もう…ワケわからん!

先週、ランチで近くの蕎麦屋に行った時の話。

いつものように蕎麦を頼もうとすると、おそらく新人と思われるパートさんが出てきた。オーダーを取る前から若干挙動不審で、明らかに慣れない雰囲気を醸し出している。

「粗挽きのざる蕎麦をください。」

と、オーダーすると、、

「え、どれのことですか?? えーと、、ちょっと待ってください…」
「#$@蕎麦ですか!? いや違う、@*蕎麦??」

と、尋常じゃなくテンパるパートさん。注文する側の僕は何度もこの店に来ているので、今となっては慣れてしまっていたが、、確かにこの店、メニューがめちゃくちゃ多いのだ。そして何より、ざる蕎麦だけで数種類あるなど、似たような名前のものが多すぎる。確かに新人やったらこれ覚えるの苦労するやろなー…という感じだ。

1分くらいテンパっていたところで、ベテランのパートさんが現れる。

「いや、違うわよ。粗挽きのざる蕎麦でしょ。」

と、なんでアンタこんなのもわかんないの?みたいな感じで冷たくあしらわれ、、落ち込む新人のパートさん。

そして、あのパートさんかわいそうだなー。でも仕事だから仕方ないよなー。なんて思いながら、運ばれて来た蕎麦をすすりながらふと気づく…

「あれ、これってうちの会社も同じかも。」

そう、特に僕が少し前まで働いていたマーケティングについての教材を販売する部門では、これと同じような問題が起こっていた。マーケティングの商品は、市場がだんだん成熟するにつれて、またうちが市場を開拓をするにつれて、、どんどん似たような商品を扱う競合。アプローチをする競合が増えて来た。

社内でも、いろいろなクライアントの商品を扱うにつれ、いつの間にか増えていく商品数。その結果、気づけば「集客法」だけでも膨大な数の商品が出来上がっていたのだ。僕の立場からすれば、ある程度最初の方から商品を知っているし、何よりも好きなので、大体のものを把握している。

しかし、、新しく入ってきた人には、そうはいかない。

新人:「〇〇集客法と、△△集客法、これどっちも一緒っすよね?」
ベテラン:「いや、何行ってんの? 全然違うし。〇〇は〜〜だから、△△とは違う売り方をしないといけないんだよ。考えたらわかるでしょ?」
新人:「は、はあ…(いや、どれも変わらんやん)」

みたいな感じ。笑 また、これだけ商品が多いと、人によって言ってることが違う。なんてことも稀にあったりと、、さらに混乱を極めることになり、いくら優秀な新人を入れても右往左往… 全然実力を発揮できない… なんてことが起こってしまう。

コンテンツビジネスなので、飲食店とはまた勝手が違う部分はあるが、、これというのは蕎麦屋に限らず結構あるあるじゃないだろうか? なんか売れるか売れないかわからんメニューが何十とある飲食店はザラにあるし、、僕が新卒で入った銀行は最初に覚えることになる「住宅ローンの繰上げ返済」という仕事が複雑すぎて全然覚えられずに死んだ。

保険も20種類、投資信託も30種類くらい銘柄があって、ぶっちゃけ何が違うのかよくわからなかった。でも、対応できないと40歳くらいのベテランの女性社員にチクチクつつかれ、お客さんを待たせまくって怒られたりと、、早稲田や慶應など、めちゃくちゃ優秀な奴らが無駄に消耗させられていたのを覚えている…笑

なので、うちで出ている「Simplify」のように、できる限りビジネスをシンプルにすることに威力をしみじみと感じているんだけど、、そのすごさをさらに強めてくれる事例に出会ったのでここでシェアをしたいと思う。

15年で1万店 超スピード成長を遂げたビジネス

ちょうど今、グロービスに通っていて、フィットネスクラブの「カーブス」のビジネスモデルの事例が出てきたんだけど、、これがめちゃくちゃ素晴らしかった。

知らない人のために軽く説明すると、、カーブスは、女性専用のフィットネスクラブとしてアメリカで誕生。そこからわずか15年程度で世界80カ国に進出。1万店を超えるフランチャイズの店舗網を持つなど、驚異的なスピードで成長し続けている。日本では約10年で1791店舗。会員数は80万人を超えたらしい。

もともと創業者のゲイリー・ヘイヴィンが自分の母親を40歳という若さで亡くしているんだけど、その原因が過度の肥満による高血圧。医者による大量の投薬を受け、薬漬けになっていたみたいで、「あの時の自分に運動療法の知識があれば、母親を救えたかもしれない。」 その後悔から、、「母親は救えなかったけど、この知識があれば、同じように肥満や不調に苦しむ女性を救うことができるかもしれない。」と、「女性専用」にこだわったフィットネスクラブを創業した。

アメリカは世界一の肥満大国というのもあるんだけど、創業者のこのような原体験があるからこそ、できる限り安い値段で、多くの人にサービスを届けなければならない。そうしないと一人でも多くの人を救えない。という想いから、とにかくビジネスをシンプルにして、誰でも利用でき、かつ拡張できるように考え抜かれたものになっている。

トレーニングメニューは1種類のみ、価格は大手の半額

具体的には、、店舗の広さはおよそ40坪。円形に連なる12台のマシン。(安全性や強度をターゲットの女性に合わせてあらかじめ調節された、カーブス独自開発のマシン)トレーニング内容は全て固定で、30秒のインターバルをとってマシンを2周。トータル30分で終了。店舗にはシャワーもなければロッカーも、鏡もない。会員はいつ来てもOKで、どのマシーンからでもスタートできる。

価格もシンプルかつ、大手の半額程度の5000円台。通いやすいように商圏は自宅から徒歩or車で5〜10分ほどのエリアにしか出店をしない。 なので、お客さんはとても通いやすく、無理なく運動を継続し、健康を維持できる。

ビジネスがこれだけシンプルなので、たとえ新しいフランチャイズのオーナーでも、スタッフでも、1日あれば覚えられる。

だからこそ、新しく入るフランチャイズのオーナーにはまず半年かけて徹底的に”理念”の共有を行い、その後の半年で店の集客方法や損益計算書の作り方まで、さらに半年間かけて学んでもらうなど、教育を徹底する余裕が生まれる。その結果、驚異的なスピードでの成長が実現しているばかりか、これだけ短期間で大量に出店を行なったとしても、足元が崩れることなく安定した運営ができているんじゃないかな。

と、図らずとも蕎麦屋のパートさんの話からこんなとこまで広がってしまったけど、、笑 今日の学びは、シンプル化はビジネスにおいてやはり重要だということ。

特に僕たちは「知識」という、カーブスにも負けないくらい顧客の人生を劇的に変えることができる素晴らしいものを売っている。だから、1人でも多くの人の手に渡るように、この知識を届ける責任がある。

そこで、障害になるのが複雑さになる。知識においても、複雑なものはお客さんも使えない。従業員も混乱し、なかなか思うように広げることができない…

これはとても簡単のように思えるけど、人間の性質として、相当意識をしないと、どうしても物事を複雑にしようという力が働いてしまう。そこを基本に立ち返って、シンプルに保つにはどうすればいいか? ということを問い続けることを習慣にしなくてはいけない。そんなことを、このカーブスの素晴らしいビジネスモデルの事例を見て、改めて認識した。

”「シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしいときがある。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。」”
By Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)

やっぱビジネスって面白いなー!

萩原 敬大

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