不妊治療フェーズ2 + AI的な考察

女性視点+男性視点あれこれ

Photo by Minnie Zhou on Unsplash

我々夫婦は、2014年から明るい不妊治療を続けてきて、途中不妊治療メディアUMUさんにも取り上げていただきました。

http://umumedia.jp/2017/02/22/ishii/

二人とも超楽天家であり、

子供はどう考えて大好きであり、

また、ラッキーな事に妻のメンタルは超絶安定しておりましたので、

大変な場面は確かにありましたが楽しく戦ってこれたと思っています。

46歳の作戦変更 & 5年で1000万円の投資

妻も先週46歳となり、

卵もこの5年間で取り切った感があるので、

いままでは最もコストが高く確実性の高い顕微授精に絞って取り組んできましたが、

これからは下記を多面的に分析して、

かつ色々なルートを並行して進め、

一番うまく行く方法に最適化していこうという計画です。

A) 不妊治療はタイミング療法などコストが安い軽めの手段に切り替え

B)特別養子縁組(行政系は児童相談所経由、民間系はNPOフローレンス経由)

C)卵子ドナー(タイか台湾を調査)

D)代理母(タイか台湾を調査)

とはいえ、私もスタートアップを経営しており、

日本をなかなか離れられないので、

当面は2番目の特別養子縁組中心に取り組むと思います。

5年間の総括ですが、1周期(=生理のサイクル)30–40万円ずつ医療費を使ってきましたので総計1000万円くらい使いました。妻が3ヶ月以上妊娠したのは1度だけなので、高いといえば高いですね。後悔は全然ないですが。

お世話になったクリニック;順天堂大学、北里大学、岡山大学、大崎はなおか

3年前は弊社のTeam AIも十分立ち上がっていないので、各クライアントの業務委託契約を10社ほどかけもちし、走り回ってお金を稼いで 、なんとか高額医療費を捻出していました。今となっては良い思い出です。ハッスルすれば何とかなるものです。

https://medium.com/jenio-inc-blog/design-thinking-for-startup-338820e40786

男性的なロジカルシンキング

赤ちゃんは女性のお腹から生まれてくるものなので、エモーショナルな面も含め70%は女性主導で意志決定すべきだと思います。

女性目線の相性の良い不妊治療クリニック選びは特に大事です。

他方で、予算やスケジュールの最適化という意味で、男性もしっかり後方支援するべきだと思います。

女性の右脳的納得、男性の左脳的納得は両方大事だと思うのです。

医療経費の投資に対して赤ちゃんを得るから、金融商品みたいなものだよね、というと炎上しそうですが、不妊治療は不確実性が高く、数学の確率論の分野であることは間違いないので、冷徹に数理最適化をする姿勢も大切だと思います。

強引に数理モデル化するならば;

(卵子の状態 p) x (子宮の状態 q) x (精子の状態 r) x (クリニックの技術 s) x (その他要因 t) x ( 神が決める運 u) = (その周期の妊娠確率 v)

5年間を通じた我々の統計データからわかったことは”神が決める運 u”のブレ幅が非常に大きい、という物です。これはざっくり言うと、不妊治療はカジノのルーレットでギャンブルしているのとあまり変わらないことを意味します。

上記は極論ではありますが、逆にいえばこの”運の要素がすごく大きい”という事を理解する事によって”クリニックにより異なるコストをしっかり複数調査して、最適技術最適コスト(=コストと成功確率のバランスが取れている)クリニックを選ばないと、お金が続かない可能性がある”という視点に立つことができ、より現実路線で不妊治療の予算組みができると思うのです。

Softbankの孫さんはくじ引き理論を推奨しており、つまり”ビジネスの成功・非成功は単純に運の要素が強いので、だったらビジネスはくじ引きだと割り切って1回のくじ引きのコストが最安値の戦略を取ろう”という物です。不妊治療もくじ引きなんですよね。

不妊治療の闇

上記をなぜ申し上げたかと言うと、不妊治療は医師にとって儲かる分野らしく、実際に私たちが面会したクリニックの中にはビジネスマインドありありの医師もいました。

問題は、そういった商売っ気のありすぎる不妊治療クリニックが、患者の意思決定者が文系女性である事につけこんで、難しい医療用語で丸めこもうとするというか、”当クリニックでしかできないXXX技術によって他よりずっと妊娠する可能性が高い”という触れ込みで営業している点かと思います。当然そういった営業色の強いクリニックは1周期100–200–300万円もしてとても高いので、そういった根拠も説明も甘い独自技術を妄信的かつ宗教的に信じてしまった主婦が超高額医療負担を一部でしてしまっている状況は気の毒だと思うわけです。

私たちが訪問した某クリニックも独自技術が自慢でしたが、料金表を見せてと頼むと、”そんなものはない!失礼だな。”と怒られました。いやいや、銀座の寿司屋や新橋のぼったくりバーじゃないんですから。。

また、私のいるAI業界的な見方をするならば、”独自性を打ち出すのは確かに立派に見えるが、場合により一般流通している古めの技術が患者のお財布に優しく・かつ結果もそこそこ出やすいならばそのソリューションが最適である。逆にいえばそのお財布に優しい技術を隠して高い技術を、説明責任を果たさず営業で売ろうとするのは、やはりぼったくりじゃないか”ともアナロジー的に申し上げられます。

ですので、出産は神聖な物なので打算的に考えるべきではないという考えは全く正しいと思うのですが、一方でロジカルシンキングや確率的・科学的検証はあった方がいいと思うのです。だってみなさんの大切な生活費がかかってるわけですから。

これから

今週は新宿の児童相談所とNPOフローレンスを訪問します。引き続き淡々と、ファクトに基づいてレポートしていきます。

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