AIで自分の仕事はなくなるか?

萩原 敬大
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Published in
7 min readJun 11, 2018
AIで49%の仕事はなくなる?

最近、AI・人工知能関連を本を何冊かまとめて読んだ。整理も兼ねて、そこでの気づきをシェアしようと思う。

AIで49%の仕事はなくなる?

世間では、AIによって、今日本にある仕事の49%はなくなると言われている。例えば、レジや事務などの単純作業。銀行の融資担当者、士業などなど、、

これを聴くと、なんかAIに対してネガティブなイメージが湧く。さらにはAIが進化して、いずれは人間を支配するんじゃ… なんて心配する人もいる…

しかし、専門家に言わせると、、これはちょっと見当違いみたい。どうもAIに関しては、そんな話ばかりが先行していて、みんな正しく認識できてない。誤解してる人が多いと言う。

まあ確かに、事実として49%の仕事はAIに代替される。でも、一方で51%の仕事はなくならないわけだから、そう悲観的にならずに、まずは可能性の方に目を向けるべき。AIといえども結局は機械。人間が持っているような高度なコミュニケーション能力や、感情を読み取って行動を起こすといったことは不可能。たとえ49%が代替されても、人間にしかない価値を見出し、磨いていけばいいだけ。きっと新しい仕事や雇用の機会は生まれるだろう。

そして、その上で、専門家が口を揃えて言うのは、

結局、AIといかに共存するかがポイントだということ。AIに乗っ取られるとか、未来永劫人間がいらなくなるとか、、そんなわけはない。AIを利用して自分の仕事の生産性を上げればいいのだ。

これができれば、、単純労働から付加価値労働にレベルアップできる。すでに知識労働をしていた人は、今までやりたくてもなかなかできなかったこと。もっと付加価値の高い仕事だけに集中して、もっと高いフィーが取れるということだ。見方を変えれば、これは完全にチャンスじゃないだろうか。結局のところ、僕たちがこのテクノロジーの変化をどう捉え、どう行動するかで、未来はいくらでも良い方向に変えられるということだ。

AI・テクノロジーを利用して
生産性が大幅に上がった事例

では、実際にAI、テクノロジーを利用して生産性を大幅に上げたいくつかの事例を紹介したい。

1つ目は、、測量。

街でたまに見かけるアレ

測量といえば、見たことがあるかもしれないが、、何人かの作業員が三脚みたいなのと、メジャーを持って、手作業で測っているアレだ。昔、銀行員だった頃の取引先に測量屋さんがいたが、1つのプロジェクトにかかる期間は数ヶ月と、いかにも効率が悪そうな仕事の代表例だ…

その測量だが、今はAI・ドローンの登場で、大幅にスピードアップしている。

なんと、ドローンを使った3D測量では、従来10人の人手を使って1週間以上かかっていたプロジェクトが、たった1日。。 100haの広さが1日で測れてしまうらしい…(東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた広さが、ちょうど100haくらい。すげえ…)

山間部や森林部など、人が立ち入れない場所も測量が可能で、さらに、これまで数百万円かかっていたコストも1/5くらいでできるそう。

もちろん、こういうのが出てくると、従来通りの測量を続ける人の仕事はなくなっていくだろう… でも、従来の測量の技術・知識や経験が全く必要なくなるわけではないので、一部の先進的な測量士は、いち早くこれを取り入れてビジネスを進化させている。今まで撮影ができなかった場所など、より高度な仕事で付加価値をつけている。

そして、2つ目が、、弁護士事務所。

これは意外かもしれないが、高度そうに見える弁護士、司法書士、税理士などの士業の業務は、実はAIによって代替しやすい仕事らしい。なんでかというと、過去の判例が膨大にあって、非常に整理されたデータがあること。正確性が要求されるため、そのデータに間違いが少ないことから、AIがとても覚えやすく、向いているからだそう。

なるほど納得だが、、アメリカの弁護士事務所の中で、AIのポジティブな面にいち早く目をつけた優良な事務所(特に大手)では、すでに導入が進んでいる。

(書籍:「大予測 次に来るキーテクノロジー2018–2019」より転載:)

法務の基本的な業務に、リーガルリサーチというものがあるそうだが、従来は、ファイル数にすると数万〜数百万にもなる膨大なドキュメントを人が閲覧して選別…パラリーガルなど、複数の人手が必要で、数週間から数ヶ月かかる場合もあったそう。さらに人間がこれだけ単調な作業を長いこと続ければミスも起こ理、、尋常じゃない大変さだあった…

しかし、AIのシステムを導入することで、今まで大変すぎたこの作業が、あっという間に終わる。AIは休む必要もなく単純作業を続け、数週間かかっていたものが、下手したら数分で終わるらしい。笑

数週間かかっていた作業が、数分で終わるのなら、どれだけの時間が浮くだろうか。浮いた時間でもっと付加価値の高い仕事に取り組み、もっと高いフィーをもらうことができるはずだ。

しかし、きっとこれまで付加価値をつけるような仕事ではなく、こういっためんどくさい事務作業を代行しますよー…という部分で売っていた弁護士事務所は一気に淘汰されるだろう。

なくなる49%の仕事に留まるか
それとも新たな変化を味方につけるか

AIの登場によって、本物とそうでない人の差が如実に現れる。実力ある人がもっと高い付加価値を提供して、もっと稼げるようになり、そうでない人は消えていく。考えてみれば、極めて健全な状態になるんじゃないだろうか。

残酷かもしれないけれど、これは仕事を頑張っている人の側からしても、サービスを受ける顧客側にしても、どちらもハッピーだ。

だから、AIだけにとどまらず、新しいテクノロジーが出てきた時。変化が求められる時には、、古いやり方にしがみつくよりも、それをポジティブに受け入れる。そして、自分のスキルを上げて、さっさとそれを利用する側にならないといけないな…と、今回いくつかの本を読んでみて、つくづく感じた。

こう考えるのって、そんな簡単じゃないかもしれないけど、まあ単に仕事がなくなるー… こわいー…と嘆いて何もしないで手遅れになるより、はるかに安全だろう。

なくなる49%の仕事に目を向けるか。それともなくならない51%の仕事や、テクノロジーによって、新たに生まれる可能性に目を向けるか。やっぱり全ては自分次第だ。

萩原 敬大

PS.
僕らの業界でいうと、広告運用なんかAIでかなり変わっていきそう。しっかりとアンテナを張っていかなければ。

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