DeFi Meetup #1 イベントレポート(後編)

Mayato Hattori
Mar 11 · 7 min read

こちらDeFi Meetup #1のイベントレポートの後編になります。

前編はこちらから。

後編はパネルディスカッションの3つ目のテーマからお送りしております。

日本でDeFiのプロダクト開発が進めためには何が必要?

そもそも、日本でのブロックチェーンのプロダクト開発は進んでいないのですが、その中でも特に、DeFiと呼ばれている分野でのプロダクト開発は進んでいません。

議論の中では、日本でプロダクト開発が進んでいない原因として、ユーザーと資金調達環境と法律規制があげられました。

まず、ユーザーという点では、プロダクトの開発事業者から

・「そもそもクリプトを持っている人が少ないこと」

・「DeFiをやるとお金が増えるとかリスクが減る等といった価値をユーザーがまだ感じていない」

といったことが原因としてあげられました。

次に、資金調達環境が日本では整っていないとの意見がありました。

アメリカではスタートアップなどが数億円を調達して、VCが長期的な目で見てくれることで、直近のマネタイズを気にすることなくプロダクトの開発を進めることができます。

その一方、日本では、VCから調達を受けても短期間でのマネタイズを期待されることがあり、そういった点が日本でのプロダクト開発が進みにくい要因の一つだとあげられるということです。

最後に、一番、大きな点として日本の規制が厳しいという声がありました。

例えば、Dappでは、トークン発行を伴うものと伴わないものの2種類がありますが、一般的に前者では交換業のライセンスを必要とするものが多く、またDeFiといった金融に関わるプロダクトは融資であれば貸金業等といった、また別の法律に関わることがあります。

そういった規制は、開発者からすると「プロダクトを開発して販売しただけで捕まるのではないか」という不安を生み、プロダクト開発を妨げる要因になっているということです。

しかし、金融庁と話をしたことがある人によると日本の金融庁もそういったことでイノベーションが進まないことを危惧していて、

・技術についてアメリカなどの事例を調査や勉強をしていたり

・フィンテックの相談窓口などを通じて、気軽に事業者の相談に乗ったりしてくれる

らしいので、スタートアップやエンジニアは政府と距離を置かずに積極的に対話をする機会を増やし、海外の事例などの情報を提供しつつ、関係性を構築していくことが大事との声もありました。

マネタイズのポイントは?

既存の金融システムでは中抜きなどを通じてしっかり手数料を取れていたということに対し、比較的に安価なサービスを提供しているDeFiのプロジェクト、特に、Dexなどでは現状手数料0でやっているところも多い中、どうやってマネタイズをしていくのかという質問でした。

日本でよくDeFiのプロダクトを触っている人によれば、「今の金融とは別の仕組みでのマネタイズ手段が今後生まれる可能性があるが、既存のDeFiのプロジェクト、例えば、MakerやCompoundでは、手数料を取ってマネタイズをしているのが現状」とのことでした。

ミドルウェアプロトコルの分散性はどう確保するか?

こちらは、現状、Makerや0xなどミドルウェアプロトコルは現状ガバナンストークンで重要な決定をしてはいるが、実際にトークンを保有しているのは、VCと運営側がほとんどで一般のユーザーに権限がなく、分散性が欠如しているという問題です。

現在、0xのアンバサダーをしている人によれば、その問題は0xのコミュニティでも議論をされていて、「運営としてはトークンを配布することで保有者を増やすなどの努力をしている」とのことでした。

また、本当にミドルウェアプロトコルの信用がなくなった場合に、コミュニティ側がフォークを選択するという可能性もあるが、フォーク自体にコストがかかるので実際動くかは現状では判断しづらいということでした。

DeFiは次の金融危機をもたらしうるか? DeFi経済圏での金融リスクとは?

まず金融の世界での金融リスクとは?

元金融業界出身の方の解説によれば、金融リスクとは信用創造により貸し借りが発生し、それが複雑に絡み合った時に、どこかで債務不履行が起きた時にそれを原資に融資をしていた人に飛び火し、連鎖的に証券会社が倒産してしまうリスクのことを言います。

現在のDeFiのトラストレスな世界では、ある程度のキャップがあり、オンチェーン上で100%以上を担保にされているので、取りっぱぐれも起きないし、ロスが出たとしても原資以上にマイナスになることは起きません。

しかし、そういった世界では信用創造はないので、金融としての意味をあまりなしません。そこで、分散した世界で信用スコアリングが導入され、融資が証券化され、そう行った値動きに対して、デリバティブの市場が出来た場合、リスクが肥大化しDeFiの世界でも金融リスクが発生するとのことです。

ただ、「既存の金融と違い、DeFiでは信用やリスクを評価するノウハウを持ったアナリスト等がいないので、リスクを評価することは難しいのでは」というコメントが金融機関出身の人から寄せられました。

方や、「既存金融であれば、大きな金融機関が資産を持ちすぎて、too Big to failという話になるが、分散金融の世界では、信用の指標や融資が分散化されることで被害も現状の金融より小さい形になるので、同じようなことは起きないのでは」という意見もありました。

また、議論の中では、分散IDが、どこまでオンチェーン上で完結し、またオラクルとしてオフチェーンの現実情報とどう紐づけるべきなのかという議論もありました。

まず、Blooomなどの分散IDの例もそうですが、アカウントの裏にある人のIDと紐づけをした時点で、国家権力に依存をしてしまい既存の金融に近くなってしまいます。

ウォレットを運営している人によれば、オンチェーン上の解決策として、

・ウォレットのアドレスベースで何か不正を行ったユーザーに対して、サイドチェーンで機能停止などのペナルティを紐づけする

・アドレス間のやり取りはパブリックにトラッキングが可能なので、不正アドレスとのやりとりが発生したアドレスに対しても信用スコアが下がるなどのディセンティブを作ること

ができればDeFiが流行るのではないかという意見もありました。ただ、そのためにもまず使えるアプリがいっぱいできる必要があるということでした。

DeFiの現実化までの道のりは?

最後に、DeFiが非中央集権にこだわらない一般のユーザーに広まるのはいつなのかという質問に対して様々な意見が述べられました。

まず、最初に中国の市場に詳しい人からすれば、「利便性の観点からすれば、既存のDeFiで提供できることはすでにAlipayやwechatでも可能なため普及は難しい」との意見でした。

しかし、何かしらGAFAなどの中央集権的なものに対して不信感が生まれた場合、中央集権と非中央集権のサービスを使い分けるという人はどんどん出てくるかも知れないということでした。

次に、DeFiプロダクト利用者によれば、DeFiは既存の銀行のほぼゼロに近い金利より良い金利であるので、Stablecoinなどが広まって、みんなが安心して使えるようになると普及する可能性はあるとのことでした。

最後に、「これは大分先の話になるかも知れないが、何かするとトークンが無料でもらえるみたいなサービスが広まっていくと、取引所で交換するのではなく、ブロックチェーン上でそのトークンを使うというニーズが高まり、資産運用などもブロックチェーン上で起きるかも知れない世界がくる」という意見がありました。

(ミートアップ風景)

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    Mayato Hattori

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    Community Manager at Global Blockchain Ecosystem Neutrino https://twitter.com/neutrino_TYO

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