Internet Computer のトランザクションの速度とファイナリティは他の L1 ブロックチェーンを凌駕する(日本語訳)
Medium の DFINITY 公式の記事 The Internet Computer’s Transaction Speed and Finality Outpace Other L1 Blockchains (2022/1/6) の日本語訳です。
Internet Computer の性能評価では、1秒のファイナリティで、毎秒最大 11,500 トランザクション実行できることが示されました。
Internet Computer のブロックチェーンは、スピード、セキュリティ、統治権、非中央集権化 に妥協することなく、膨大な量のアップデートとトランザクションを一貫して処理できるように設計されています。ネットワークは、必要に応じて Network Nervous System (NNS) を介して自身を分割(パーティション)し、新しいサブネットとノードを追加することで、スケールします。そのスピードとスケーラビリティにより、スマートコントラクトによるエンドユーザーへのWebコンテンツ配信と、Webベースの dapp を完全にオンチェーンで実行することを可能にします。
DFINITY Foundation は最近、Internet Computer の性能を評価するための一連のテストを実施しました。実験では、ネットワーク全体のスループット能力を評価するために、負荷を段階的に増加させながら、関連するすべてのノードを対象として、サブネットに対して同時に実行されました。
この評価は控えめに行われ、Internet Computer は毎秒最大 11,500 件のトランザクションを処理でき、dapp サブネットでは平均 1 秒、NNS サブネットでは 2 秒のファイナリティで実行できることを実証し、最も強力な 100% 統治型(sovereign)ブロックチェーンであることを示しました。
“Internet Computer は、毎秒 250,000 クエリーと毎秒 11,500 トランザクションの世界最速のパブリックブロックチェーンであり、これは Solana の 11 倍以上の速度です。” と、最近 3 億ドルの評価を受けた Internet Computer 上のデジタル認証(certification)・認証(authentication)プラットフォーム である ORIGYN Foundation の共同設立者 Mike Schwartz は述べました。
”最速のブロックチェーンと高度なDeFi機能を組み合わせれば、可能性は無限に広がる” とSchwartz は述べています。
トランザクションのスピード
Internet Computer では、スマートコントラクトの関数の実行を アップデートコール と クエリーコール の2種類に分けています。
アップデートコールとは、キャニスタースマートコントラクトのステートを変更するための変更リクエストです。Internet Computer のトラフィックの90%以上を占めるクエリーコールは、Internet Computer 上で最短 1.5 ミリ秒で実行可能な読み取り専用のリクエストです。(アップデートコールとクエリコールの違いについて、詳しくはこちらをご覧ください)
アップデートコール
Internet Computer の性能評価では、ブロックチェーンは毎秒 11,000 回のアップデートコールを4分間持続して処理でき、ピーク時には毎秒 11,500 アップデートコールを処理できること(図A)、また dapp サブネットでは1秒のファイナリティ、NNS では 2 秒のファイナリティを達成することが実証されました。
クエリーコール
また、Internet Computer は毎秒 250,000 以上のクエリーを処理でき、その平均実行時間はわずか 1 ミリ秒であることが確認されました(図B)。全クエリーコールの 90% において、ノードへのリクエスト到着からユーザーへのレスポンス送信までの時間は 20 ミリ秒未満です(ユーザーのネットワークのレイテンシーは Internet Computer の制御外であり、実行時間の大部分を占めるため、ここでは無視します)。
Internet Computer のトラフィックの大部分は読み取り専用のクエリーであるため、処理できるクエリ呼び出しの量は、その性能評価の目的のために重要な指標です。Internet Computer は、HTTPリクエストを受信し、Webスピードで応答できる唯一のブロックチェーンです。
トランザクションのファイナリティ
Internet Computer の平均 2 秒のトランザクションファイナリティは、強調するに値します。ファイナリティとは、トランザクションを含む新しい有効なブロックが提案されてから、ブロックがファイナライズ(確定)され、その内容が取り消しや修正されないことが保証されるまでの平均時間を指します(例えばビットコインなどの一部のブロックチェーンでは、この保証は確率的でしかありません)。
Internet Computer の驚異的なスピードを説明するために、公開されているデータをもとに、他のブロックチェーンとの処理速度の比較を見てください。
クラウドのノードではない
重要なのは、他のブロックチェーンとは異なり、Internet Computer のノードは Amazon Web Services、Google、Microsoft、Alibaba などのクラウドプロバイダー上で稼働しているわけではなく、世界中にある独立したデータセンターで 400 以上のノードが稼働しており、ノード数は指数関数的に増加していることです。さらに、ウェブコンテンツをユーザーに直接提供するために、追加のクラウドインフラは必要ありません。他のレイヤー1ブロックチェーンはクラウドのノードに依存しているため、プロバイダーが突然関連のあるノードを停止することによる、ネットワークのパフォーマンスを低下させるリスクが高まります。
Decrypt などが報じているように、”Ethereumノードの70%以上がAWSなどの中央集権的なサービスでホストされている “とし、暗号投資家の Anthony Pompliano は “Jeff Bezos が 単に AWS を止めるだけでこれらのEthereum ベースの ”DeFi” アプリのほとんどを停止できる“ と警告しています。さらには、Ethereum コミュニティでは、ネットワークの 中央集権型サーバへの依存度 を追跡しており、Internet Computer 上でノードを実行することによってイーサリアムの分散化をさらに進めようとする Ethereum 支持者の声が高まっています。
昨年 5 月の Genesis のローンチ以来、Internet Computer は瞬く間に世界最強の 100% 統治型(sovereign)汎用ブロックチェーンとなり、すでに毎秒 250,000 リクエストの配信を突破しています。2022 年の目標は、スピードの側面においては、Internet Computer を継続的にスケーリングと最適化を行って、毎秒 100 万リクエストを処理できるようにすることです。
まとめ
Internet Computer の性能評価では、ブロックチェーンが毎秒最大 11,500 件のトランザクションを 2 秒のファイナリティで実行できることが示されており、これは他のどのレイヤー1プロトコルよりも高速であることが示されています。この技術的な達成にもかかわらず、DFINITY Foundation とInternet Computer のコミュニティは、ブロックチェーンの性能を向上し続けています。
Internet Computer の優れた性能により、世界中の開発者や起業家が、高度なスマートコントラクトを利用して世界のシステムとサービスを再構築する Web3 dapps を作ることが可能になり、オンチェーンで動くソーシャルとゲームの dapps へ DeFi を統合することで可能性が広がっています。
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