デザイン対象はプロダクトだけではない。実現したい未来へ向かう「対象」へのアプローチ。

その対象から、デザインは始まっている。

実現したい未来から、デザイン対象を考える。

Designing Future MagazineというPunbishを始めます。今日はこのPublishの思想の部分について主に書きたいと思います。(半分以上は私の自分語りです)

私は現在スタートアップのUXデザインを仕事にしていますが、Webデザイナー時代を含めるとこの夏で丸2年経つことになります。この2年で大分「デザイン対象」が変わってきたなと思います。

最初の半年は大阪のアパレルECサイトでWebデザイナーをしていました。その次は東京に来てUX/UI系の制作会社でのUXデザイナーを経て、現在に至ります。

アパレルECの時はデザインを勉強したいという動機のみで、特にプロダクトについて「選ぶ」という意識はありませんでした。しかし、だんだんとWebサービスやアプリといった社会やみんなの生活を便利にしたいサービスを設計したいと思い、こうしたサービス開発ができる会社を初めて「選び」ました。

実際にそれからの仕事は充実しました。自分たちの練った仮説や、確かめた調査から生まれた設計がユーザーの声やPJメンバー全員の洞察によって磨かれ、プロダクトの実現を通して世の中に出る過程は興奮しましたし、ただビジュアルを作っているだけではなく、みんなの幸せのために最適な設計をしているという気持ちによる充実感です。

会社の信頼に基づいた、大きな予算を持ったクライアントとプロダクトを作れましたし、まだまだこんな感じでやりたいなという気持ちもありました。

しかし、実現したい未来から逆算すると、別の働き方が浮かび上がってきました。

私が独立し、スタートアップと顧客体験を考えるようになった理由

私は現在、「優れた顧客体験を土台にした事業を増やし、スタートアップの成功確率をあげること」をビジョンにして、シードからアーリーステージの企業に入りUXデザインを中心としたアクセラレーションを行っています。

このビジョンに至った経緯は別で書きますが、対象をシードやアーリー期のスタートアップに絞ったのは以下の2つの理由があります。

・圧倒的にデザインリソースが足りないこと

会社に所属していたときも趣味としてスタートアップを手伝うことがあったのですが、共通していたのがデザイナーのリソース不足です。エンジニアがデザインまで行っているケースもざらでした。

海外ではAirbnbやPinterestらデザイナーが共同創業者となってグロースしているサービスは多いですが、日本ではまず起業家がいて、エンジニアを仲間にし、最後にデザイナーを探しに行きます。

現在はプロダクトの与える体験が事業の価値を決めているにもかかわらず、デザイン人材が後回しになっている現状では「スタートアップの99%が潰れる」みたいな言説も頷けるなと思いました。同時にユーザーと事業者の広い意味でのUI部分を解決できれば、成功確率はもっとあげられると感じました。

・スタートアップが未来を作ると信じていること

多くの起業家に出会ううちにそれぞれの解決したい課題や、実現したい世界に共感し、その未来にワクワクする瞬間が多くありました。

マーケットサイズから逆算して勝負に出るケースも多いですが、その人固有の課題意識や、解決意識を持っているケースに出会うことがたまたまかもしれないですが、多かったのです。

私は特有のWebサービスを作りたいという意識はなかったので、いつしか「こういう課題意識や実現したい世界へのマインドを持った起業家を支援していくことが、一番社会が幸せになるんじゃないか」と思い、デザイン対象をこのあたりに定めました。

今の自分の目標はスタートアップに入ることでチームを優れた顧客体験実現に導くこと、そしてその方法を様々な事業者と実践し、スタートアップ全体の成功確率をあげることです。

いろんなチームやプロジェクトが今以上に顧客体験をデザインできるような生態系を作り、社会がよい方向に前進する、というのが私が実現したい未来です。

なので一つのプロジェクトではなく、いろんなプロジェクトで顧客体験を考えるというスタイルに変えました。実現したい未来が、もろに働き方に影響を与えているのです。

デザインは主にプロダクトに向かって語られる概念ですが、プロダクトをデザインする目標はそのプロダクトが実現したい世界を形にし、関係者全員を幸せにすることだと思います(私の場合の定義です…)。それを長期的に考えると、世界全体を幸せにすることだと思います。

そこから逆算すると、必ずしもプロダクトを適切にデザインすることだけが自分のすべきことではないなと思います。デザイナーが実現したい未来に向けて、デザイン対象を定められるようになれば、よりクリティカルに優れたプロダクトが世に出るようになると思います。

生活を維持するためのデザインもいいと思いますが、同時にデザイン対象からデザインできるクリエイターで溢れる未来もいいんじゃないかなと思います。

「地方の学生や女性に、ITやスタートアップの選択肢を与えたい」 という女性の話

上記でスタートアップのリソース課題にも触れましたが、イノベーティブな社会を前進させる上で鍵となっているのがテクノロジーやデザインの教育や、選択肢として与えられる数と質だと思っています。

そこで最近、「周りの女性がプログラミングに興味があっても学ぶ機会がない」「アメリカにいったら『What do you do?』に答えられない学生が多い」といった課題意識を持った女性と話す機会がありました。

彼女は地方でTech系のコミュニティを作りたいと話しており、現在はそのプロジェクトのディスカッション相手になっています。彼女も未来から逆算して事業を計画していますし、私の協力する理由も「デザイン対象として、自分の実現したい未来と重なっているから」に他なりません。

今回のPublishもそんな重なる部分を発信していくためです。次回から@sayacatt5にも投稿してもらいます。

未来をデザインするTechメディア

このPublishのタグラインである「未来をデザインするTechメディア」の「未来」は教育やチャンスを指しています。

幸せな世界を実現するためのキーワードとして「教育」「デザイン」「テクノロジー」を掲げ、Publishのコンセプトとしたいと思います。大げさに言えば、「私たちがデザインしたいメディア」の形です。(そんなにメディアっぽくやる気はないですが…)

対象からデザインできるという段階にいくには、一定以上のスキルや経験が必要になると思います。一旦レールに乗ったら降りれないような社会だとそんなマインドにはなれないですし、その点で教育やデザインするチャンスが必要になってくると思います。

そんな情報を発信・キュレーションしていきたいです。

私はデザインやスタートアップがメインなのでそこらへんが中心で、しかも今回みたいな概念系の記事が多いですが、@sayacatt5はEduTECHはもちろん、海外のスタートアップやTech動向を追うのが得意っぽいです。オールラウンドな記事を配信してくれそうで、だいぶ楽しみです。