BtoXtoXのサービスを作るなら知っておきたい、リボンモデルを使った両面ペルソナの作り方

片手落ちのペルソナを作らないように気をつけて。リボンモデルでチェックしよう。

Yuki Yoshinaga
Oct 18, 2017 · 7 min read

よくあるケース:片手落ちのペルソナ、片手落ちのユーザーインタビュー

サービスを開発する時や事業のアイデアをひらめいた時、あなたは間違いなく「なんて画期的なサービスなんだ!これはイケる!俺は天才かもしれない」と思っていることでしょう。

思いついたのが仕事中であれバスタブの中であれ、あるいはパブで泥酔した状態であれ、あなたは自分に天才の片鱗を感じているはずです。とても素晴らしい感覚に酔いしれていることでしょう。そんな時、あなたが次にとるべき行動はたった一つです。

それは、そのアイデアを実現するためにはカスタマーとクライアントの2種類のユーザーが存在する必要があるかどうか考えること。

もしカスタマーかクライアントのどちらか1種類しか存在しなくていいならば、あなたは今すぐブラウザバックしてサービスの構想を練る仕事に戻って下さい。

しかしそうでない場合、一度冷静になって立ち止まり、そのアイデアがカスタマーとクライアント両者のニーズを満たせるものになっているかを確認するべきです。

あなたのサービスは片手落ちの状態になっていませんか?
片方のペルソナだけを想定してしまっていないでしょうか?
あるいは、もしあなたがユーザーインタビューを実施しているならば、その相手は片方のペルソナだけに偏っていないでしょうか?

もしそうであれば、それは健全な状態ではありません。今すぐもう片方のターゲットやペルソナの課題感について考えを巡らせることをおすすめします。

そして今回は、この想定ペルソナの偏りをチェック・解消するサービスデザイン手法「リボンモデル」と、同モデルを使ったペルソナ作りについてお話します。

リボンモデルとは?

リボンモデルを使ったペルソナの話に触れる前に、そもそもリボンモデルとは何かをお話します。「もう知ってるよ」という方は飛ばして頂いてOKです。

リボンモデルとは、リクルートによって提唱されたサービスデザインモデルのひとつで、サービスの顧客がカスタマー・クライアント等の形で両面に存在する際にあてはめられるモデルです。

リクルートのメンバーズブログには、次のようにあります。

リボンモデルは2003年頃に当時は情報誌やフリーペーパーを主体としたメディアや ビジネスを構築・実現するための基本構想 (中略)

リボンモデルの構造はカスタマーとクライアントの体験設計基盤とも捉えることができ、(中略)両者の視点を交えて両者をつなぐための UX デザインフレームワークとも捉えることができます。(リクルートメンバーズブログ

そしてその効能については、次のように記されています。

例えば、集客を基軸とした施策立案や検討を目的とした議論の際はカスタマーの裾の部分。コンバージョンなど意思決定に関わる施策検討に関する議論の場合はリボンの結びの部分、というように全体の縮図から対象の領域を特定することでマクロな観点での分析や影響因子を推測することが可能になります。(

また、その用途については、下記のように記されています。

リボンモデルは、さまざまな目的で使われる。対象のビジネスがどれくらいのポテンシャルを秘めているのかを見極めるためにも使うし、事業を成功させるうえでクリアすべきポイントは何かを探し、進むべき道を探索するための〝海図〟としても使われる。(日経BizGate

このように、リボンモデルは広範な用途に当てはめ、全体を俯瞰することが出来るサービスデザインモデルです。ぐるなびやゼクシィ、スタディサプリ等が例として挙げられ、実績十分の手法と言えるでしょう。

そして、リボンモデルとペルソナはとても相性がよく、自分のサービスがどういう人にどういう価値を与えるのが目標なのかを俯瞰するのにとても役立ちます。

ホストとゲスト両面のペルソナがマッチするか考える

さていよいよ、リボンモデル構造のサービスに使えるペルソナの作り方をご紹介します。

まず前提として、リボンモデルに当てはまる(ホストとゲスト両面にペルソナがある)サービスの場合、両方のペルソナの課題とニーズがマッチングしていることが重要です。

そこで、下記のようにペルソナについての情報や仮説をいくつかの要素に分けたシートを作り、両面のペルソナがWin-Winになる要素があるか・設計できているかをチェックしましょう。(下記画像は一例です。)

リボンペルソナ概略図の例。リボンが縦になったイメージ。

上記画像ではゼクシィとスタディサプリをサンプルにしています。サービスを挟んで上下に、どういう人がいるのか・どういう課題を持っているのか・何を欲しているのかを俯瞰できるのが分かりますね。

もちろんこれは仮説なので、ただ作っただけで終わりではありません。ユーザーインタビューやサービスの運営を続けていく内に更新されていくでしょう。

しかし、最初からアイデア1つで走り出すのではなく、こういったフレームワークに落とし込んで成功への仮説を整理しておくことは重要です。リボンモデルやペルソナも1つのプロトタイプだと考えて、まずは頭の中のアイデアをアウトプットし、検証してみましょう。

成功に向けて、あなたのサービスにリボンモデルが当てはまるか、ペルソナについて考え漏れが無いか、是非チェックしてみてくださいね。

リボンの両側が均衡しているかを考える

リボンの構造を発見できたら、次に、そのリボンの形が傾いていないか、どちらかが小さすぎないか・大きすぎないかを確認しましょう。

つまり、出来たリボンを俯瞰し、ゲストとホストの数や市場、お金の量など(=需要と供給)が現在は均衡しているか、均衡させることができるか、均衡させるためには何を行わなければいけないかを考えましょう。

需要と供給が均衡しなければ健全なビジネスは成り立ちません。もし均衡が取れなさそうな時は、片方のリボンに入るペルソナの種類を変えたり増やしたりするのもアリですね。

追記(10/22):両面ペルソナの概略図テンプレートを公開しました。コピー&ペーストしてお使い下さい。↓

デザラボ

デザラボは、リサーチからデザイン・開発までを行うUXデザインチームです。新サービス開発や顧客開発、アプリ・Webサービスの改善をサポートし、あなたのサービスをグッドデザインにします。

Yuki Yoshinaga

Written by

UXマン。UXデザインチーム デザラボ代表 兼 UXデザイナー。株式会社Bocchi取締役DEO。 / An UX Designer. Founder of Design Labo and Board of Bocchi,Inc

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