備えよ!ETH Merge

Watacchi
CryptoKudasaiJP
Published in
13 min readAug 5, 2022
https://ethereum.org/

ETHがマージして、POWやPOSがなんとかする??9月にくるらしい?

そういう話をチラッと聞いたことがあるけど良くわからないや、という人も多いかもしれません。そこで今まで似たようなイベントと比較し、何が予想されるのか、何が出来るのか、という検討をしてみます。

POW, POSとは何なのか?

POW: Power of Work とはアルゴリズムの一種であり、ビットコインや現在のETHが採用しているものになります。CPUに計算を行わせ、それの処理量によって報酬を与えるアルゴリズムとなっています。

POS: Proof of Stakeとは対象コインの保有量や保有期間(Stake)によって報酬割合が決定されます。

元々、Ethereumは2015年にPOWでローンチしましたが、エネルギー効率の良いPOSに移行するというビジョンを掲げており、ついに今回POS移行が行われることとなりました。

それにあたり、2020年12月1日にビーコンチェーンがローンチし、それが統合(Merge)されるのが今回、ETH mergeというイベントです。参照

Mergeが起きるとETHがどうなる?

https://ethmerge.com/

Megeが行われると、ETHはPOSにアップデートされます。(上記画像)
それに当たり、各ノードもPOSに移行すると考えられますが、元々のPOWで動いていたノードがアップデートを拒否し動き続けるとどうなるのか。

POW自体は別で動き続け、本流のPOSで動くEthereum(以降posE)とPOSで

動くEthereum(以降powE)が同時に存在する状態になると考えられます。ここで本流派が十分多く、POW?ゴミじゃん!となりPOWが無視できる派閥になってしまった場合、powEが誕生する事はなかった可能性がありましたが・・・?

お金の臭いがするところには悪い人がたくさんよってきます。

現在、powEの筆頭に立っているのはChandler Guo(Twitter) で、この人はETCの筆頭指示者ですね。

煽る
そしてまた煽る

powE official サイトも立ち上げています ; https://ethereumpow.org/
そしてツイッターではPoloniexが powEをサポートすると。

さすがJustin Sun

ということで、大御所や取引所が声明を発表し始めたので二つのETHが生まれる可能性はかなり高いのでは?と考えられます。
(悪い大人が利益をあげるため無理やりにでも行う可能性も)

歴史に学んでみる。

OMG, BOBAそしてBCH
2021年11月12日 $OMGホルダーに$BOBAがエアドロップされるということで、取引所での現先ポジションが流行りました。(現物を保持し、エアドロを得つつ、期限付き先物でショートを行い、価格変動ロスを減らす)このとき、現物と先物の乖離は徐々に広がり、約30%ほど乖離したところで終了しました。

次に、BCHです。BCHも2018/11/15に大きなフォークを迎えています。

RogerVer, Bitmain, Binance, Coinbase に指示されたBCH ABC

Craig Wrightに指示されたBCH SV (2019/4/15 binance delist)

BCH→ BCH ABC(存続) + BCH SV(消失) となったわけですね。

ここでも真っ先にフォークに対応するよ!と宣言したのがPoloniex。

先物トークン市場をローンチしています。怪しいですね。今回も。ニチャァ。

その時の対応状況がこちら。

https://blog.goodaudience.com/bch-nov-18-hard-fork-exchange-summary-52cb800bfc38
価格的には事実売り感の強いチャート。

ETH mergeが失敗しない限り(ほぼないだろう?)本命がposEで、それにpowEがエアドロされる、というところはOMGに近いが、取引所の対応はBCHに近いんじゃないかなあーという印象を受けています。

どのようなトレード戦略が考えられるのか。

・現物ガチホでposE, powE両方もらうぜ!

対応取引所またはMetamask等のオンチェーンウォレットでETHを保管し単純に両方もらう作戦。リスクはフォーク後に事実売りで損してしまう可能性や事前のETH価値変動の影響を大きくうけてしまいます。簡単。

・ 現先ポジションを組んで価格変動リスクを抑えるぞ!

現物を上記同様にガチホし、それにペアとなる売りポジションを追加して現物の価格変動リスクを抑えます。この際に無期限先物を使用すると資金調達手数料が発生し、加熱してくると手数料が大変なことになるため手数料がかからない先物を使用する必要があります。その際に有用なのが期限付き先物です。ETHUSD0930, ETH1230等。
$OMGから学ぶように、マージが近づくとこのポジションを取る人が増え期限付き先物が売られ、現物が買われるため、期限付き先物↓、現物↑で乖離が生じます。8/5現時点で 現物1665ドル、0930ETH 1661ドル、1230ETH 1640ドルになっています。つまり、現在ポジションを持っている人はどうやら1230でポジションを組んでいるんでしょうね。0930は乖離が少なく、人気がないのは万が一マージが延期した場合を考えてだと思います。最終的にこの差が広がれば、ポジションを決済して利益をとることもできますし、powEを受け取ってから決済でも良いかと考えられます。

PoloniexがIOUでpowEのトレードを開始した場合(すると思われる)、それとのバランスで決済タイミングを考えてもいいかもしれないですね。

・DeFi(もしくはCEX)でETHを借りてpowEもらうぞ!

Lending protocol やCEXにETH以外の担保を預け、ETH現物を借りそれでpowEを受け取ります。リスクとしてはDeFiならProtocolリスク、両者に共通するのは変動金利はフォーク前に爆上げすると思われるので利益が相殺される可能性があります。安いうちに固定金利で借りれたらいいですね。

・金利スワップを駆使して金利で勝つぞ!

ETH merge 後、ETH staking の予想APYは様々(現時点では数%)ですが、それが上昇する(例えば10%-20%)になると予想するなら、現時点で固定金利でETHを調達し、変動金利で貸し付ければ鞘が生じて利益を得ることが可能です。

・Lido ETHを買って鞘で勝つぞ!

現在は、Mergeが終わるまで出金できずpowEももらえないため、50ドルほど安く取引されているLido-ETHですが、merge直後に購入すれば、powEをもらいつつ鞘をゲットできる可能性があります。

・IOUトークン鞘で勝つぞ!(追記)

盛り上がるトークンに付き物なのがIOUトークン。取引所それぞれが勝手に先物を上場しトレードを開始させます。マイナーな取引所で行われることが多いため鞘が生じる可能性も・・・?

他にもいろいろあるでしょうね・・・・

上級者?向け。powEをあえて買う。

これに関してはBitMexが記事を出しています。僕は個人的にやってみたいと思っているので紹介します。
https://blog.bitmex.com/ethpow-vs-eth2/

以下ストラテジー部分だけ引用します。

多くのEthereum maximalistsはPoSへの移行を強く支持しており、そのためETHPoWを嫌っています。そのため、彼らはETHPoWチェーンが早く死ぬことを望んでいるのかもしれません。

そして、この上に次の層の思考があります。Ethereum maxisは、実際には(やや変態的に)少なくとも少しの間、ETHPoWチェーンが生き残ることを望んでいるはずで、そうすれば彼らはETHPoWコインを市場に捨て、さらにETH(または米ドル)を得ることができるのです。そうすれば、ETHPoWが今後数年間でゆっくりと死んでいく前に、彼らが「愚かな」ETHPoW支持者と考える人たちからお金を稼ぐことができるのです。したがって、多くの人が手持ちのETHPoWをできるだけ早く売ろうとし、価格が弱含みになる可能性があります。

しかし、ちょっと待ってください・・・この上にもう1層、3層目の考えがあります。実際に誰もが(Ethereum maxiであろうとなかろうと)やるべきことは、マージが発生したら、できるだけ早くETHPoWを購入することです。以下、説明しましょう。

ETHPoWの購入競争

ETHPoWをETHで売るためには、合併後に中央集権的な取引所がETHPoWをサポートするのを待つ必要があります。FTXやBinanceのような中央集権的な取引所は、商品の発売は早いかもしれませんが、ETHPoWの預金をサポートできるようになるまでには、少なくとも数時間から数日かかるかもしれません。どんなに準備が整っていても、ETHPoWのハッシュレートとブロックタイムは不安定になる可能性が高く、二重消費攻撃から身を守る必要があるのです。

一方、理論的には、マージが発生すると同時に、オンチェーンの分散型取引所でETHPoWを購入できるようになるはずです。ETHPoWに対するあなたの見解がどうであれ、このコインがETHPoWチェーン上の他のすべてのERC-20コインよりも良い賭けであると思うのは確かでしょう。

今日のイーサリアムのコインのいくつかを見てみましょう。

ETHPoWのUSDc — CircleがETH2を選択するため無価値であり、上記で説明したようにコインは償還されない。

ETHPoWのUSDT — また、無価値です。

ETHPoWにラップされたビットコイン — カストディアンがETH2を選択するため価値がなく、コインはしたがってビットコインと交換することができません。

BNB on ETHPoW — BinanceがETH2を選択するため、再び無価値となる。

ETHPoW上のUniswap — ETHPoWチェーン上のトークンの長期的な生存率に疑問がある。このコインはおそらくETHPoWよりも早くクラッシュするでしょう。

ETHPoW上のstETH — このチェーンにはステーキングがないため、これらのコインは上記のように無価値になる可能性があります。

ETHPoWチェーン上の他のすべてのERC-20トークン — ETHPoWチェーン上での価値は非常に限定的であると思われる。

したがって、中央集権的な取引所での取引が可能になる前に、実際には、できる限り多くのETHPoWを購入することが最良の戦略であるかもしれません。その後、中央集権的な取引所での取引が可能になったら、ETHPoWを売ればいいのです。これは、ETHPoWのフリーコールオプションのようなものです。

マージ・トレーディング戦略

このような潜在的な争点となりうるチェーンの分裂と同様に、イーサリアムのマージはエキサイティングな取引機会を提供する。リスクなし」の取引アイデアとして考えられるのは、以下の通りです。

マージ前に、ご自身のイーサリアムウォレットですべてのUSDをUSDcに変換してください。

マージが発生したらすぐに、ETHPoWチェーン上のUSDcをUniSwapやCurveなどのオンチェーン分散型取引所でETHPoWコインに売却してください。

中央の取引所がETHPoWの預金を可能にしたらすぐに、すべてのETHPoWをUSDで売却してください。

プロフィット!

上記の取引を行うと、ほぼゼロリスクでより多くの米ドルを無料で手に入れることができる可能性があります。価格変動など特定の種類のリスクのみを考慮すれば、リスクはゼロです。

もちろん、実際には上記のようなトレードを行うことは非常に複雑でリスクが高く、管理しなければならない問題もいくつかあります。

このチャンスを生かすために競争が起こるかもしれないので、迅速に取引を行う必要があります。ETHPoWを販売する流動性プールはすぐに枯渇してしまうかもしれません。

カストディアンを使用せず、自分自身で鍵を管理する必要があります。サードパーティのカストディアンがERC-20コインをETHPoWでサポートすることは、分割後すぐにはないでしょう。

分散型取引所とやり取りするために使用するインフラは、マージをサポートし、ETH2でのみ動作する可能性があります。したがって、独自のイーサリアムノードを実行し、ETHPoW上の取引所のスマートコントラクトと直接対話する必要があるかもしれません。これは一部のトレーダーにとって非常に複雑かもしれませんが、この難しさこそが利益を上げるチャンスが生まれる場所なのです。ETH1での分割の前に練習しておくといいかもしれません。

USDcの売り/スワップ注文がETH2チェーン上でリプレイされないようにする必要があるかもしれません。分割スマートコントラクトを作成する必要がある場合があります。

流動性供給者はこの潜在的なリスクを認識し、合併前に、あるいは合併後速やかに流動性を引き揚げる可能性がある。しかし、流動性プロバイダーによっては、わざわざこのようなことをせずとも、機会を作ってくれる可能性もある。

多くのDefiプロトコルは価格オラクルに依存しており、これらがチェーンのETHPoW側をどのように処理するかが明確でない場合があります。

結論

イーサリアムのマージポイントで発生するチェーンスプリットは、2016/17年時代への楽しい回帰となりそうです。ETHPoWが直面する技術的な課題は多くありますが、チェーンが存続する限り、このコインの周りにポジティブな物語が生まれる可能性があり、主要な中央集権的取引所がこれを上場させる可能性が高いようです。暗号の世界はまだ物語とノイズが大部分を占めています。ETHPoWは多くの興奮を生む可能性があり、少なくとも別の興味深い動きが現れるまでは、分裂後のETH対ETHPoWは人気の取引ペアになると予測しています。ゲームが始まりますように

つまり、BitmexもマネーゲームとしてのETH mergeを支持しているんでしょうね。

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