事業の未来を切り拓く、DeNAデータアナリストの勉強会を公開!

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DeNAのアナリティクス部では週1回勉強会の時間を設けています。本記事ではその内容について紹介します。

1.アナリティクス部とは

アナリティクス部は、「データに価値を与え、事業の未来を切り拓く」をビジョンに掲げるDeNAのデータ分析部門です。

アナリティクス部は全社共通部門のため、特定の事業に限定せずDeNAの多岐に渡る事業にメンバーをアサインしています。各メンバーは、データ分析を通じて事業創出及び事業成長をリードしています。

DeNAでは、定性と定量両面の分析をした上で意思決定する文化が全社に浸透しており、データアナリストは定量分析の中心的な役割を担ってきました。

ビジョン策定の裏側について書いた記事があります。こちらも是非ご覧ください。

2.勉強会の概要/目的

勉強会は、アナリティクス部内でグループを複数作り、各グループで期間を決めて書籍を輪読し、終了後に他グループ含めた全体向けに輪読で学んだ内容を発表する、という形式を取っています。

勉強会の目的は3つあります。

①分析スキルの向上

データアナリストとしてスキルアップしていくために必要な知識を幅広くインプットしています。現場ですぐに活用できる知識の習得も重要ですが、あえてそこに限定はしていません。データ分析の知見や技術は日々進歩しているため、長期的なスキルアップのために普段の業務以外のインプットは必要不可欠です。また、今すぐ活用できない知識でも、自分自身の知識の引き出しを多くすることで思考の幅が広がります。

②蓄積されたチームの知見の共有

アナリティクス部のメンバーは各事業に分かれてアサインされているため、各メンバーの分析事例や知見を部内に共有をする機会が少ないという課題がありました。輪読を一つの起点とし、個々人の分析事例及び知見が共有され、アナリティクス部全体で事業やプロジェクトの成長に貢献できる領域を広げています。

(例えば、ある輪読会では、この事業や前職ではこういう分析をしたので、他事業部の類似課題にはこうやって活用できそうだという示唆をグループで導き出し、実際に事業に活かすといった事例もありました。)

③横のつながりの形成

各メンバーは各事業に入り込んでおり、同じアナリティクス部に所属しているにも関わらず、横のつながりを形成する機会が多くありませんでした。

定期的な勉強会を通してメンバー同士の交流やコラボレーションを促進します。結果として、全社横断の分析知見がメンバー全員にインプットされ、各事業により大きく貢献出来るサイクルを作って行けると信じています。

3.勉強会の詳細

複数グループに分かれて、それぞれ異なる本を輪読します(輪読会)。

その後、アナリティクス部全体向けに各グループが輪読会の内容を発表する、という形式になっています(発表会)。

以下のサイクルを繰り返し実施しています。

①輪読会(6週間)
6–7人のグループで本の各章をまとめる担当を決定し、各週ごとに担当者がそれぞれの担当範囲のサマリと、業務で活用できそうなポイントをまとめて発表します。
また、その発表内容をベースに質疑応答、ディスカッションを実施します。

②発表準備期間(1週間)
各グループで発表に向けた資料作成を行います。

③発表会(約3–4週間)
各グループが輪読した本の内容と会議でディスカッションした内容をアナリティクス部全体に発表。発表後、他グループからの質問に回答します。

輪読会

輪読会の本はアナリティス部の各メンバーから推薦された図書の中から3冊を選び、その中から各自読みたい本を選んで輪読しています。

AI、統計、ビジネス、プログラミングなど、広範な分野にわたる書籍を取り上げています。

また、各グループには輪読本のテーマに関する知見や経験の多いメンバーを1,2名配置し、各メンバーの質問に対して、経験談なども含め回答してもらい、理解を深める事ができるような体制にしています。

過去の輪読本(抜粋)

  • AI技術を活かすためのスキル
  • 統計学入門
  • 不確実性分析 実践講座
  • 論点思考
  • Python実践データ分析100本ノック 第2版
  • データ解析のための統計モデリング入門
  • 効果検証入門
  • ABテスト実践ガイド
  • 戦略的データサイエンス入門 ―ビジネスに活かすコンセプトとテクニック
  • 数理モデル入門
  • 因果推論入門〜ミックステープ:基礎から現代的アプローチまで
  • and more

発表会

各グループ1時間で発表します。

本の内容を単にまとめるだけでは無く、本の内容に加え、誰がどのようなタイミングでこの本を読むべきかというガイド情報や、DeNAの各事業での活用事例/今後の活用案も発表します。

上記内容を織り込むことで、アナリティクス部のナレッジとして後から各メンバーが活用できるようにしています。

また、これは副次効果ですが、グループメンバー全員がスピーカーになっており、年次の浅いアナリストが数十人に対してプレゼンする機会が定期的に取れ、プレゼンの場慣れのいい機会となっています。

発表会資料抜粋(ABテスト実践ガイド)
発表会資料抜粋(ABテスト実践ガイド)

4.まとめ

この勉強会は2023年4月からスタートしており、10ヶ月程継続して実施しています。

継続的に学習することで、点だった知識が線として繋がっていくのを実感しています。(例えば、前読んだ本でここ出たよね、この本ではこういう解釈をするのか、といった気づきを得る瞬間が増えています)。

アナリティクス部が、より事業の未来を切り拓けるような部門になるよう、これからも勉強会を継続していきます。

データに価値を与え、事業の未来を切り拓くために、アナリティクス部ではこのような勉強会を行なっています。

事業に深く入り込み、事業課題解決に向けた分析支援に興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ私たちと一緒に事業の未来を切り拓きましょう。

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