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blockchain architectureの応用

先日とある日系IT企業の方とお話していた際、bitcoinで使われているblockchainというベース技術が別のアプリケーションに応用する動きが出ていて注目しているという話しを聞き、ネットワークに繋がったnodeが分散処理をするnetwork computingとかgrid computingとか昔言われたアーキテクチャーの事かなと思ったけど、どうやら違うみたい。

ちょっとググってみたら、blockchainの応用事例を研究もしくは実際にstartupとして実際にプロダクトを出している会社が出てきているようだ。

多くはスマートコントラクトや金融商品への適用、ある種のvotingという個人認証とトランザクションの改竄への堅牢性が必要なアプリケーションがメイン。これらの多くは多大なコストを中央集約的に処理する必要がある(今まで技術的に不可能であったから)アプリケーションが、この仕組みを導入する事でほぼゼロコストで運営可能となる。

それから、音楽、映画、電子書籍などのデジコンへの応用。ブロックチェーンの基本的な考え方は「所有権の移動」を全てのnodeで全てのtransactionを記録/符合する仕組みにより正当性を担保するので、デジコンに関してはデータではなく「聞く権利」「見る権利」「読む権利」を売買するということ。これによりいくらコンテンツのデータを入手したところで実際にコンテンツを楽しむには「権利」を購入する必要があり、コピー問題に頭を悩ます業界には朗報だろうという内容。(中国とか東南アジアの国では暴動が起こるかもしれないけど。)

これらの考え方の実現方法として、architectureの観点でうまくまとめているのがUnion Square Venturesのventure capitalistであるJoel Monegroのブログのポスト。

This is what I think the architecture of internet applications is going to look like in 10 years.

”10年後にインターネットアプリケーションは上記のような形になる”、と予言している。

話しがずれるが、このポストに関しエンジニア達からのコメントへの応対を見るに、この人もtechnologyの中身を良く知ってるventure capitalistだなーと関心。こっちの投資家はその道の専門家や技術そのものへの素養の高い人が本当に多い。逆にいうと一定レベルの技術に対する造詣がないと”tech startup”への投資は無理ってこと。

さて本題に戻るが、この仕組みの重要なポイントはblockchainのvalidation capabilityをベースに、これまで中央集約的(centralized)に保持してきたデータをnodeそれぞれでコントロール可能になり、open sourceで分散的(decentralized)なシステムを構築することできるという部分。

Companies like Ebay, Facebook and Uber are very valuable because they benefit tremendously from the network effects that come from keeping all user information in centralized in private silos and taking a cut of all the transactions. Decentralized protocols on top of the blockchain have the potential to undo every single part of the stacks that make these services valuable to consumers and investors. Decentralized protocols on top of the blockchain have the potential to undo every single part of the stacks that make these services valuable to consumers and investors. They can do this by, for example, creating common, decentralized data sets to which any one can plug into, and enabling peer to peer transactions powered by Bitcoin.

EbayにしろFacebookにしろUberにしろ、既存のinternetのarchitectureを利用したアプリケーションの作りは中央集約的且つclosedににデータ・トランザクションを保持する事でサービスそのものにvalue propositionがあったが、decentralized protocolを用いることでこれらのadvantageをundo、なくす事ができる、ということらしい。

要はそのサービスの上でないと恩恵を受けられなかったもの、例えばEbayだと商品情報の閲覧/検索及び売買はEbayに行かないとできない、とかが、この新しいarchitectureの上では必ずしもその必要がなく、誰でも簡単に情報に辿り着き、transactionを実行する事ができるようになる。また別の考え方としては、Uberはタクシー会社というmiddlemanを除外し直接運転手とユーザーを結び付けたと言っているが、このarchitectureで考えるとUber自身が両者のmiddlemanになっているということ。

つまりこの仕組みの中で重要なのは、サービス自体は特定の会社が提供するものでなく、サービス=コミュニティ(peer to peer)であり、またサービスに参加する=minerになることを意味し、参加そのものをincentivizeしている。先ほども述べた通り既にこの仕組みを使ったstartupも出現しており、rideshareのlazoozやc2c marketplaceのopen Bazaarなどかなり面白いと思う。

bitcoinというcryptocurrencyの表面だけ見てちょっと胡散臭いと思って距離を置いていたが、ベースの技術=このサービスの本質を理解する事で、今までと全く異なる経済圏の創造、もしくは全く新しいパラダイムを構築できる事実を知って反省しきり。ただし同様に距離を取っているユーザーも多くいるはずで、bitcoinのようなcurrencyとしてのアプローチではなく、lazoozなどのようなより具体的なサービスとしてのアプローチであればよりcryptocurrencyの導入は浸透していくと思う(むしろcryptocurrencyのニオイをさせない方が良いかもしれない)。

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Daisuke Minamide(南出 大介)
deep dive into the basis

a Venture Capitalist based in the Bay Area. ex Marketer, BD, and Engineer. Love gadgets and technologies.