フロントエンドエンジニアがUXデザインを理解するメリット

Shigeta Togashi
Designing Future Magazine
3 min readJul 10, 2016

上流工程の理解は「鳥の視点」を持つこと

今度フロントエンドエンジニア向けの勉強会でUXデザインについて話すことになり、一度フロントエンドがUXデザインを理解するメリットを整理しようと思いました。

今回たまたまUXデザインという言葉を使っていますが、つまりサービスデザインの上流工程を理解することです。これは自分の作業領域だけではなくサービス全体を俯瞰できる「鳥の視点」を持つことだと思っています。

自分の立ち位置を俯瞰できる

コーディングをしているとつい目の前の作業に目が行き、サービス全体を見渡す「鳥の視点」を失い、「虫の視点」になりがちです。

UXデザインを理解することは事業戦略やそのサービスの最終目標を理解すること、あるいはサービスデザインの一連の流れを理解することになるので、自分の立ち位置を俯瞰してみることができるようになります。

降ってくる要件起点のコーディングだけではなく、事業目標や体験目標から逆算し、エンジニアならではのプランニングが可能になるはずです。

ディレクターやクライアントとのコミュニケーションで主導権を握ることができる

よくディレクターやプロマネから、工数的に苦しい要求を受けることがあると思います。その際に「スケジュール的に無理です」「要件になかったので無理です」などの一点張りで終わらせていませんか?

結果、「いや、必要だから」と言われ実装せざるをえないという、ケースなどをよく見かけます。

そんなときにUXデザインの思考を持っていると、ユーザー体験も担保した代替案を出すことができたり、工数だけではなくサービスデザインを見渡した上での「こうすべき」という意見を主導権を持って提案できるようになります。

こういう衝突が起こる場合、ディレクターには多くの場合エンジニアの思考はわかっていませんし、そこにも原因があります。しかし、実務スキルとしてエンジニアリングを持ってない人間に、理解しろというのも難しいです。

UXデザインはマインドセットの部分が大きいので、一度思考をインストールするだけで歩み寄れる歩幅はディレクターのそれよりは大きいと感じています。

書いた人:富樫重太

事業立ち上げ時のデザインを得意とするデザイナーです。

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