ユーザインタビューを行うなら必ず意識したい、3つのエクストリームユーザー
インタビュー相手には、エクストリームユーザーを探そう
新しいサービス開発のために顧客開発を行うとき、ユーザーと直接会って行う定性調査は欠かせない工程です。その中でも最も実践されている手法が、ユーザーインタビューでしょう。
しかし実際にユーザーインタビューを行うとなると、ペルソナに完全に一致するような人はなかなか見つからないものです。そして次のような疑問が沸いてくることでしょう。
「結局どういう人に話を聞いてみるべきなんだ?」
「どこまでペルソナから外れた人に接触していいんだろう?」
その疑問への答えが「3つのエクストリームユーザー」です。
エクストリームユーザー = ターゲット層やペルソナの範囲内で極端な行動や性質を持つ人
エクストリーム(Extreme)は「極端な」と訳されることが多いですが、本来は「真ん中から離れた端の方」という意味です。
つまりエクストリームユーザーとは、あるテーマや行動・サービス利用におけるプロフェッショナル層やアンチ層といった、ターゲット層・ペルソナの範囲内において極端なユーザーのことを指します。
いわゆるヘビーユーザーとは異なることに注意しましょう。
3種類のエクストリームユーザー
エクストリームユーザーには、3つの種類があります。より精度の高い顧客開発を行うためには、3つすべての層に接触を図りましょう。
- エクストリームにプロフェッショナルなユーザー
量・頻度・継続期間などについて、その行動にこだわりを持って時間とコストをかけている人たちです。彼らが先行的に行っていることや知識を市場に先駆けて察知することが、彼らに接触する価値です。 - エクストリームにペルソナに近いユーザー
ペルソナにほぼ完全に当てはまる人です。見つけるのが困難で、あまりに想定通り過ぎる(ように見える)意味でエクストリームと言えます。彼らをインタビュー対象に選定する目的は、新たな発見ではなくペルソナに関する仮説を検証することにあります。 - エクストリームにネガティブで逃げ腰なユーザー
1とは反対に、その行動の量・頻度・継続期間などが極端に低い人たちです。ターゲットの範囲内にも関わらずモノやサービスをほとんど利用していない彼らからは、予想もしなかった彼ら独自の代替的問題解決手段を発見できます。
新サービス開発とエクストリームユーザー調査の相性はバツグン
これからのサービス開発および顧客開発では、投資家やマーケターによる市場調査や単一層への定性調査で得られる表層のニーズに応えるだけでは不十分です。
なぜなら現代は、既存のニーズを解決するためのサービスが、ほとんどのケースにおいて既に存在する時代からです。
何かイノベーティブな点が無ければ、既にある程度満足しているユーザーに振り向いてもらうことはできません。そしてそのイノベーティブなサービスは、極端な人たちが先行的に行っていることの本質を捉え、より普及しやすい形に変えることで実現可能になります。
つまりエクストリームユーザーへのインタビューは、革新性のある新しいサービスを作るための第一歩なのです。
最後に1つだけ注意:エクストリームユーザーはあなたのサービスのメインペルソナではない
エクストリームユーザーに接触すると、彼らに対してのソリューションを思いつくことがあります。しかし、その誘惑に負けてはいけません。
エクストリームユーザーに接触するのは、彼らをターゲットとしたサービスを開発するためではなかったはずです。あくまで彼らの先行的な行動を一般化し、普及する形に昇華させたサービスを開発するのが目的です。
もし彼らに対するサービスを開発するならば、再度仮説を組み直したり競合を調査する必要が出てきます。また、この場合エクストリームユーザーは「エクストリーム」ではなくなるため、再度エクストリームユーザーを選定することになります。
できれば、アイデアをメモしておくに留めましょう。
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