フロントエンドエンジニアがUXデザインを理解するメリット
上流工程の理解は「鳥の視点」を持つこと
今度フロントエンドエンジニア向けの勉強会でUXデザインについて話すことになり、一度フロントエンドがUXデザインを理解するメリットを整理しようと思いました。
今回たまたまUXデザインという言葉を使っていますが、つまりサービスデザインの上流工程を理解することです。これは自分の作業領域だけではなくサービス全体を俯瞰できる「鳥の視点」を持つことだと思っています。
自分の立ち位置を俯瞰できる
コーディングをしているとつい目の前の作業に目が行き、サービス全体を見渡す「鳥の視点」を失い、「虫の視点」になりがちです。
UXデザインを理解することは事業戦略やそのサービスの最終目標を理解すること、あるいはサービスデザインの一連の流れを理解することになるので、自分の立ち位置を俯瞰してみることができるようになります。
降ってくる要件起点のコーディングだけではなく、事業目標や体験目標から逆算し、エンジニアならではのプランニングが可能になるはずです。
ディレクターやクライアントとのコミュニケーションで主導権を握ることができる
よくディレクターやプロマネから、工数的に苦しい要求を受けることがあると思います。その際に「スケジュール的に無理です」「要件になかったので無理です」などの一点張りで終わらせていませんか?
結果、「いや、必要だから」と言われ実装せざるをえないという、ケースなどをよく見かけます。
そんなときにUXデザインの思考を持っていると、ユーザー体験も担保した代替案を出すことができたり、工数だけではなくサービスデザインを見渡した上での「こうすべき」という意見を主導権を持って提案できるようになります。
こういう衝突が起こる場合、ディレクターには多くの場合エンジニアの思考はわかっていませんし、そこにも原因があります。しかし、実務スキルとしてエンジニアリングを持ってない人間に、理解しろというのも難しいです。
UXデザインはマインドセットの部分が大きいので、一度思考をインストールするだけで歩み寄れる歩幅はディレクターのそれよりは大きいと感じています。