偶発性理論を分解してみた<前編>
夢は諦めると、結構叶う
卒業後の進路について考えるときに、「自分のやりたいこと」や「自分の好きな仕事」だけで考えていないでしょうか。
たしかに、自分のやりたい仕事であれば楽しめるかもしれません。しかしそれだけで仕事を見つけようとすると、僕たち20代が見ているモノ・世界は40代と比べると狭いため(比較対象として人生経験が長い40代を挙げました)、見つからない可能性が高いです。それに、知っている業界や企業でいくと、普段の私生活で目にしたり体験したりしているものが多いと思います。(金融やメーカー、小売店など)
そもそも、その前提でキャリアや就活について考えることってありなのでしょうか?
違う観点(自分のやりたくないこと・嫌いなこと)から考えてみると新たな気づきが出てくるはずです。
まず、偶発生理論について皆さん知っていますか?
偶発生理論とは、
個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。
簡単にいうと、
夢は諦めると、結構叶う
一見すると、矛盾しているように見えますよね?
しかし、しっかり論理を追っていけば皆さんも納得します。
ここからは、偶発性理論に関して林修さんの例えを使って説明していきます。
①東京大学卒業後、大手金融機関に入社
やりたいことが明確に決まらず、渋々大手金融機関に入社したものの、同期が全員高学歴だったこともあり、職場環境に嫌気がさす。
②「ここはつぶれる」と思い半年で辞める
持ち前の分析力で入社した会社を分析したとき、「近いうちに倒産する可能性が高い」と感じ、その半年後会社を退職する。実際、林先生が辞めた数年後、その会社は倒産に陥ってます。
③空白の3年間を送る
会社を辞めたものの、やりたい職業が見つからず「麻雀、競馬、パチンコ」など続ける。また、友達と起業も行ったが失敗してしまい借金は1,800万にまで上ったと言われています。
④大手予備校教師で働く(数学→国語)
さすがにヤバいと感じ、大学時代にアルバイトで家庭教師で誰よりも教えるのが上手だったため、予備校教師で働くことを決意。当初は数学(もしくは英語)で授業を教える予定だったものの、周りの先生を見たときに「自分が勝てる場所は難関大学向けの現代文」だと分析し、ひたすらそこに注力する。実際、受講していた生徒からも高評価。
⑤10年以上やり続け、CMに抜擢
10年以上生徒に現代文を教え続け高評価を得られたことにより、CMに場的される。「いつやるか、今でしょ」が巷で有名になり、テレビに出演する機会が増え始める。(あのフレーズは、電通の社員さんが林先生の授業動画を見続けて、たまたま先生が言っていたところを切り取ったそうです。)
⑥やりたい仕事(作家)ができる
テレビで有名になったことで、作家として本を書いたり、ラジオパーソナリティーに出演したりなど林先生がやりたかった仕事ができるようになる。
成功しているように見える林先生も、紆余曲折を経て「自分の得意分野」を見つけていったように感じます。
<後編>では林先生の事例をもとに、偶発性理論を起こしていくために必要なことについて書いていきます。