UXデザインに関して自分なりの行動指針を決めておく。

「UXを意識」だと行動に移せないので自分の言葉で表す。

Shigeta Togashi
Designing Future Magazine
4 min readAug 31, 2016

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先日エンジニアのもくもく会を運営しているコミュニティの方に依頼を受け、UXデザインについて話しました。

要望で講義も少ししたのですが、チームや事業によって最適な形は違うので、参加者一人ひとりが行動に移せることをゴールに設定するのが適切だと考え、基本ディスカッションしてもらう形式にしました。

いい経験になったので話したことをまとめておきます。(参加者の方がツイートしてくれていたのでそれを思い出す材料にします)

UXデザインは自分なりの行動指針を決めると分かりやすい

UXデザインというと広すぎて何をしたらよくわからなくなりませんか?僕はよくわからなくなります。

なので以下のように自分の中にははっきりとした定義付けを持って臨んでいます。

“ビジネスをスケールさせる体験をデザインする”

これは自分が経営者に依頼され、UXデザインの戦略やディレクションを担当しているからだと思います。一番の目標は事業を成功させることです。そこに必要な体験を明文化して設計に落とし込むことが自分のミッションです。

UXデザイナーは組織の中で唯一ユーザー側に立った提案ができる存在だ、みたいな記事も見るのですが、自分の場合はユーザー視点+事業を理解してそのスケールに直結する体験を設計できなければ意味がないです。

一方で、エンジニアの方の場合、以下のような定義でもいいと思います。

「UXデザインをがんばる」「UXを意識する」みたいな意気込みって、意味があるようであんまり意味がないです。言葉や自分なりの考えは、ある程度具体的にしておいてこそ行動に結びつくと思います。

UXデザインがふわふわしていて意味がわからないというのもよく聞きます。それは、それだけ定義や関わる人が広いからというのも要因にあると思うので、自分なりのUXデザインに関する行動指針を定義すると実行しやすいという話をしました。

チーム全員が与えるべき価値や体験を理解する

当たり前ですがチーム全員で共通のゴールや与えるべき体験を持たないと、実装の際も「これやる意味あるんですか?」「これは工数的に無理」みたいな話になります。

ここでコミュニケーションコストが発生したり、最適な実装ができないことになります。実装可能、工数的にいけるとかというより、コスパに見あった実装というのが理想です。

デザイナーや経営者は詳細な工数などはわからない場合が多いので、エンジニアサイドがUXと費やすリソースのコスパがよい実装を決定するしかないです。そのためにはチームが共通の認識を持つことが大事です。

そこがクリアできれば「無理」「いける」の話ではなく、エンジニア視点での良案が出たり、結果的に出戻りが少ない進行になることが多いです。

与えたい体験に優先順位をつける

デザインフェイズから参加する時に与えたい体験に優先順位をつけると実装の際の判断基準が作りやすいという話もしました。

例えば「コアバリュー」「重要」「あればなおよし」といった分け方をすることがあります。見ればわかりますがこの優先順位でリソースを割くべきです。最後の「あればなおよし」はもはや手をつけなくていいかもしれません。

なんでもかんでもいいと思ったアイディアはやりたくなってしまうプランナーやディレクターもいると思うので、一度立ち止まってコスパを考えるのがやっぱりエンジニアの役割として重要だと思います。

(他も色々話しましたが割愛します)

感想

安易な気持ちで承諾してしまったものの、直前になるにつれググる以上のことを得られないと意味ないなと思ったのでかなり焦りました。

また参加者の方がどのようなインプットを求めているかがわからなかったり、ターゲットもざっくりとしていたためカリキュラムを練りづらかったのでそこも反省でした。

その結果ディスカッションを多めにする方がよいと考え、結果そこからいいアウトプットも生まれたのですが、レベル感が違う方もいて進行の申し訳なさも感じました。

「参加して良かった感」「持って帰った感」では手法のワークショップなどがやっぱり一番いいんでしょうが、、、この機会にここら辺ももっと最適なものを考えたいなと思いました。

エンジニア向け参考書籍

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