスマートフォンのデータがないことは、スマホが売り出されはじめ、iPhoneが出てもなお、主流はガラケーだったことを象徴しています。
当時、「別にスマホいらなくない?ガラケーでよくない?ボタンある方が絶対速く打ち込めるし」という声で溢れていたのだと予想できます。

情報通信端末の世帯保有率の推移 (総務省平成29年度版 情報通信白書』より引用)

小さな波が起こり始めてから数年後にはそれが大きな波となり、テクノロジーが世界を飲み込んでいきました。今となってはインターネット・スマホがない生活はありえません。( ガラケーからスマホはデバイスの変化と言えます。)

1–2 有名なあの人達はこの波に乗って現在の地位を築いた

【メルカリCEO 山田進太郎さん】

今スタートアップ界隈において影響力を持つ人、尊敬を集めている人といえばメルカリの山田進太郎さん(1977年9月21日(40歳))でしょう。

上場するのでユニコーンではなくなりますが、サービス・人・カルチャー全てにおいて日本を代表するスタートアップです。(個人的に大好きな会社です)

そんな山田さんも大学入学時(1996年)ちょっとしたブームになっていたネットを使いはじめました。このちょっとしたブームというのが今のブロックチェーンと同じような感じだろうなと勝手に妄想しています。(この話はまた後ほど)

サークルでポータルサイト作りなどをした後、当時創業2年目の楽天でインターンとして、楽天フリマオークションの立ち上げなどに従事。
そして、2000年頃『映画生活』という映画サイトを開発。また、フリーでインターネット・サービスを丸ごと請け負い、様々なプロジェクトに参加したとあります。

このときはまだmixiもAmebaブログもGREEも、そしてWikipediaの日本語ページもなく、インターネット初期であると言えます。

山田さんは「僕はずっとインターネットが好きで、それに関わる仕事がしたかったんですね。」とキャリアハックの記事で語っています。

まさにインターネットが大きな波になる前で、まだ小さな波だった時(1996年頃)から、インターネットを軸にキャリアを形成され、そして日本を代表するスタートアップ企業、メルカリを創っていったのです。

もっと詳しい記事は2008年のこちらの記事にて掲載されています。10年前なだけあって写真もすごい若々しい笑

【けんすうさん】

「けんすう」こと古川健介さん(1981年6月2日(37歳))は、スタートアップ界隈で言わずとしれたエンジェル投資家・実業家です。
学生にTwitterで有名な投資家・起業家といえば?と聞くと、多くはけんすうさんの名前を上げるほど人気で影響力のある方です。

Twitterプロフィールにも「インターネットが好きです」とあり、インターネットには初期からハマっています。

1995,6年とかなり早いフェーズのときにホームページを作成、2000年には大学受験情報の匿名掲示板「ミルクカフェ」を開設しています。(慶應での講演にて)

その後、「nanapi」というHowtoサイトを運営、2016年にはハーバード・ビジネスレビューにて「U-40経営者20人」の1人にも選ばれています。

山田進太郎さん、けんすうさんは今影響力を持つ起業家の例として紹介しました。

僕らが尊敬するような先輩達はかなり早くからインターネットに熱中し、インターネットが世界を変えていく大きな流れに乗って今のポジションを築いてきたのです。

2, 僕らはインターネットの波に乗れなかった

けんすうさんがホームページを作ったとき、僕はまだ生まれていません。
山田さんがインターネットを好きになった年齢と同じ、大学生になりましたが、すでにインターネットは世界中を飲み込んでいる状況です。

山田さんやけんすうさんのようにインターネットの初期の波からインターネットに懸け、熱中してきた人たちは、すでに今20年近い経験があります。この点ではすでにコンサルティング業界やマーケティング界隈などと性質が似てきていると思います。

つまり、インターネット業界も年齢と経験が比例してきたということです。

その上(素晴らしいことに)、インターネット業界の4,50歳の人は比較的”若い”です。
新しいものを受け入れる柔らかさがあり、成長欲求を高く持ちます。
むしろ、インターネットの流れに乗ってきた彼らだからこそ、波の変化や技術革新に敏感だと言えるでしょう。

例えば、メルカリはR4Dというブロックチェーンをはじめとするあらゆるテクノロジーの研究開発をしています。
また、先日、僕も登壇させていただいた、若手ブロックチェーンコミュニティCryptoAgeによる大学合同勉強会(ミートアップ)もメルカリオフィスを借りて行われました。

新しいテクノロジーを積極的に学び、使っていこうという姿勢が現れています。

先人たちが年を経るにつれて、頭が堅くなるなら、変化に対応できず、それを受け入れ成長していく若い世代が頭角を現し世代交代が起こるはずです。

インターネット業界は経験のある大人たちが変化に対応し成長していくため、世代交代が起こりにくくなっています。
そのうえ、経験が浅い若い人よりもインターネットに精通し、初期の頃に得た影響力や人脈でレバレッジを効かせることができるのです。

だから、インターネット業界では、インターネット初期に熱中し、サービスを作り、長い経験を持つ人が第一線にいたまま活躍し続けています。

それでは、インターネットの波にも、ガラケーからスマホへのデバイス変化の波にも乗れなかった僕らはどうすればいいのでしょうか。

3, 僕たちは新しい波に乗るしかない

なぜか。新しい流れによってもたらされる世界は、今と異なるゼロベースの世界だから。みんながほぼ経験がないため、経験と年齢が比例していません。

今までのスキルも、考え方も全く異なる世界が、新しい流れの上では繰り広げられています。

僕は正直インターネット前のビジネスの世界がどうたったのかはわかりませんが、インターネット前後で全く異なる思考法になっているのではないでしょうか(もちろん本質的に変わらないものもたくさんあると思います。)

新しい波に乗ることで、今までの経験がなくても、ゼロベースで十分に第一線に立つことができると考えています。

4, 今”ブロックチェーン”という名の新しい波が来ている

これが僕ら若い世代がブロックチェーンに懸ける理由です。

ブロックチェーンは必ず来ます。

Gunosy元共同代表でBitflyerなどにかなり早い段階から投資をしている個人投資家の木村新司さんはイーサリアムの可能性をこう語っています。

ブロックチェーンが来る理由について、本記事と似た内容になりますが僕のルームメイトである渡辺創太(渡辺創太 / Sota Watanabe)が詳しく書いてくれています。

ブロックチェーンや暗号通貨に関する批判は掃いて捨てるほどあります。課題もたくさんあります。僕たち#ブロックチェーン世代はそういう批判の声にむしろわくわくすることがあります。

「本当にブロックチェーン使う必要あるの?インターネットでよくない?」という批判は

「本当にインターネット使う必要あるの?紙媒体でよくない?」とインターネットが広がる前も同じような批判にあってきたんだろうな、と勝手に想像し、そのたびにブロックチェーンの可能性への確信を強めています。

5, ようやく僕らの番だ

6, 終わりに

2000年前後のインターネットのように、これから新しい流れが来て、全く別の世界に変わっていくという期待感をブロックチェーンに感じているため、僕らはブロックチェーンに懸けています。

ただし、「次来るから」とイナゴのようにブロックチェーン領域に身をおいているわけではありません。

ここからは僕の解釈ですが、僕はブロックチェーンにより実現する新しい世界観が好きです。ブロックチェーン、クリプトエコノミーにより

全ての人に平等にチャンスがあり、
正しく報われる世界

が訪れると思っています。

非中央集権で組織は動き、個人がもっと活躍しているでしょう。
そして、良いことをしている人が報われる世界になっているはずです。

例えば、国の医療費削減かつ本人のためにも、予防医療は有効でいい行いであるのに関わらず、保険対象外なため、いいことをする人がわりを食う仕組みになっているという現状があります。

ブロックチェーンや暗号通貨による、コミュニティの利益になることをした人には正しい報酬が支払われるという世界観そのものが好きであり、その実現に胸を踊らせています。

僕は、これからもっとブロックチェーンに懸けていきます。

自己紹介
石川駿です。Dapps作ります。Twitterフォローお願いします!

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