Algorandロールアップ(A1)パブリックテストネットのリリース

Caro Rossi
dcSpark日本
Published in
Jul 21, 2022

ミルコメダにコードを貢献している一社として、ミルコメダA1(ロールアップの技術を使用しているL2)が無事にアルゴランドのパブリックテストネットにリリースされたというめでたいことを伝えします

6月の初めに、私たちはMilkomedaブリッジをAlgorandに統合し、A1ロールアップ(Ethereumエコシステム外で非常に早い段階でロールアップに成功した事例の1つとなります)したことをこちらで発表しました。本日、私たちはdAppのテスト、バグのテスト、ネットワークのストレステストを実現するA1ロールアップのパブリックテストネットを 20th of July にオープンすると発表できることを嬉しく思います。

このテストネットでは複数のプロジェクト(ブリッジおよびDEX)を準備していますが、ロールアップへの接続方法やテストの開始方法を詳細にご説明する前に、さまざまなコンポーネントや、私たちやコミュニティにとって重要なマイルストーンとなる理由についてお話ししたいと思います。

Algorandとは

AlgorandはMITで教授を務めるSilvio Micali氏が構築した、プルーフオブステークのブロックチェーンです。委員会による2度の投票を含む3段階のプロセスで即時のファイナルティーを実施する運用で、ブロックのファイナライゼーションを非常に迅速に行うことができます。ネットワークを指示するステークの圧倒的多数に悪意がないのであれば、プロトコルは悪意あるユーザーに対する耐性を持つことになります。

Cardano同様、Algorandのプロトコルとブランドは財団と開発会社という2つのエンティティにより管理、研究、開発が行われています。Algorand Foundationはエコシステムの成長、ブロックチェーン研究、オンチェーンガバナンス、ネットワークの分散化を管理しています。Algorand Incは、テクノロジー企業としてブロックチェーンに注力し、Alograndプロトコル自体を開発しています。

Algorandは「カーボンネガティブブロックチェーン」として、各トランザクションの料金の一部を割り当て、排出された炭素を相殺しています。

Algorandの詳細については、以下をご覧ください。

Algorand Inc: ウェブサイト

Algorand Foundation: ウェブサイト

Algorand Research: ホワイトペーパー

ロールアップとは

ロールアップは、レイヤー1ブロックチェーンの拡張性と相互運用性を実現するソリューションで、サイドチェーンとは異なり、基盤となるレイヤー1ブロックチェーンのセキュリティプロパティを継承します。ロールアップは効果的な「チェーン上のチェーン」で、自身のdAppとスマートコントラクトのエコシステムを維持します。ロールアップはレイヤー1の通貨をベース通貨として使用したり、別のトークンを使用したりできます。

ロールアップ上で起こるトランザクションは、メインチェーンとは別のバリデーターの集団により検証されます。ロールアップ用にまとめられたトランザクションデータは、定期的にレイヤー1に転記されますが、すべてのオブザーバーがこれを閲覧し、最新の状態のロールアップに再構築することができます。注目すべきは、Milkomeda A1ロールアップはAlgorand上に新規データ可用性プロトコルを実装し、スループットの向上やAlgorandネットワークの機能を最大化しつつあることです。

私たちのプロトコルでは、マークルルートは初めにシーケンサーによって「バッチ提案」としてAlgorandに転記されます。これが確認されると、プロトコルはバッチ送信のフェーズに移行します。このフェーズでは、バッチの実際のコンテンツであるA1ロールアップに対するEVMトランザクションはすべて、グループ化されたトランザクションの多数のセット内でAlgorandに転記され、バッチとすべてのトランザクションが正式にファイナライズされます。このようにしてA1ロールアップは、Algorand上でバッチ提案とバッチ送信のフェーズの間をたえず行き来し、ユーザーにエコシステムで初のEVMロールアップを提供します。

Milkomedaのロールアップの詳細については、以下をご覧ください。

動画: YouTube

記事: Testnet Integration

なぜ重要なのか

このロールアップのデプロイは、Ethereumエコシステム外でデプロイされたロールアップとして、非常に早い段階で成功した事例になります。このような優れたテクノロジーが、暗号の世界の多数のエコシステムに影響を及ぼしうることを示した点で、とりわけ重要であると言えるでしょう。また、今回のロールアップにより、開発者は世界で最も一般的なスマートコントラクト言語のSolidityでAlgorandのスマートコントラクトを作成できるようになります。

エコシステムにおいては、Milkomedaはユーザーと開発者にメリットをもたらす強力な相互運用性を実現することを大きな目標の一つに掲げており、今回の成果もそれに資するものです。また、サイドチェーンではなくロールアップであるという点でも、大きな重要性を持つと言えるでしょう。基盤となるレイヤー1(Algorand)のセキュリティプロパティを継承し、レイヤー1ブロックチェーンのデータ可用性を活用することも可能だからです。すなわち、私たちのレイヤー2を利用することで、Algorandチェーンをフォローするすべての人が、A1ロールアップについても進捗を並行して確認することが自動的に可能になるのです。

A1ロールアップテストネットへの接続方法

A1ロールアップテストネットのユーザーエクスペリエンスは、使い慣れたMilkomedaブリッジを通じて調整されるため、C1と全く同じものとなるでしょう。すでにC1サイドチェーンに接続している場合は、このプロセスをすでに経験しているはずです。

私たちは、AlgorandからMilkomedaブリッジを使ってA1ロールアップに接続する方法の文書化を進めており、文書化を完了次第、本記事も更新する予定です。

A1テストネットロールアップのためのブロックチェーンエクスプローラー:

https://explorer-devnet-algorand-rollup.a1.milkomeda.com/

Milkomeda A1 — Documentation:

https://dcspark.gitbook.io/milkomeda-getting-started/algorand/for-developers

Milkomedaの詳細については、以下をご覧ください。

Milkomeda: Website

Twitter: @Milkomeda_com

Documentation: Gitbook

Medium: @milkomedafoundation

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Caro Rossi
dcSpark日本

Business | Tech | Journalist. Co-founder & CEO @irockcl. I write about innovation, gender, and media. #Feminist @carorossi