私を苦しめたコロナウイルスに感謝したい 【起業家の不謹慎な思い】

死は生命の発明というスティーブ・ジョブズの言葉は正しかった

何が起きたのか

私と妻はコロナウイルスに感染し、4月に3週間入院しました。

私は弊社ジェニオの資金調達の真っ最中で、

すべての投資家さんのアポを一時停止にせざるを得ませんでした。

高熱と止まらない咳が起こり、

人工呼吸器や集中治療室で使うECMOの使用に同意しました。

妻は私の死を覚悟しました。(実際半分くらい可能性あったかもです)

しかし、幸運なことにコロナは治り、退院しました。

その後の心境の変化

  • スティーブ・ジョブズは、死のコンセプトこそ人生を発明するものだと語りました。この2015年のスタンフォード大学のスピーチは真実であり、私はそもそも何の為に生きているか、より深く考えました。
  • まず、弊社の事業が世界に大きく貢献していなかったので、とても恥ずかしくなりました。もっと苦しんでいる人を救う、インパクトの大きなビジネスをしなければならない。私は以前の100倍大きなビジネスプランを構想しています。以前より大胆で野心的になったと思います。
  • 事業をやるからには私は10兆円を稼ぎ、9.99兆円を世界を変える社会的起業家や慈善事業に寄付したいと思うようになりました。今年コロナに関して私がその様に立ち回るのは会社が小さいので不可能です。本当に恥ずかしく思っています。本来なら私は匿名で、タイガーマスクやキアヌ・リーブスの様に、世界中にマスクと医療ガウンを配りまくるべきです。でも会社がまだ成功していないからそれができない。歯がゆさと劣等感しかありません。
  • シリコンバレーでは”スタートアップ創業者はゴキブリの様であれ”と言われています。その通りだと痛感しました。私にはゴキブリの様なたくましさが全く足りませんでした。ゴキブリほど逆境に強い生物も珍しいです。会社もゴキブリ的に、逆境に強い会社になれる様経営を再構築しています。たとえ核戦争がきても、弊社は生き残れる様にしたいです。

(もっと言えば、右のスーパーゴキブリの様になりたいものです)

  • 私とCFOはコロナ感染・その後の不景気の間も懸命に動き回り、6000万円の資金調達を完了させました。ラッキーな事に日本政府は、コロナウイルス対策で中小企業支援の貸付パッケージを立ち上げました。弊社はその全てに申し込みました。銀行残高から計算して、弊社は売上がなくても24か月生き残ることができます。(米国ではこの計算方法=残高/月経費 の事をランウェイ、つまりスタートアップの寿命と言います) 私はP/L(損益計算書)を中心に考えていましたが、危機でもっとも大事なのはB/S(貸借対照表)であることを学びました。極論、月経費が100万円の会社は、銀行残高が1.2億円あれば、売上ゼロでも10年間生き残れるのですから。このB/Sならアフターコロナの好景気チャンスは確実に掴めます。
  • 私の今の目標は疫病・気候変動・ヘイト・人種差別など、すべての人類の重要課題を解決する会社になりたいと思っています。私なりに全てのテーマに貢献するアイデアがあります。小さな金儲けには全く興味がなくなってしまいました。私個人の事はどうでもよくなりました。世界を良くしたい、その為に全身全霊をかけてプロジェクトを大きくしたい、と本気で思う様になりました。

感染体験の詳細

私の肺のレントゲン写真のコロナの影を含め、

長いブログを書いています。

https://bit.ly/2CzNzYI

生物学的見解

歴史上、ウイルスは生物を脅かすとともに、生命体に刺激を与え、進化を加速させ、結果としてより強くしているという科学者の見方もあります。人類も社会も、進化するときには逆境が必要かもしれません。

数学的な見方

逆正弦定理、という確率論の考え方が存在します。

コインの表裏、という50/50の確率の単純なゲームでさえ、

表と裏が均等に代わる代わる出やすいという現象になる事は少なく、

表が多く出たり、裏が多く出たり、といった現象が多い、

という直感に反する事象が起きます。

コロナの場合は、因果関係もあるので波及して世界全体で悪い現象(経済含む)がドミノ式に起きているわけですが、

悪い現象が続けて起きているからといって、

良い現象がもう起こらないと諦めてしまうのも良くないと思います。

なぜならギャンブル(拡張して考えると物理事象一般)に負けるときは負けが続くことが多い、

という確率論の法則があるのですから。

むしろ悪い現象の連続を切り抜けたら、

それが永遠に続く事はなく、

その先には良い現象が連続する”場の流れ(麻雀的な表現)”があると思われます。

逆境では必死にサバイバルに努め、

したたかに良い流れが来るのを待つ、

というのは正しい心の持ちようかもしれません。

第二次世界対戦中の英国首相・チャーチルは”明けない夜はない”と言って、ナチスドイツとの苦しい戦い中も国民を鼓舞しました。

ゲームに負け続けているときは、

夜は長く感じるかもしれません。

でも気持ちで負けてはいけないと思います。

なぜなら負けが続きやすいのと同様に、

勝つときは勝ちが続きやすいことも、

宇宙の法則である数学で決まっているのですから。

最後のメッセージ

コロナウイルスに、敢えて有難うと言いたいと思います。

あなたは私を殺そうとした後に、

私と私の会社を強くしてくれた気がしています。

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