プロトタイプやUIを改善するユーザビリティテストの4手順

テスト設計テンプレートシート付き

Yuki Yoshinaga
Sep 16, 2017 · 6 min read
ユーザビリティテストを成功させるための4手順

サービスリリース前や開発初期において、UI改善やプロトタイプ改善にプロトタイプとユーザビリティテストは付き物です。

しかし、ユーザビリティテスト結果を活かしてデザインやプロトタイプ改善を有効な形で実践できるチームは少ないように思います。

ユーザビリティテストは定性テストですが、その他の定量テストと同じく設計と評価が最も重要です。感覚で設計や評価を行うと、効果は半減してしまいます。

ユーザビリティテストの大まかな4手順

ユーザビリティテストは、次の手順で行われます。

  1. プロトタイピング
  2. ユーザビリティテスト設計
  3. テスト実施
  4. テスト結果の評価

以下では、各手順について説明していきます。設計・評価の章にはスプレッドシートのテンプレートも載せています。是非コピーしてお使いください。

1. プロトタイピング

プロトタイプには次のようなレベルがありますが、どのレベルのものを使ってもそれ以降の工程は変わりません。

  • ペーパープロトタイプ
  • 簡易プロトタイプ(prottやMarvelで制作するレベルのもの)
  • 動くプロトタイプ(Flintoやprincipleで制作するレベルのもの)
  • コーデッドプロトタイプ

今回の本筋ではないので、プロトタイピングの説明は割愛します。

2. ユーザビリテスト設計

ユーザビリティテストの設計には、主に下記の工程があります。

課題箇所洗い出し

まずは、テストに使用するデザインの中にある課題箇所をリスト化しましょう。ここで言う課題箇所とは、ユーザーが閲覧・操作することのできるもの全てを指します。

シナリオ設計(設問項目)

課題箇所をリストしたら、テストユーザーがそれぞれの箇所を満遍なく通るように操作のシナリオを作成します。シナリオとは、テスト時にユーザーに与える操作の指示や課題のことです。

ただし、できるだけ実際のユーザー行動に近づけるために、シナリオは不自然な操作にならないように設計しましょう。

無理に1つのシナリオで全ての箇所をカバーすると不自然で複雑な操作になってしまうので、その場合はシナリオを複数に分けてください。いくつに分けてもOKです。

また、「◯◯ページの△△ボタンを押して下さい」「◯◯画面で△△と入力してください」など単一の操作を誘導するシナリオは実際のユーザー行動とは遠いものになってしまいます。

その上、その操作パターン以外に存在する問題を発見することができなくなります。テストのノイズとなるのでこのようなシナリオは避けましょう。

「アカウントを作って好きな人をフォローしてください」など、複数の操作と自由さを内包したシナリオがベストです

正答と制限時間設計の設定

シナリオを作成したら、そのシナリオにおける正しい操作を設定します。また、その操作を完了するまでにかかると思われる時間を制限時間として設定します。

ここは、どんなに長くても30秒未満に設計しましょう。時間のかかりすぎる複雑なUIは改善の余地があるためです。

また、制限時間を設けるのは、テストを無駄に長引かせないためでもあります。誤った操作をし続けるユーザーの行動を観察し続ける必要はありません

制限時間を超えたら、誤った操作であることを伝え、正答を教えて次のシナリオに進みましょう。

ただし、操作の誤りを指摘する時、注意しなければならない点があります。

それは、誤った操作を何度も訂正し続けると、テストユーザーが萎縮してしまい自然で自発的な操作をしなくなってしまう場合があることです。

何度も指摘しなくてよくするために、ページ数や操作手順が多いシナリオは設計しないようにしましょう。

また、どうしてもシナリオが長くなる場合は、間違える度に口頭で訂正しなくていいように、その操作が間違いだという旨のページをプロトタイプの中にあらかじめ作成しておくのをオススメします。

ただしこの場合、そもそも手順が多くならざるを得ないデザインをやり直すことも検討してください。

デザラボでは、上記のテスト設計用に専用テンプレートをスプレッドシートで公開しています。コピーして是非ご活用ください。※テンプレートは更新することがあります。

参考記事:ユーザビリティテストテンプレートとその使い方【設計と評価】

3. ユーザビリテスト実施

作成したシナリオを使って、テストユーザーに実際にUIを触ってもらいます。この時、必ず操作しているところを撮影するようにしてください。その場にいなかったチームメンバーに問題点や課題感を共有するのにとても役立ちます。

テスト時には、上記テンプレートなどを活用して作成したテストシートを用意し、触ってもらいながら問題の有無や課題点、所要時間をメモしていきましょう。

4. テスト結果の評価

テスト後は、発見された課題に優先順位をつけるために、しっかり結果を評価しましょう。私たちデザラボでは、次の2点を基準に評価し、スコア付けを行っています。

  • その問題が起こる頻度
  • その問題のクリティカル性

合計のスコアが高い順に優先順位を高くつけることで、順番に対応していくことができます。

テスト結果の評価用の専用テンプレートもスプレッドシートで公開しています。頻度やクリティカル性を選択すると自動でスコアが出るようになっています。コピーして是非ご活用ください。※テンプレートは更新することがあります。

参考記事:ユーザビリティテストテンプレートとその使い方【設計と評価】

ユーザビリティテストはマイナスをゼロにする手法

ユーザビリティテストは、サービスにある「使いづらさ」というマイナス点を解消し、ユーザーの離脱率を下げる効果を持ちます。

一方、感性に訴えかけるようなデザインやブランド価値を向上させるデザインを実現する機能は持っていません。

もしブランディング面やリピート率を強化したいと考えているならば、それはユーザビリティテストだけでは適わないでしょう。

その場合、ユーザビリティテストだけでなく、ターゲットやペルソナの心に刺さるデザインを作るための動きを並行して行いましょう。

続き:デザインに必要なのは「ユーザビリティ」だけじゃない。そそるデザインを作る方法


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Yuki Yoshinaga

Written by

UXマン。UXデザインチーム デザラボ代表 兼 UXデザイナー。株式会社Bocchi取締役DEO。 / An UX Designer. Founder of Design Labo and Board of Bocchi,Inc

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