思い出のフィルムカメラをもう一度

Yuhei FUJITA
devinker
Published in
5 min readMay 19, 2018

前々からカメラが欲しいなと思っていたけど、結果としてフィルムカメラがほしいという結論に至った、そんな話。

Photo by Firza Pratama on Unsplash

記録であればスマホのカメラで十分

僕は写真を撮ること自体は昔から好きで、旅行先ではもちろんのこと、気に入った風景などがあれば撮ることは多い。

そんな写真は全てと言っていいほど、ポケットにいつも入っているスマホのカメラで撮ってきたし、写真の管理もGoogleフォトで行ってきた。

本格的に写真を撮っている人からすればこれじゃ物足りないかもしれないが、僕は別にプロになりたいわけでもないし画質もめちゃくちゃ気にするなんてこともない。それよりも「いつでも」写真が撮れて、「手軽に」管理できる方が気楽で良いし、そっちを優先している。

だからカメラはスマホがあれば十分だし、最近のスマホのカメラは凄い。下手に安いデジカメを買うくらいなら、スマホのカメラの方が綺麗だったり管理も楽だ。

だから、日常の記録としての写真であれば、わざわざ高いカメラを買わなくてもスマホで十分だと思っている。

記録ではなく記憶を残したい

写真を撮り始めた最初の頃は何のこだわりも無かったが、写真を撮りためていくうちに「こだわり」が生まれてきた。それは構図だったり、細かな設定だったり。

そうなってくるとスマホのカメラではどうしても物足りなく感じることも増えてきて、「一眼レフとか欲しいな」と思うことも増えてきた。

実際にカメラ屋でカメラを見て回ったりもしたが、ふと「自分が撮りたいのはプロみたいな綺麗な写真なのか」と思うことがあった。

確かにプロみたいな写真が撮れれば良いかもしれないが、自分が目指しているのはそうじゃない気がした。もし自分がスマホのカメラの延長としてカメラを買ったとしたら、今の手軽さを捨てることになる。それは自分の求めている形じゃない。

カメラにこだわって撮りたいのは「記録」ではなく「記憶」としての写真だ。

それは写真そのものだけではなく、写真を撮る瞬間の体験までも写真の一部として残していきたい。それはスマホから一眼レフみたいなカメラに持ち替えたところで、得られないように感じた。

色褪せないあの頃のフィルムカメラの思い出

そこで選んだのが、フィルムカメラだった。

僕がまだ小学生や中学生の頃、カメラを持ち歩くどころか、好きに使えるなんてことはほとんど無かった。。もちろん携帯電話なんて当時持ってなかったし、個人的にカメラを持っている同年代の人もほとんどいなかった。

そんな中、唯一カメラを自由に使えたのは「使い捨てカメラ」だ。修学旅行なんかに行くとき買ってもらった時のワクワク感は今でも覚えている。

確かに使い捨てカメラはスマホみたいに勝手にピントが合うことも無ければズームすら出来ない。出来ることはフラッシュを焚くくらいだし、そもそも現像するまで出来もわからなければ、かといって撮りすぎるとあっという間に残数がなくなってしまう。

最近のカメラやスマホに比べると不便すぎて今更使い捨てカメラを買おうなんて思う人はなかなかいないと思う。

そんな使い捨てカメラでも、唯一勝てる事がある、それは「写真を撮る体験」だと思う。

確かにスマホがあればいつでも・どこでも・手軽に写真を撮ることが出来る。その写真を見れば当時の風景を思い出すことも出来るだろう。しかし、その時の感情や撮っている自分まで、どこまで思い出せるだろうか?

そう考えた時にアナログなフィルムカメラの良さが感じられた。写真1枚撮るだけでも手間がかかるが、それだけ1枚1枚に思い入れも強くなる。

ちょうど先日、宮本 貴志(@ExTahu)さんという方がこんなツイートをしていた。宮本さんとは以前イベントで知り合った方だが、「写ルンです」についてツイートしていて当時のことを思い出した。

写真を「記録」ではなく「記憶」として残していこうと思ったとき、フィルムカメラは最高の選択だと思った。確かに高性能カメラに比べたら上手に撮るのは難しいし、撮り慣れるまでは美しい写真は撮れないかもしれない。しかしそれも一つの体験であり、記憶になれば美しい写真ではないかと思う。別に写真の美しさは撮影技術だけじゃないと思う。

技術では生み出せない写真を

写真というのはその瞬間をファインダーで切り取って、1枚の絵として焼き付けて残すことが出来る。最近の技術を使えばそれは360°になったり、3Dになったりと表現の幅は更に広いものになってきている。今まで二次元だった写真は三次元になり、動画になれば四次元にまでその次元は広がっていく。

しかし、フィルムカメラはそこに「感情」や「思い出」といった、技術では生み出せない次元を拡張出来る。これこそがアナログであるフィルムカメラの魅力であり、僕の求めているものだと思う。

もちろんフィルムカメラを買ってもスマホでも写真は取り続けていく、手軽だから。そんな中でも記憶に、思い出に大切に残していきたいとき、フィルムカメラを取り出して、手間をかけて、大切な写真を撮っていきたい。

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Yuhei FUJITA
devinker

プログラミングを勉強しつつフィルムカメラにハマっています